五線譜のラブレター

ラヴァースさん、オタエドンさんをはじめそうそうたるレビュアーさんの評判につられてレンタルしてみました。
Ｂ級路線の私にとってＡ級リーグの作品は難しいのですが。
音楽が懐かしく、またミュージカルのアメリカらしく楽しく鑑賞できましたが、コールとリンダの関係がもう一つ腑に落ちず、観終わった後の感動がいまいちでした。
Ａ級リーグでは３つ星か。妻も同評価でした。すいません。

　だいたい音楽家の自伝的映画には、良い奥さんが必ず傍にいるもののようだ。そして奥さんに曲をプレゼントして・・・というパターン。こんなとき音楽家は曲で思いを表現できるから羨ましいと、つくづく思う。
　妻リンダの献身ぶりにも感心させられた。夫はゲイに走りながら、最後には奥さんに寄り添っていたのだから、最初からそうすれば良かったのにと思うのだが、ゲイの気持ちは良く分からない。ただ。アシュレイ・ジャッドはピッタリの役柄だったように思う。
　
　コール・ポーターという音楽家や曲のことは全然知らなかったのだが、多分どこかで知らずに耳にしている曲が多いのだろう。
　「ビギン・ザ・ビギン」はフリオ・イグレシアスの歌しか知らなかったので、本作のムード調の曲を聴いて意外な感じがした。
　「ソー・イン・ラブ」もどこかで聴いているはずなんだけど、この映画で改めて曲の素晴らしさを味わった。
　ミュージカル曲も多いようだが、多分いろいろな映画で聴いているのだろう。ただしこれがコール・ポーターの作った曲という強いイメージが無かったので、この映画で再認識させられた感じ。
　これからはコール・ポーターを意識して聴いてみようかなという気にさせられた。

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コール・ポーターの半生を描いたミュージカル仕立ての映画。
見ようと思ったきっかけはトーチウッドの
キャプテンジャックことJohn Barrowmanが見たかったから。。
映画の中では本当にチョイ役ですが、見事に「Night and Day」を歌い上げています。
もともとミュージカル俳優という事もあり、本当に美声です。
（これが彼にはまる決定打になってしまいました。。）
その他の舞台俳優も豪華で歌を聴いているだけで幸せな気分に。

ポーターの妻役のアシュレイ・ジャッドは素晴らしかった。
献身的な愛を貫く様子が痛いほど伝わってきて、
映画ラストの方では涙が止まりませんでした。

この歌もポーターの歌だったのね！と思う事がたくさん。。
音楽にもドップリ浸かった映画でした。。

ラブラブ恋愛、ウキウキ音楽、おしゃれな映画！
と、想像して見るとガッカリしちゃうのかも知れない。

描かれるのはコール・ポーター自身の作曲家としての才能に関する苦悩や名声との葛藤、そして彼の才能を信じ、ホモセクシュアルの夫を理解しようとする妻の葛藤。
でも素晴らしい旋律の音楽がどんどん入るから、重すぎず軽すぎず、観易い。
ここらへんで観客を泣かせたろ、みたいな姿勢もなく終始作り手の真摯な姿勢を感じた。（でも泣いてしまった。音楽が美しすぎる！）コールポーターという偉大な作曲家を人間的に理解でき、
「恋愛」とは違う「愛」でつながっている夫婦の絆は、傷つけあって汚れてボロボロになっても純粋な輝きを放っていて音楽同様、美しい。

あとはタイトルがなかなか粋だなと思うんだけど、ちょっと考えすぎてて内容よりポップな印象を与えすぎてるのかも知れない。

名作曲家コール・ポーターの伝記もの。
正直、名前すら知りませんでしたが、どの楽曲も何処かで耳にしたことがあるメロディだし、彼の偉大さを知ることができて率直に嬉しかったですね。

死に行くコール・ポーターに、彼の半生を舞台仕立てに見せるという設定。
劇中で過去の出来事を見ながら晩年のコール・ポーター感想を述べるという展開は、最初こそ交錯しすぎててスムーズじゃない印象を持ったが、観ているうちにそれも気になりませんでした。
ただ、その展開が妻リンダとのドラマとして活きているかは微妙ですが。
別居に至り、ポーターは楽曲作りにおいて葛藤や苦悩に陥ったはずと予想できるが、掘り下げて描かれていないのが残念。
ミュージカル映画かどうかが中途半端になっている点も不満が残る。

それでも、多くの人の心を打つのはコール・ポーターの原曲が本当に素晴らしいということなのでしょう。
「音楽」が持つ圧倒的な力というのを改めて感じた作品。