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地球に降りてきた12の宇宙船。
その謎の解明に尽くす科学者のお話・・・
異星人とのファーストコンタクト。
何をしに来たのか？
知りたいけど言葉が通じない。
そのために言語学者のルイーズが解明に駆り出されます。

宇宙人とのコンタクトを通じて、ルイーズにはいろいろなものが見えてきます。
過去なのか？と見せつつ、実は・・・ここがサプライズだったのかな？

軍隊や国家があり得ないほど、無能の集団はお決まりのパターン。
突っ込みどころが満載です。
宇宙船の周りは、小さなベースキャンプがあるだけ・・

重力も自由に操り、おそらく恒星間飛行やワープなどもかんたんに行う知性相手に戦争を吹っ掛ける人類のマインドの雑さに笑ってしまいました。

しかも簡単な時限爆弾で、宇宙人の一人を死に追いやります（おいおい

宇宙人の言語も簡単に翻訳してしまいます。
あんな概念の違う言語がそんなに簡単にわかるんか〜
ロゼッタストーンも無いのに・・・

もう少し、登場人物たちの背景をしっかりと作り込んで欲しかったです。
中国とかロシアが暴走して戦争になりそうになりますが、それも未来を見たルイーズが、中国の軍司令に電話して回避。
雑過ぎでしょう〜

もう少し上手く組み立てると良かったのに・・・
SFサスペンスで観客に謎解きをさせる的な工夫が欲しかった。
アクションがあるわけでは無いので、好き嫌いがハッキリ分かれる癖のある作品だと思います。

既に自分の未来を見てしまったルイーズが同じ道を辿るのか？
この点は興味があります。

私句的には好きでしたが、惜しい感じの作品でもありました。

この作品、好きじゃない。観ている最中に、作り手の傲慢な顔が思い浮かんで仕方なかった。（別に、監督さんやプロデューサーと知り合いってわけではないが……）
それに、主人公は寡黙なクセに独善的すぎないか？　だいたいさ、コミュニケーション不全の言語学者に感情移入なんか出来ない。だから、私には、本作品の面白さが、さっぱり解らなかった。(溜息)

物語は、頭のいい転校生（ヘプタポッド）をイジメようとしたワルガキ（中国）を、学級委員長の女の子（ルイーズ）が「やめなさいよ。やめないと、あんたの秘密バラすからね」と脅した途端、ワルガキが「なんだよ、何もしねーよ」と捨てセリフを吐いてオシマイ、みたいなストーリーだった。(苦笑)

低予算のＢ級ＳＦ映画として製作されていたなら、善しとしよう。むしろ、絶賛したかも知れない。実際、ＴＶシリーズ『トワイライト・ゾーン』や『ヒッチコック劇場』の一編くらいの内容しかない。
30分の番組なら、主人公は言語学者ではなく、中間管理職の軍人だな。突然現れた異星人の言語が解読されるにつれ、だんだん緊張感を増して行く国際情勢に主人公は右往左往する。翻訳は本当に正しいのか？　このままでは戦争になってしまうのではないか？　上層部への報告を躊躇う主人公。土壇場でのヒラメキが事態を好転させる。戦争は避けられた。けれど、時同じくして、異星人は、言葉通りに侵略を始める……。
辛口の皮肉を効かせたスリラーに仕上げたい。（ヒッチコックみたいだ）　そういう素材だったと思う。

もう一つのテーマである時制についても、中国系アメリカ人である原作者の思考が強く反映されている。中国語には時制がないからだ。（だからって、中国人が未来を見透せるってワケではない）
「時間の概念がない（？）異星人との接触で主人公が自分の未来を知る」というレビューをたくさん読んだ。でも、それって何か変じゃないか？

時間は進む。だから、進歩も進化も退化もある。時間の認識が未来も過去も現在もランダムでは、物質や感情の変化を正しく理解できない。学ぶこともだ。全ては時間経過の作用によって生じる。勿論、本作品で描かれた出来事も、そうだ。

「ヘプタポッドの言語を理解することで未来を見ることが出来る」と主人公のルイーズは言った。それを教えるために彼らは来た。３千年後に人類に助けて貰いたいからだと。それが時空を越えて旅して来た異星人の目的とは下世話すぎる気がする。（いやいや、異星人ではなく未来人か）　言ってみれば、交換条件なわけだ。そんなの逮捕された詐欺師の言い訳みたいだ。納得出来ない。

或いは、娘の運命を知っているルイーズが子供を産むことは、「３千年後に人類はヘプタポッドを助けない」ことを示唆している。決定論だからだ。
つまり、３千年後に人類が彼らを助けていないのなら、３千年前に戻って言葉を教えたとしても、結局は人類はヘプタポッドを助けない。

理屈は兎も角として、母と娘のお話しなのは解るが、皆さん、これを観て本当にカンドーしたのだろうか？
思うんだけど、この題材は、こんな描き方でいいのか疑問だ。
何か間違っているような気がする。

夜中に起きて仕事をしたり、約束の時間にはいつも遅刻している私は、いつも「オマエには時間の観念がない！」と怒られるが、だからって私には未来は見えない。本作品の理屈、サビア＝ウォーフの仮説は間違っていると思うな。(笑)

そんなわけで、オススメ致しません！（いろいろ考えさせる点では意味があるかも知れないけどね）

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想像を超えていた「哲学的」な作品。
愛、平和、種族、言葉、運命、人生、生命、選択、そして時間…
様々なテーマが関連して詰まっている感じ。

「武器」という言葉ひとつ捉えても、その響き、受け方、また国や地域、人による言葉の違いによっても意味合いが違ってきます。
事実、そういうところから亀裂が生じて争いに発展する場合も多々。
作中では、エイリアンと人間の言語の掛け合いですら相互理解が進まない中、ひとつの言葉の各国による捉え方の違いで、あらぬ方向に舵を切ったりと、現代社会の縮図が描き出されます。

そして時間。
エイリアンの言語は特殊。それは輪をモチーフに描かれた水墨画のような表意文字。これが綺麗で幻想的。
この表意文字を扱うエイリアン達の時間の捉え方が、その文字に現れているのですが、ここが人間との大きな違いで難しくも鍵となるところ。

そもそも運命は決まっていて、未来・過去ではなく、まさに今この瞬間を生きよう！という考え方があるのですが、ここを理解できないと、展開に置いていかれるかもしれません。
運命決まっているといっても、今ここのベストチョイスと行動で、運命が変わるかもしれないじゃん!!という考え方もあるし、私はこれなのですが、それぞれですね。
それでも、全ての事象は繋がっているというところは変わりませんが。

鑑賞者が、主人公ルイーズの視点で見ることが出来るか、イアンの視点か、ウェバー大佐か、はたまたマークス大尉の立場になってしまうのか?
この辺りでも、作品の評価が分かれてくるかもしれません。

エイリアンと会うまで、会ってからの序盤の緊張感がいい。
主役エイミー・アダムスの男っ気の無さもいい。
まさか「魔法にかけられて」のエイミーと同一人物だなんて思わなんだです。

果たして、主人公ルイーズの人生、全て受け入れて流れに任せるのか、それとも何か手を打って別の選択を取るのか?
作品中では描かれない行く末を、見た人それぞれが思いを馳せるのも面白いかもしれませんね。

異星人とのコンタクトを描いた作品では「未知との遭遇」「コンタクト」を思い出してしまうが本作では言語というものを深く掘り下げている。
チト面白い形の宇宙船が世界各地に12現れる。
地球侵略の目的なのかそれとも他に目的があるのか、人類は騒然とし、アメリカでは言語学者のルイーズと生物学者のイアンを招聘して異星人とのコミュニケーションを図ろうとする。
異星人もコミュニケーションをとろうとするかのように文字らしき図形を放出し二人はそれを解析してなんとか彼らの出現の意図を理解しようとする。
ストーリーはなんとなく禅問答のような状態になってきて、おまけにルイーズには異星人とのコンタクトを通じて時間の概念が希薄になるという特殊能力が生まれてくるのでついてゆくのに苦労する。
冒頭でルイーズと娘のエピソードが挿入され、我々は過去の回想シーンだと思うのだが実は未来のシーン、それがエンディングとループしていると後で気づかされる。
いったい異星人の目的はなんだったのかという最大の謎もおぼろげながらも見えてくるが、いろいろと疑問は残るものの時間を超越するという観念が答えになっているようだ。

もともと原作が傑作であり、さらにそれに素晴らしい映像美を加えたこの作品はファーストコンタクトの傑作といえる。エイリアンからのメッセージのミステリー性に加え、スリルも十分あり、話がテンポよく展開する。映像の断片が現在なのか過去（思い出）なのか、あるいはこれから起きることなのか、なんて途中から考えながら話を追うようになる。原作のStory of Your Lifeはいいタイトルと思うが、映画タイトルには向かないのか、映画の原題はArrivalである。でも、日本語タイトルのメッセージの方が、話のテーマを言い表しており、ありふれたタイトルながらこちらのほうが受け入れやすい。久しぶりに、いいSF映画に出会った気がする。