ルックアウト／見張り

劇場未公開ですかぁ。
このレビュー上で、よく見かけるんで見てみました。

なるほど、爽快！っていう映画じゃないですね。
でも、印象に残る映画でしたね。
ミュージックアルバムの中のお気にを見つけた感じ。


前半と後半が完全に分かれていて、分かりやすい。
で、前半に散りばめられている要素が、
うまく消化されていく。
とくに、主人公のうまくいかない苛立ちがせつなく
見る人の心に突き刺さり、それが犯行につながる様は、
さらに心の奥に来ます。
ただの表面だけのアクション映画でなく、
地味に見る人の、１層深い所を刺激させながら
進んでいく映画でした。

なるほどね。

自分で起こした事故なんだから自業自得なんですが、アイスホッケーの有望な選手で家も金持ち、人気もあった主人公が、事故のせいで友人も恋人もなくし、新しいことを覚えていられないという後遺症に苦しむことになり、なかなか自立できないでもどかしい毎日を送ってます。
そんな時、３年先輩だという自称姉の元彼が主人公に接近、銀行強盗の仲間に引き入れられてしまうという・・・
３年先輩にしては老けてませんか！？

それはさておき、犯罪モノにしては地味な展開だったかも。
「元の生活に戻りたい」と自分のことばかり考えていたからか、周囲の優しさや気遣いに気づかず、「大変なことをしてしまった」と思った時には取り返しのつかない状態に。
それでも、何とか自分で考えて自分で動き、自分で解決したのはよかったと思います。
しかし・・・あんだけ派手な事故起こしといて、頭の障害もあるというのに、いまだに車の運転してるってどういうこと！？そのへんちょっと理解できかねますが、運転できなかったら話も違ってくるしなぁ。

若さゆえの何とかじゃないけど、ある事故によって取り返しのつかないつらい日々を送ることになってしまう１人の若者、クリス・プラットにスポットをあてた結構考えさせられる作品でした。
さほど期待をしていなかったので、余計にのめり込んでしまいましたが、見てみる価値は結構あるかも？

事故によって、記憶がすぐにとんでしまうという辛い人生を送りつつ、ときには意味もなくキレてしまい、字を書くだけでいらいらしてしまう。そんなクリス・プラットがアルバイト先の銀行で・・・。まー騙されての銀行強盗ではあったけど、何だか切なくなってしまいました。そこに行くまでの過程が、ますます追い討ちをかけるようなストーリーになっていたし、見ていて可哀そうなぐらいでした。必死に記憶を忘れまいとメモに書き込み、忘れては、そのメモを取り出して記憶を取り戻そうとする姿は、何だか・・・。

実際のところ、４年前の事故自体は、彼の無謀な過ちがすべてだとは思うけど、自分が彼のような立場になってしまったらと考えるとマジで怖いです。

個人的なことですが、この作品の主役でもあるジョセフ・ゴードン=レビットって、浦和レッズの田中マルクス闘莉王に似てるよね。作品とは関係ないことを書いてしまいましたが、お許しを！

夜中に視聴したのですが、眠くなることなく引き込まれました。
主人公の独特の雰囲気、盲目の友達クリスのやさしい性格。二人の関係がすごく好き。展開もハラハラして最後は爽快な終わり方で良かったです。
人間の心理を付いた奥の深い作品だと思います。

ストーリーの展開も分かりやすくサクサク進むので見ていてて分かりやすく、心に残る映画でした。

良い音楽はイントロの数秒でだいたいわかります。映画も然り。本作もオープニングの5分で良作だと判断出来ました。

ここまで主人公に感情移入出来る作品も珍しいです。劇場未公開だそうですが、これは掘り出し物。お薦めの1本です。