ブーリン家の姉妹

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ヘンリ８世の６人の妻のうちのアン・ブーリンの話。高校一年の時にアン・ブーリンを描いた「１０００日のアン」を観た時は、英国の歴史なんて何も知らなかったので、映画の内容がさっぱりわからなかった。
それから四十年、ヘンリ８世の建てたハンプトン・コート（礼拝堂は、幽霊が出そうな雰囲気あり）にも二度訪れたこともあり、歴史がわかって観た今回は、面白かった。
前半は、男尊女卑の世界で、エリック・バナ演じるヘンリ８世の年上の妻に飽きて若い女性に次々と手を出すスケベオヤジぶりに辟易して、席を立って帰ろうかと何度も思いました。
その後、うたた寝してしまい、起きた後、画面を観ていると、だんだん面白い展開に。
タイトルどおり、二人の姉妹の物語で、策士であるアンの駆け引きと、純粋なメアリの生真面目さを対比させます。
主役はアン。
でもアンの方は、自分の術中に嵌って自業自得です。
彼女が産んだエリザベス１世が母の思いを叶えたのではないかな、よしとしましょう。
で、ずっと気にかかっていたのが、心優しいメアリの方。
王に捨てられ、可哀相になあと思っていましたが、最後は、いろいろあった彼女を受け入れ心から愛してくれるよき伴侶と幸せに。
よかった。
穏やかな彼女には派手な生活よりも、普通の地味で質素な幸せが一番。
夫婦が寄り添い歩く姿に、感動。
離婚するためにカトリックとサヨナラして英国国教会までつくってしまったヘンリ８世の威厳がなさ過ぎて、だらしなく描かれていたのと、ハンプトン・コート等、実際の建物が使えなかったのか、映画の中の建物とその室内に王室の荘厳さが感じられなかったところが残念でしたが、楽しめました。

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正直、全然期待していなかったんだよね。
なんかこの時代の映画が好きだし、 Natalie Portmanと Scarlett Johanssonの絡みに興味があったので。

とりあえず、このふたり、最初、微妙なキャスティングだと思ったが、観てみると絶妙だった。

光と影のようなふたり。
光がアン、影がメアリー。
どうみても逆っぽいんだけど、なんか観ているうちになるほどと思ってくる。

ヘンリー王が妹のメアリーを見初める。
一族の自慢の娘、姉のアンを差し置いて。。。

どうみてもメアリーのほうが可愛いんだけどね。
性格もいいし。

二人は愛し合うようになるんだけど、所詮愛人。
王妃がいる限り。
でもメアリーは別にそんなことは気にしないんだよね。
メアリーはやがて、妊娠するんだけど、流産を恐れる一族によって絶対安静で隔離される。
この隔離、ほんと、幽閉ってくらい隔離だからね。
あんなんじゃ、不健康だよね。

とにかく、この隔離の間に、国外追放になってフランス王妃に侍女としてつかえていたアンが呼び戻される。

戻ってきたアンは別人のように洗練された女性になっているという設定だが、正直、違いがよくわからない。
以前と変わったのは服が鮮やかになっていることだけ？？
なんであんなに豪華そうな服になっているんだろう？
それが不思議だった。。。

それにしてもヘンリー王。
ダメダメじゃん。

あんなに賢いキャサリン王妃と婚姻解消。
そして、アンと結婚。

王の男児を産んだ、メアリーをも捨てる。

王なので愛人はしかたないにしても、この人、一体なんなんだ？って感じだよね。

とにかく下克上な感じで面白いわ。

Natalie Portman が、これでもか！！って演技をみせてくれます。

本当に「how could you..」と観てる私も言いたくなった。

一番なんとも気の毒だったのが弟のジョージ。
最近大活躍の Jim Sturgess が演じてます。ここは救われないぞ。

この3人の母が Kristin Scott Thomas 。
このひとカッコいい。
ヘンリー王が、アンを探しているとき「where is your daughter？」と彼女に聞く。
「which one?」と詰め寄る母に、「よく言った！」っていいたい。
姉も妹も、なんて、もうめちゃくちゃです。

それにしてもアン。
欲張りすぎてしまったなあ。
駆け引きもほどほどにしないと、男もじらされるばっかりじゃね。
そんなことで操られるなんてどんな小さな男なんだヘンリー王。

史実をもとにしているというが、エリザベス1世の誕生の秘話がこうだったなんて。
どこまで本当なのだろうか？
その先の話も知っているだけに、深い話だったな。

非常に面白かったです。
ソープオペラが好きな方は是非。

ヘンリー８世がうつむいて祈るアン・ブーリンの首すじにじっと視線をはわせるシーンがある。
画面はナタリー・ポートマンのえりあし、背中のアップ、遠目には陶磁器のように白いのだが、ぐっと近付くと金色に煙っている。うぶ毛が皮膚を覆っているのだ。
西洋人だから金髪のうぶ毛、びっしり生えているうぶ毛が鮮明に見て取れる。ナタリー・ポートマンはけっこう毛深いんだと、なぜか感心した。
同時に画素数を誇る高画質テレビのコマーシャル映像を見ているような気分になった。キューブリックの「バリー・リンドン」では貴婦人たちの肌は終始白磁の輝きにとどまっていたが、うぶ毛一本一本の美しさをも鮮明に映し出すのがデジタル映画の美意識なのだろうか。
確かにアン・ブーリンことナタリー・ポートマンは人形ではなくて、動物、金色の野獣という感じはした。
もう一つ、映画デジタル時代を感じさせたのは、アンがフランスから呼び戻され、従者たちとともに海岸を城に向かって馬を走らせるシーン。
ＣＧと思われる海、画面奥にうっすらと乗ってきた帆船の影、波打ち際をひた走る馬群の俯瞰。ダイナミックであると同時に幻想的な、作り物めいた独特の空間だった。
この場面ではナタリー・ポートマンが生々しくなったのとは逆に、実際の景色が現実感を失いファンタジー性を強める。これもデジタル美なのかと思った。
内容は大奥というよりむしろ戦国時代、大河ドラマでお市の方などが言う「おなごにはおなごのいくさがありまする」というところか。
アンもメアリーもよく戦った。アンが男だったら、王と渡り合える宮廷の実力者になっていたかもしれない。その資質は娘のエリザベスに受け継がれることになるのだが。
残念だったのは流産してからのあまりに急激な変貌ぶり。あれほど知的で剛胆だった女性がなぜ？との疑問も湧いた。
メアリーはメアリーでしぶとく女の戦いを戦い抜いた。スカーレット・ヨハンソンの面差しはどこかフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」に似ている気がする。ヨーロッパ人とって無垢・清純を象徴するような顔の造作なのだろうか。
お市の方によると生きることが女の戦だそうだから、メアリーは見事勝ち抜いたことになる。
それにひきかえ、娘や姪の「下半身」を手段に用いておのが一族の権勢を伸ばそうとするブーリン卿やノーフォーク公にはレディ・ブーリン同様反感を抱かずにはいられなかった。もっとほかに考えることはないのか。ヘンリー８世のいくらなんでもの好色ぶり、節操のなさにも辟易。
もっとも弟のジョージには深く同情した。まともな彼は姉の異常な野心の犠牲になったといえるかもしれない。
本作、王の離婚、ローマ教皇との訣別に最後まで反対して処刑されたトマス・モアの物語「わが命つきるとも」をその王の愛人アン・ブーリンの側から見た映画でもある。
気高い信念に生き死んだ男と欲望・野心を燃やし尽くして生き死んだ女。品格の違いは確かにあるが、俗物の私にはこの映画も（の方がと言い切れないところが微妙）面白かった。

な〜んか物足りないですね。
王宮や衣装の華やかさばかり目立って、話にこうグッと引き込まれるところがない。
もっと威厳と重厚さが感じられていい話なんだけど、重いのは石造りの城ばかりで、ずいぶんと軽い作品になっちゃってる。
思うに、脚本のせいかな。
姉妹を二人とも主人公にして、スター俳優の“共演”にしたのが逆によくないのだと思う。
共演のせいで脚本が中途半端なものになっている印象。
どちらか一人を主軸に据えて、その人の数奇な運命を辿るという流れならよかったと思う。
まあ、王室や上級貴族の間での出世闘争など、あっしら庶民にゃとんと縁遠い話。
「足るを知る」ということを、改めてしみじみ感じたよ。

なかなか面白かったです。
アン・ブーリンのその運命はあまりにも有名なお話しにつき、その最期はみなさん周知の事実でしょう。
でもそのアンに姉妹がいたことはあまり知られていなかったことではないでしょうか？
（それとも私が無知なだけ？）
実際には姉であった説と、本作で描かれているように妹であるという説があるようですが、いずれにしてもメアリーという姉妹がいたのは事実です。
そしてメアリーがヘンリー王の愛人であったことも事実のようです。
１６世紀、この時代の女性は、その自らのその意思とは反して、政治と権力と出世の道具に使われるという全くもって女性には難儀な時代です。
男女とも自由に恋愛することはままならず、びっくりなのは、結婚しているにも関わらずそんなことは王には関係のないことで、自分が欲しいものは手に入れることの出来る王様の権力には誰も逆らうことが出来ない怖い時代だということです。
その女たらしの性格につけこんで、自らの運命に逆らうように、王様を操ろうと画策した女性、アン。
メアリーからみれば憎たらしい行為であったのでしょうが、それはこの時代の女性としては実に画期的なことで、母の教えである”男に主導権があるように見せること、それが女の奥義”、まさにこれを実践しようとしたが為に、最終的にはヘンリー王に捨てられることになってしまったというのも皮肉なことです。

それにしてもヘンリー王の女ったらしぶりは呆れかえるばかりです。
まるでおもちゃを欲しがるだだっこ、そのお子ちゃまぶりに振り回される周りはたまったものではありません。
親の権力欲にも翻弄されたものの、アンもメアリーもある意味ヘンリー王のだだっこぶりの犠牲者であったとも言えるのでしょう。