ロッキー・ホラー・ショー

な、なんじゃこりゃ〜。と、まず思った。
「・・・」
と見終わった後、なんとも言えない余韻が残り
見てよかったわぁ〜と素直に思った。

ピンクフラミンゴのような世紀末感は無いし、エルポトのような前衛的な映像でもない、ソドムの市のようなグロさもない、安っぽさが全快です。まぁそれが狙いなんだろうけどさ。

いわゆる、カルトの代表的なものを多々見て来たけど、もっとバカ度をあげて作ってくれたらよかった。時代的にセットの作りも貧弱だし、粗が見えてきます。同じベッドルームを赤ライトと青ライトで違う部屋に見せたりとかさ。もういいからって感じ笑。

ミュージカルとしても、それほど評価できるものでもない。

カルトが見たいって人は、アンダルシアの犬とか禁断の惑星、パゾリーニ全作品あたりを掘り下げてもいいんじゃない？　

確かにカルトって言われれば、ロッキー・ホラー・ショーがよく出てくると思うけどさ。70年代だから熱狂した奴がいるんだよ、たぶん。今は2008年。時代錯誤を感じてしまう。70年代を懐かしがって見るにはありなんじゃないかな？

ＶＨＳ版を保有。日本人配役のの生舞台を鑑賞済み。
ずっとレンタルを迷っていましたが、
今回はお試し期間ということでお借りしました。
大正解！また、新たな楽しみ方を知りました。

内容は、好き嫌いが分かれると思います。
ファンの方で、まだ見ていない方は是非どうぞ。

当時の様子がリアルタイムに分からないし、ミュージカルも観ていないのでそこいら辺を含めた評価が出来ないのですが、どこが面白いのかちーとも判りません。
ミスタービーンとか銀河ヒッチハイクガイドなど、イギリスコメディは好きなほうだと思っていたのですが、まだまだ奥が深いということでしょうか。エロがらみだからかなあ。
また特に強烈なエロでもないので、今の時代の子供が観ても支障がないとは思いますが（ユーチューブのがすごいぜ！）、子供にはストーリーがつまらないのでお子さんにはお勧め出来ません。
自分には判らないなにかがあるかも知れないので、星はおまけして２つ★★。

この作品に関してはとにかく余計なことは考えずに腹の底から、心の奥から楽しんで、笑ってほしいと思います。

役者陣のわざとらしいオーバーアクションやウソっぽいセット、Ｂ級テイストな映像・・いい味出しています。世界観としては『ピンクフラミンゴ』のオゲレツカルトコメディーっぽさとか、『エド・ウッド』のイイ意味での安っぽさも感じられますね。
とにかく、あのハチャメチャっぷりは天下一品ですわ。

そして、ミュージカル映画ですから、なによりも素晴らしいのは曲・歌です。
ただの゛おバカさん映画゛と思ったら大間違い！！この作品はずいぶんとヘンテコなことばかりやってみせているのに、きっちりと゛カッコいい゛からファンが多いと思うんですね。ただ好きなことばかりやって垂れ流す駄作とは違います。

オサえる所はオサえて、そこにこだわりを見せているからお見事。

グラムロックを基調とした音楽と、華やかなダンス。不気味なメイクとゴスロリだかＳＭだか分からないような、明らかに怪しい衣装の役者達。
　　　　　　
なんなんでしょう・・この独特なコラボレーションは。

ストーリーとしてはだいぶ不可解な感じで進行していくのに、あの強烈なムードとカッコイイサウンド・ダンスのお祭り騒ぎで、いつの間にかどっぷりと引き込まれてしまっている・・ホントに上等な作品。映画観ながらライブ感覚ってああいうことかな？