イースタン・プロミス

良い作品だと聞いていた為、期待が大きすぎた。
と言うか正直俺には見終わった後不快感しか残らず。
殺人、死体、ＳＥＸ、暴力シーン、確かに迫力やリアル感はあるが、ここまでリアルに見せる必要があるのか？
腹は立ったとしても、素晴らしい作品とは到底思えない。

俺はリアルな作品は好きだ。
しかし、この作品はリアルであることに意味を見出せなかった。
ここまで腹立った作品は久しぶり。
二度と見たくない作品の一つとなった。

この作品の在庫数4枚に対して、予約者数が2000以上。とてもじゃないが、当分見ることはできないということ。最近では「さよなら。いつかわかること」も在庫4枚だった。仕入れ担当者さん、ちょっと考えてください。

劇場公開されていたときから前評判が良かったのに、在庫４枚？
こんな仕打ちをされたらずっと予約リストの一位に登録しちゃう
ぞ。。。
そんでもって、スカパとかワウワウで放送始まった頃、ひっそり
キャンセルしちゃうんだけどね。
とりあえず、他の方のレビューを「ヨダレ垂らしながら」読んで
溜飲を下げることにします。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のデヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが再びタッグを組み、ロンドンに暗躍するロシアン・マフィアを描いた犯罪バイオレンス作品です。主演のヴィゴ・モーテンセンは第80回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

冒頭から衝撃的な幕開けです。とある床屋で、その店の店主と顧客のギャング、頭の足りなさそうな少年といった面々が登場して、いかにも何か起こりそうな雰囲気が・・・最初は訳が分からないと思いますが、話が展開していくうちに、すぐ冒頭シーンがつながるので大丈夫なのですが、冒頭シーンからいかにもギャング映画といった感じです。

その後のシーンでは、大きなお腹を抱えた少女がよろめきながら薬局に現れるのですが、またここからのシーンもかなり強烈に印象に残っています。この生まれた赤ちゃんをめぐって、ナオミ・ワッツ演じる産婦人科医アンナがギャングの世界に首を突っ込んでいってしまうのです。地味ながら、ナオミ・ワッツの静かな演技はやはり光っていました。

モーテンセン演じるニコライは、ロシアン・マフィアのボスであるセミオンの命により、その実の息子のキリルの片腕として雇われているのですが、その強面と忠実さから、セミオンはどちらかというとキリルよりニコライの方を信頼しています。一方のキリルは近寄り難い父よりもニコライの方を慕っており、今ではニコライは一族にとってなくてはならない存在です。そんな時、アンナとその叔父が周りをうろつき始めます。セミオンは叔父を消すようニコライに指示し、さらに信頼を勝ち得たニコライは、ギャングの上部機構に向けて出世の階段を上り始めていくのです。

そして、この映画の一番の見所と言っていいのが、公衆浴場におけるモーテンセンの素っ裸での格闘シーンではないでしょうか。全身にタトゥーを施したモーテンセンがナイフを手にした２人の殺し屋とやり合うわけですが、相手はナイフを持っているのに、こっちは○○○丸出しの素っ裸！！流血はすごいはなんやで、観た後で誰もが話題にせざるを得ない強烈なシーンだと思います。大事な部分はうまく隠れていたと思われます（笑)

そして、結末へ・・・アンナはミステリアスな雰囲気を醸し出すニコライに引かれていきます。２人の関係はどうなるのか・・・十字架のタトゥーの意味するものは何か？最後まで観れば、明らかになります。作品全体を通して、暗く不気味さが漂い、少々重たい感じですが、なかなか見応えのある作品です。

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ロンドンに巣食うロシアンマフィア組織。その餌食になった１４歳の売春婦の子どもを取り上げた助産師アンナは、死んだ母親と残された赤ん坊のために少女の日記をたどる。アンナはロシアとイギリスのハーフなのだがロシア語は読めず、日記に挟まれたカードを手がかりにあるレストランを訪ねるが、そこはオーナーのセミオンがボスであるマフィア組織「法の泥棒」のアジトだった。ロシア人の伯父に日記の翻訳を頼み、その内容から人身売買の事実を知り家族を危険に巻き込んでしまった。そんな時差し伸べられる謎めいた運転手ニコライの手に次第にアンナの心は捉えられていく。


肌に刻まれた星模様は組織の一員の証。それを見極める為仕組まれたその場所と罠。
ヴィゴのフルヌードは『インディアン・ランナー』でも印象的でした。しかし、その格闘シーンに迫力はありますが見せ場としての力みがありすぎるほどに長い。私はヒストリー・オブ・バイオレンスでも感じた、前述の裸の格闘と、組織の一員になる為の儀式の場面などの大仰さ、劇画タッチが若干気になりシリアスさが減るように感じました。

アーミン・ミューラーの温厚そうな店主の裏の顔の非情さに凄みがありますし、ヴァンサン・カッセルの幼稚で不安定な凶暴性とか、伯父、母親の不器用だが深い愛情。みな巧だと思います。主演二人の演技にも緊迫感があり、ナオミ・ワッツの暗くて強い女性の表情、ヴィゴも勿論素晴らしいです。
一体彼は何者なのか、危険で謎めいた男が垣間見せる優しさ。ふーんそういうわけか、でラストのニコライはとらばーゆしたの？

それにしても人身売買が横行する現実。同様のテーマではドキュメンタリータッチですが『セックストラフィック』がお薦めです。貧しい東欧から騙されてイギリスに渡る女性の話ですが、経済界や政治の関与等も組み込まれ衝撃を受けました。今このときも、悪の手に囚われた悲惨な状況にある女性がいるのが現実なのでしょう。