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ゴーストライター / ユアン・マクレガー

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「ゴーストライター」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

「戦場のピアニスト」の名匠ロマン・ポランスキー監督が、ロバート・ハリスの同名ベストセラーを「ムーラン・ルージュ」のユアン・マクレガー主演で映画化したサスペンス・ミステリー。自叙伝を発表する元英国首相にゴーストライターとして雇われた主人公が、国家を揺るがす危険な秘密に迫ったばかりに、恐るべき陰謀に巻き込まれていくさまをスリリングに描き出す。英国の元首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼された一人のゴーストライター。政治に興味のない彼は気乗りしないままに、ラングが滞在するアメリカ東海岸の孤島へと向かう。そこでラングへの取材をしながら、事故死した前任者の仕事を引き継ぎ、原稿を書き進めていくが…。 JAN:4907953047006

「ゴーストライター」 の作品情報

作品情報

製作年:

2010年

原題:

THE GHOST WRITER

「ゴーストライター」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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やっぱり契約破棄していいですか!?

ラスト・デイズ・オン・マーズ

虚栄のかがり火

ファイナル・スコア

ユーザーレビュー:69件

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26〜 30件 / 全69件

第三のゴースト。

投稿日:2020/08/23 レビュアー:ぴよさん

(うっすらネタバレ)
 映画監督は、詐欺師だ。そもそも映画というのは、いかに観客を騙しきるかにかかっている。
その手口は多種多様で、考え抜かれ洗練された策を用いる人もあれば、あえてみえみえのネタを
使う事もある。要は観客を騙して、そこそこ満足させれば勝ちということだ。興味深いこと に
詐欺というのは、完璧に仕掛ければ成功するというものではない。むしろ世にあふれる詐欺の
多くは「なんでそんな話にひっかかる?」と思うほどに隙だらけだ。それに騙される心理は謎だ
が「隙がある話」ほどフックがあるということだろうか。「怪しく感じるんだけど、そこにこそ
未知の魔力を感じる」というような。

 ポランスキーもまた一流の詐欺師だ。教養もあり、人間の裏側部分にも造詣が深い。自ら製作
してきた経験値は高く、様々な手を知っている。冒頭の1シークエンスだけで、巧みさが 予感
できる。余計なセリフもカットも無い。フェリーに取り残された一台の車、海辺に流れ着く 男の
死体(いや流れ着くはずの無い死体)ああ、もうこの詐欺にひっかかっちまうんだろうなぁ と
感じてしまうのだ。
 だがそこから展開される物語には、確かにあちこち隙がある。それは少し考えれば補正され得る
ものだが、あえてされていない。隙無く作りあげることで“味”が失われることを嫌っているのだ。
現実の世の中に起こっていることだって、整合性なんてとれちゃいない。人それぞれに思うこと
は違うし、完璧に理屈にあった行動がとられることなんて無い。それは「巧い詐欺話にならない」
から。

 首を突っ込まなければ、いや、いつだってそこから逃げ出してしまえるのに、ユアン演じる
“ゴースト”は残り続けた。どこか怪しいと感じているのに、首を突っ込み続ける。それは「騙さ
れたい」と思いながら観ている、観客である私達の視点だ。それは「分かってるんだよ俺だけは。
分かったうえで、どれ見てやろうか」というやつだ。

 上空から重く湿った雲でフタをされ、逃げ場が無いような気分にさせられる。この湿った雲は
人々の体内・脳内にまで浸み込んで、それぞれの行動を「どろんと」鈍重にさせている。泥沼に
足を取られているかのような足取りで、謎解きが進む。焦りはしないが、着実に破局へ向かう
恐怖とともに進む感覚だ。杜撰で、巧妙な詐欺話。ユアンと共に、私達も騙されてゆくしかない。
 唯一、シャープに動けたのが、名もなき兵士である息子の父親。あの男の行動だけが、単純
で直接的だったと言える。

 そして実はこの映画の脚本は、ユアンの次に雇われた三人目のゴーストライターが書いた、と
いうオチはどうだろう。もちろんここまで書いてしまったのなら、彼もまた無事ではいられない
だろうが。


( ykk1976’s movie club 108th)

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「 やめとけ 」と自分自身に言ったのに、やってしまいました。

投稿日:2020/08/20 レビュアー:ロキュータス

 
 ( ネタばれあり)
よふかしさんのレビューに同感で、これは傑作ではないでしょうか。
人里離れた島、森、荒れた海や別荘の美しい内装とか色調は寒色の暗めで、陰謀に徐々に巻き込まれていき不穏なムードに緊張はするのだけど、話の展開は暗くない。
そこはかとなく皮肉なユーモアがあって、緊張と緩和の変化があって、話がだれずおもしろいですね。

主人公のゴーストライター( ユアン・マクレガー )も文才もあり、知的なんだけど、余計な事を口走り、またやってしてしまうところがおもしろい。
鏡に映る自分に向かって「 やめとけ 」というのにね・・・(笑)

どうなるんだろ、とハラハラしながら、ある程度予想の範疇の展開になったと思ったら、意外さに驚き、でもそうなるよねと納得の結末がリアル。 

アダム・ラング元イギリス首相( ピアーズ・ブロスナン )のモデルはトニー・ブレア元イギリス首相。
原作者でポランスキーと共同で脚本を書いたロバート・ハリスは元ジャーナリスト。
トニー・ブレアの熱心な支持者で個人的にもつきあいがあったが、イラク戦争のイギリス参戦を決めたトニー・ブレアに失望、批判に転じたそうです。

さて、例の少女暴行事件のために、ロマン・ポランスキーはアメリカ( とイギリスも ? )に入国できず、本作の撮影もドイツで行われました。
本作制作中の2009年9月、ロマン・ポランスキーはチューリッヒ映画祭の生涯功労賞を受賞するため滞在中、1977年に犯したこの件の関連でスイス当局に身柄を拘束されます。

アメリカ当局は身柄引き渡しを要求。 スイスの裁判所は、処分決定まで、ポランスキーをスイスの別荘への自宅軟禁に処します。 ポランスキーはその自宅別荘でポスト・プロダクションを行い、作品は完成。
翌2010年2月ベルリン国際映画祭でワールド・プレミアが行われ、ポランスキーは銀熊賞(監督賞)を受賞したが、彼は出席できなかった。
同年7月スイスはアメリカへの引き渡し拒否、釈放が決定した。

元少女とは和解している32年前のこの事件で、自宅別荘があるスイスで逮捕。
これはCIA批判の本作を作ったポランスキーに対して、アメリカ政府がスイスに圧力をかけてのいやがらせと取るのが、やはり妥当ではないでしょうか。

( ykk1976さんの映画会 108回のレビュー )

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はらたいらさんもいいけど、いつも綺麗な竹下景子さんに1000点!

投稿日:2015/02/11 レビュアー:伝衛門

レビュータイトルは、昔の人気番組『クイズダービー』の出場者の定番セリフより拝借。

”ライター”という音の響きに、はらたいらさんや藤田平さんを思い浮かべてしまい、
ついつい意味もなく記してしまった次第。。。(・・。)ゞ
(『世界かれいどすこーぷ』の文字から、かとうれいこさんが浮かび上がるのに似ているかも?(*^.^*))

そのはらたいらさんですが、番組内で驚異の正解率を誇っていました。
第1問目で”はらたいらさんに2000点”と勝負を仕掛け、その後、はらたいらさんか竹下景子さんで手堅く押さえ、
最終問題も”はらたいらさん”と賭けておけば、無難に10万点をクリアできそうに思えていました。

ですが、篠沢教授や斉藤慶子さんらで回り道をしながら(失礼)、最終問題で”はらたいらさんに全部”という筋書きが決められているかのような展開をよく目にしていたように記憶しています。

いろいろ作戦を練りながら賞金を獲得するストーリーを描こうとする出場者ですが、番組の演出サイドの筋書の中で構想を練っていることになるのでしょう。
出場者、回答者、司会者とそれぞれ自分たちの意思で仕事をされているわけですが、番組のショー的演出が支配しているのだと。。。

番組の構成作家の中に景山民夫さんがおられたのですが、フィクション小説の中で”驚異的な正解率を誇る漫画家”を登場させ、
次週分の問題の解答をしてしまい収録分をお蔵入りさせてしまうハプニングを描かれていたようです。

事実かどうかは不明ですが、先輩が事実のように語られていたことを思い出すにつけ、影響力のある”ライター”だったんだなぁ〜と感心してしまいます。

本作品を鑑賞して、はらたいらさんに関する都市伝説を思い出しました。

”誰がゴーストなのか、誰がライターなのか”
強引なこじつけが気にならなくもないですが、陰謀渦巻く雰囲気が心地よい印象を持ちました。

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ダイイングメッセージ

投稿日:2012/05/18 レビュアー:こうさま

評価76点(100点満点)
接岸したフェリーから次々と降りてゆく車、一台だけが停止したまま。そんな冒頭シーンからサスペンスの匂いがプンプンするような作品でなかなか面白い。
元英国首相アダム・ラングの自叙伝を完成させるために雇われたゴーストライター、一応原稿は書き上げた時点で不慮の死をとげる、これが冒頭のシーンにつながっている。そしてこの原稿を加筆修正して発刊までにもってゆくために後任のゴーストライターが破格の報酬で雇われることになる。このライター、多分一度も名前を呼ばれなかったように思うが、文字通りのゴーストライターということなのだろう。彼が執筆するのは元首相の別荘のある米東海岸の島、まわりの景色はどうみてもアメリカとは見えないがポランスキー監督の個人的理由でアメリカ以外の地域ということになったのだろう。アダムをインタビューしながら結婚した時の話を聞き出しているうちにライターは元首相の過去になんとはない違和感を覚えると同時に事故死になっている前任ライターの死にも疑問を感じはじめるのだつた。そしてそこに電撃ニュースとして伝えられるアダムの戦争犯罪人疑惑、アダムの妻の不可解な行動。そして前任ライターの残した元首相の大学時代の数葉の写真、ゴーストライターは取材を続けるうちに元首相の隠されていた秘密を知ることになると同時に自分を狙う不気味な影を意識させられ、いつしか大きな危険な渦に巻き込まれた自分が追い詰められつつあるということを悟ることになる。明らかになる秘密と迫ってくる危機、これぞサスペンスの王道を地でゆく作品でラストもなかなかよいのだが、前任者の残したダイイングメッセージのくだりがいささかお粗末な感じでちよっとなぁと思ってしまう。他にも疑問符のつく箇所もあるが概ね楽しめる作品。英国人らしいウイットに富んださりげない会話もいい味付けになっている。

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安っぽい煽りなし!最上級、真っ向勝負のサスペンス。

投稿日:2012/05/13 レビュアー:天才芸人

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜面白かった!!
公開当時すごく観たかったんですが、地味だなんだと公開劇場も少なく、
行くに行けない無念さを噛み締めながら見送った作品。
その後の評判もあんまり聞かないので、こりゃイマイチなのかな、
と思いつつも観たわけですが…!
すーーーーごく良かった。
自称サスペンス好きでこれが「ツマンナイ」って言うやつは
もうそのサスペンス好きの看板を降ろせタコ野郎、と暴言を吐きたくなるデキ。
※別にそんな人を見たわけではありません

政治音痴のゴーストライター(結局最後まで名前は明かされず)が、
スター的な人気を誇った元首相の伝記を書くために彼らの別荘的なところにやって来るも、
取材を進めた途端に元首相のテロ絡みのスキャンダルが発生、
世間では大バッシング、内部は内部で嫁さんが
旦那と側近の浮気を疑いーのの三角関係で気まずい雰囲気。
飄々と「まあ俺関係ないし」なんて一歩引いてたくせに、
ちょっとずつ「これ怪しくね?」と疑いを持ち始め、
好奇心に抗えないまま核心へ…というお話。

まず。
このゴーストライター君のキャラがもうどうにもスバラシイ。
なんというか、普通すぎる。
「ただの(ゴースト)ライターのくせに超強ぇ!」とか
「こいつ探偵でもないのに鋭すぎ」とか、そういう“物語的キャラ”の匂いゼロ。
多分、僕が同じポジションに置かれたら、
同じように進んで同じような結末を迎えてた気がします。
それぐらい、ごくごく一般的な頭と好奇心を持った人物なので、
とにかくストーリーに嘘臭さがない。
その上、イギリス(と他2国合同)映画なので、
いわゆるハリウッド的な大げさな演出も一切なし。
一歩一歩進んで、振り返ると戻れない。
判断の迷いもすごく普通。気持ちがよくわかる。
切れ味鋭い決断なんて下さない。流れに身を任せて、でも知りたい答えを探していく。
そして最終的に…と。

これねー、なんでもないようで、実はものすごくストーリーに
自信がないとできないと思うんですよね。
アラを隠すのが派手な演出だったりご都合主義だったりするわけで、
その辺を全部排して、「普通の人が普通に推理を進めた結果」という映画に仕立てました、
そしてそれが面白い、というのはかなり力量のある仕事だと思います。
これはもう、かなり自信を持って言えますね。
地味ながら、すごい力のある映画だと思います。

例えば、中盤の「残ってたナビゲーション」で謎の目的地に着いたシーンとか。
これ、自信のない映画なら絶対夜のシーンになると思うんですよ。
無駄に不安を煽る演出。
でもこの映画は昼。観客に、余計な恐怖で気を煩わせない作り。
全体の展開も至極真っ当。
まさかのいきなり登場「やぁ!核心マンだよ」とかもナシ。
くどいですが、ものすーーーーーごく真っ当に作ってる。
真っ当でこの結末、この後味。スゴイ。

それでまた、「ゴーストライター君」がユアン・マクレガーという配役が100点。
フツーっぽいし、なんか抜けてそうだしっていうキャラクターがもう適役すぎる。
これがケヴィン・スペイシーだったらもう。完全に違う映画になってます。
配役の時点で「普通の人ですよ、裏切りませんよ」と告知しておいて、
実際そういう内容で勝負する、この潔さ。
ところどころでちょっとした小ネタも織り交ぜ、終始ユルさも忘れない。
これがまたイイつなぎになっていて、劇中の緊張と緩和のバランスが絶妙。
原作&脚本のロバート・ハリス、監督&脚本のロマン・ポランスキー、
このコンビは素晴らしい仕事をしましたね。ウン。
「お前ら騙されるな」的な胡散臭いコピーが必要ない真っ当な映画です。

えー嘘臭いようですが、実は僕は昼休みとなると毎日政治ニュースを
見て回ってるような政治オタク的な要素を持っている人間なので、
この手の政治絡み&陰謀論が見え隠れ…みたいな話が大好物なのは疑う余地もなく、
そういう意味では(その手の話に興味のない人は)話半分に
取ってもらった方がいいかもしれませんが、
それでもやっぱり、これだけ「脚本勝負」で
作り切ったすごさというのは認められてしかるべきでしょう。
特濃サスペンスで大満足。ごちそうさまでした。

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26〜 30件 / 全69件

ゴーストライター

ユーザーレビュー

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第三のゴースト。

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2020/08/23

レビュアー

ぴよさん

(うっすらネタバレ)
 映画監督は、詐欺師だ。そもそも映画というのは、いかに観客を騙しきるかにかかっている。
その手口は多種多様で、考え抜かれ洗練された策を用いる人もあれば、あえてみえみえのネタを
使う事もある。要は観客を騙して、そこそこ満足させれば勝ちということだ。興味深いこと に
詐欺というのは、完璧に仕掛ければ成功するというものではない。むしろ世にあふれる詐欺の
多くは「なんでそんな話にひっかかる?」と思うほどに隙だらけだ。それに騙される心理は謎だ
が「隙がある話」ほどフックがあるということだろうか。「怪しく感じるんだけど、そこにこそ
未知の魔力を感じる」というような。

 ポランスキーもまた一流の詐欺師だ。教養もあり、人間の裏側部分にも造詣が深い。自ら製作
してきた経験値は高く、様々な手を知っている。冒頭の1シークエンスだけで、巧みさが 予感
できる。余計なセリフもカットも無い。フェリーに取り残された一台の車、海辺に流れ着く 男の
死体(いや流れ着くはずの無い死体)ああ、もうこの詐欺にひっかかっちまうんだろうなぁ と
感じてしまうのだ。
 だがそこから展開される物語には、確かにあちこち隙がある。それは少し考えれば補正され得る
ものだが、あえてされていない。隙無く作りあげることで“味”が失われることを嫌っているのだ。
現実の世の中に起こっていることだって、整合性なんてとれちゃいない。人それぞれに思うこと
は違うし、完璧に理屈にあった行動がとられることなんて無い。それは「巧い詐欺話にならない」
から。

 首を突っ込まなければ、いや、いつだってそこから逃げ出してしまえるのに、ユアン演じる
“ゴースト”は残り続けた。どこか怪しいと感じているのに、首を突っ込み続ける。それは「騙さ
れたい」と思いながら観ている、観客である私達の視点だ。それは「分かってるんだよ俺だけは。
分かったうえで、どれ見てやろうか」というやつだ。

 上空から重く湿った雲でフタをされ、逃げ場が無いような気分にさせられる。この湿った雲は
人々の体内・脳内にまで浸み込んで、それぞれの行動を「どろんと」鈍重にさせている。泥沼に
足を取られているかのような足取りで、謎解きが進む。焦りはしないが、着実に破局へ向かう
恐怖とともに進む感覚だ。杜撰で、巧妙な詐欺話。ユアンと共に、私達も騙されてゆくしかない。
 唯一、シャープに動けたのが、名もなき兵士である息子の父親。あの男の行動だけが、単純
で直接的だったと言える。

 そして実はこの映画の脚本は、ユアンの次に雇われた三人目のゴーストライターが書いた、と
いうオチはどうだろう。もちろんここまで書いてしまったのなら、彼もまた無事ではいられない
だろうが。


( ykk1976’s movie club 108th)

「 やめとけ 」と自分自身に言ったのに、やってしまいました。

投稿日

2020/08/20

レビュアー

ロキュータス

 
 ( ネタばれあり)
よふかしさんのレビューに同感で、これは傑作ではないでしょうか。
人里離れた島、森、荒れた海や別荘の美しい内装とか色調は寒色の暗めで、陰謀に徐々に巻き込まれていき不穏なムードに緊張はするのだけど、話の展開は暗くない。
そこはかとなく皮肉なユーモアがあって、緊張と緩和の変化があって、話がだれずおもしろいですね。

主人公のゴーストライター( ユアン・マクレガー )も文才もあり、知的なんだけど、余計な事を口走り、またやってしてしまうところがおもしろい。
鏡に映る自分に向かって「 やめとけ 」というのにね・・・(笑)

どうなるんだろ、とハラハラしながら、ある程度予想の範疇の展開になったと思ったら、意外さに驚き、でもそうなるよねと納得の結末がリアル。 

アダム・ラング元イギリス首相( ピアーズ・ブロスナン )のモデルはトニー・ブレア元イギリス首相。
原作者でポランスキーと共同で脚本を書いたロバート・ハリスは元ジャーナリスト。
トニー・ブレアの熱心な支持者で個人的にもつきあいがあったが、イラク戦争のイギリス参戦を決めたトニー・ブレアに失望、批判に転じたそうです。

さて、例の少女暴行事件のために、ロマン・ポランスキーはアメリカ( とイギリスも ? )に入国できず、本作の撮影もドイツで行われました。
本作制作中の2009年9月、ロマン・ポランスキーはチューリッヒ映画祭の生涯功労賞を受賞するため滞在中、1977年に犯したこの件の関連でスイス当局に身柄を拘束されます。

アメリカ当局は身柄引き渡しを要求。 スイスの裁判所は、処分決定まで、ポランスキーをスイスの別荘への自宅軟禁に処します。 ポランスキーはその自宅別荘でポスト・プロダクションを行い、作品は完成。
翌2010年2月ベルリン国際映画祭でワールド・プレミアが行われ、ポランスキーは銀熊賞(監督賞)を受賞したが、彼は出席できなかった。
同年7月スイスはアメリカへの引き渡し拒否、釈放が決定した。

元少女とは和解している32年前のこの事件で、自宅別荘があるスイスで逮捕。
これはCIA批判の本作を作ったポランスキーに対して、アメリカ政府がスイスに圧力をかけてのいやがらせと取るのが、やはり妥当ではないでしょうか。

( ykk1976さんの映画会 108回のレビュー )

はらたいらさんもいいけど、いつも綺麗な竹下景子さんに1000点!

投稿日

2015/02/11

レビュアー

伝衛門

レビュータイトルは、昔の人気番組『クイズダービー』の出場者の定番セリフより拝借。

”ライター”という音の響きに、はらたいらさんや藤田平さんを思い浮かべてしまい、
ついつい意味もなく記してしまった次第。。。(・・。)ゞ
(『世界かれいどすこーぷ』の文字から、かとうれいこさんが浮かび上がるのに似ているかも?(*^.^*))

そのはらたいらさんですが、番組内で驚異の正解率を誇っていました。
第1問目で”はらたいらさんに2000点”と勝負を仕掛け、その後、はらたいらさんか竹下景子さんで手堅く押さえ、
最終問題も”はらたいらさん”と賭けておけば、無難に10万点をクリアできそうに思えていました。

ですが、篠沢教授や斉藤慶子さんらで回り道をしながら(失礼)、最終問題で”はらたいらさんに全部”という筋書きが決められているかのような展開をよく目にしていたように記憶しています。

いろいろ作戦を練りながら賞金を獲得するストーリーを描こうとする出場者ですが、番組の演出サイドの筋書の中で構想を練っていることになるのでしょう。
出場者、回答者、司会者とそれぞれ自分たちの意思で仕事をされているわけですが、番組のショー的演出が支配しているのだと。。。

番組の構成作家の中に景山民夫さんがおられたのですが、フィクション小説の中で”驚異的な正解率を誇る漫画家”を登場させ、
次週分の問題の解答をしてしまい収録分をお蔵入りさせてしまうハプニングを描かれていたようです。

事実かどうかは不明ですが、先輩が事実のように語られていたことを思い出すにつけ、影響力のある”ライター”だったんだなぁ〜と感心してしまいます。

本作品を鑑賞して、はらたいらさんに関する都市伝説を思い出しました。

”誰がゴーストなのか、誰がライターなのか”
強引なこじつけが気にならなくもないですが、陰謀渦巻く雰囲気が心地よい印象を持ちました。

ダイイングメッセージ

投稿日

2012/05/18

レビュアー

こうさま

評価76点(100点満点)
接岸したフェリーから次々と降りてゆく車、一台だけが停止したまま。そんな冒頭シーンからサスペンスの匂いがプンプンするような作品でなかなか面白い。
元英国首相アダム・ラングの自叙伝を完成させるために雇われたゴーストライター、一応原稿は書き上げた時点で不慮の死をとげる、これが冒頭のシーンにつながっている。そしてこの原稿を加筆修正して発刊までにもってゆくために後任のゴーストライターが破格の報酬で雇われることになる。このライター、多分一度も名前を呼ばれなかったように思うが、文字通りのゴーストライターということなのだろう。彼が執筆するのは元首相の別荘のある米東海岸の島、まわりの景色はどうみてもアメリカとは見えないがポランスキー監督の個人的理由でアメリカ以外の地域ということになったのだろう。アダムをインタビューしながら結婚した時の話を聞き出しているうちにライターは元首相の過去になんとはない違和感を覚えると同時に事故死になっている前任ライターの死にも疑問を感じはじめるのだつた。そしてそこに電撃ニュースとして伝えられるアダムの戦争犯罪人疑惑、アダムの妻の不可解な行動。そして前任ライターの残した元首相の大学時代の数葉の写真、ゴーストライターは取材を続けるうちに元首相の隠されていた秘密を知ることになると同時に自分を狙う不気味な影を意識させられ、いつしか大きな危険な渦に巻き込まれた自分が追い詰められつつあるということを悟ることになる。明らかになる秘密と迫ってくる危機、これぞサスペンスの王道を地でゆく作品でラストもなかなかよいのだが、前任者の残したダイイングメッセージのくだりがいささかお粗末な感じでちよっとなぁと思ってしまう。他にも疑問符のつく箇所もあるが概ね楽しめる作品。英国人らしいウイットに富んださりげない会話もいい味付けになっている。

安っぽい煽りなし!最上級、真っ向勝負のサスペンス。

投稿日

2012/05/13

レビュアー

天才芸人

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜面白かった!!
公開当時すごく観たかったんですが、地味だなんだと公開劇場も少なく、
行くに行けない無念さを噛み締めながら見送った作品。
その後の評判もあんまり聞かないので、こりゃイマイチなのかな、
と思いつつも観たわけですが…!
すーーーーごく良かった。
自称サスペンス好きでこれが「ツマンナイ」って言うやつは
もうそのサスペンス好きの看板を降ろせタコ野郎、と暴言を吐きたくなるデキ。
※別にそんな人を見たわけではありません

政治音痴のゴーストライター(結局最後まで名前は明かされず)が、
スター的な人気を誇った元首相の伝記を書くために彼らの別荘的なところにやって来るも、
取材を進めた途端に元首相のテロ絡みのスキャンダルが発生、
世間では大バッシング、内部は内部で嫁さんが
旦那と側近の浮気を疑いーのの三角関係で気まずい雰囲気。
飄々と「まあ俺関係ないし」なんて一歩引いてたくせに、
ちょっとずつ「これ怪しくね?」と疑いを持ち始め、
好奇心に抗えないまま核心へ…というお話。

まず。
このゴーストライター君のキャラがもうどうにもスバラシイ。
なんというか、普通すぎる。
「ただの(ゴースト)ライターのくせに超強ぇ!」とか
「こいつ探偵でもないのに鋭すぎ」とか、そういう“物語的キャラ”の匂いゼロ。
多分、僕が同じポジションに置かれたら、
同じように進んで同じような結末を迎えてた気がします。
それぐらい、ごくごく一般的な頭と好奇心を持った人物なので、
とにかくストーリーに嘘臭さがない。
その上、イギリス(と他2国合同)映画なので、
いわゆるハリウッド的な大げさな演出も一切なし。
一歩一歩進んで、振り返ると戻れない。
判断の迷いもすごく普通。気持ちがよくわかる。
切れ味鋭い決断なんて下さない。流れに身を任せて、でも知りたい答えを探していく。
そして最終的に…と。

これねー、なんでもないようで、実はものすごくストーリーに
自信がないとできないと思うんですよね。
アラを隠すのが派手な演出だったりご都合主義だったりするわけで、
その辺を全部排して、「普通の人が普通に推理を進めた結果」という映画に仕立てました、
そしてそれが面白い、というのはかなり力量のある仕事だと思います。
これはもう、かなり自信を持って言えますね。
地味ながら、すごい力のある映画だと思います。

例えば、中盤の「残ってたナビゲーション」で謎の目的地に着いたシーンとか。
これ、自信のない映画なら絶対夜のシーンになると思うんですよ。
無駄に不安を煽る演出。
でもこの映画は昼。観客に、余計な恐怖で気を煩わせない作り。
全体の展開も至極真っ当。
まさかのいきなり登場「やぁ!核心マンだよ」とかもナシ。
くどいですが、ものすーーーーーごく真っ当に作ってる。
真っ当でこの結末、この後味。スゴイ。

それでまた、「ゴーストライター君」がユアン・マクレガーという配役が100点。
フツーっぽいし、なんか抜けてそうだしっていうキャラクターがもう適役すぎる。
これがケヴィン・スペイシーだったらもう。完全に違う映画になってます。
配役の時点で「普通の人ですよ、裏切りませんよ」と告知しておいて、
実際そういう内容で勝負する、この潔さ。
ところどころでちょっとした小ネタも織り交ぜ、終始ユルさも忘れない。
これがまたイイつなぎになっていて、劇中の緊張と緩和のバランスが絶妙。
原作&脚本のロバート・ハリス、監督&脚本のロマン・ポランスキー、
このコンビは素晴らしい仕事をしましたね。ウン。
「お前ら騙されるな」的な胡散臭いコピーが必要ない真っ当な映画です。

えー嘘臭いようですが、実は僕は昼休みとなると毎日政治ニュースを
見て回ってるような政治オタク的な要素を持っている人間なので、
この手の政治絡み&陰謀論が見え隠れ…みたいな話が大好物なのは疑う余地もなく、
そういう意味では(その手の話に興味のない人は)話半分に
取ってもらった方がいいかもしれませんが、
それでもやっぱり、これだけ「脚本勝負」で
作り切ったすごさというのは認められてしかるべきでしょう。
特濃サスペンスで大満足。ごちそうさまでした。

26〜 30件 / 全69件