スノーピアサー

国内で秀作を連発して愈々満を持して盟友ソン・ガンホと国際舞台に乗り込んだ感があるポンジュノだったが選択した題材が余りに独創的なテーマだった。これを特異として好意的に見るか余りに突飛でついて行けないと見るかで評価は全く真逆になる作品である。この列車の構造をを何かの縮図にして揶揄する意図があったのだと自分は感じたのだが難しく考え過ぎなのかもしれない。世間的にはこれは高評価ではなかった風潮だった様に思う。私もこれは奇をてらいすぎた失敗作と見る。余りに彼の国内で積み上げた題材・手法と違いすぎた。初の国際舞台で気負い過ぎたのではないか。私は初めて彼がしくじってしまったと見る。昔日本で「十九歳の地図」「さらば愛しき大地」「火まつり」と傑作を連発しジョン・ローンと組んで「チャイナ・シャドー」で国際舞台に挑んで大コケし、以後調子を狂わせてしまった柳町光男を思い出してしまった。彼が同じ轍を踏まない様切に望む。

凍りついた世界で列車というコロニーが生まれたという設定もよかったし、ティルダ・スウィントンが気付かんかったくらいじょ変貌＆怪演でよかった………のはここまで。

125分というクソ長さに無駄なスローモーション。
もっとガンガンいけよっと、ちょっと長過ぎてダレた。

正直、つまらんです。

［ストーリー］
地球温暖化を解消するため、冷却物質を大気に散布したら冷えすぎて、まるで氷河期に。そこで選ばれた人だけを詰め込んで、地球上を1年掛けて周回する列車を造った。その列車の中は激しい階級社会で、最後尾の貧民たちが何度も反乱を起こしたが成功しなかった。そしてまた貧民の実質リーダーとなったカーチスが、反乱をくわだてる。

［良いところ］
生き残った人々を乗せて走る列車が、未来版ノアの箱船というアイデアが秀逸。原作があるのか知りませんが、滅亡した世界を走る列車という設定がすばらしい。

［悪いところ］
ファンタジーなのかリアリティ追求主義なのかはっきりしないところ。どういうスタンスで作品に向き合えばいいか迷います。

［評価］
★★★

韓国映画らしく、傑作なのか駄作なのか、一本の作品の中で、見ている間評価が揺れ動きます。部分的に素晴らしく、部分的には目を背けたくなるほど陳腐で雑。もともと列車の中で社会を作るとか、貧民階層からさらった子供たちを×××にするというのは無理のある設定なので、いっそテリー・ギリアムばりにファンタジーで推し進めたら、後世に残る傑作になったかもしれなかったのに……。中途半端にリアルを求めた結果、ご都合主義の無理矢理感が出てしまい、凡作になった気がします。惜しい…。

いくらSFとはいえあの大きくもない列車の中に大都会が入ったような設定を見ているうちに次第にあほらしくなってきました。
ただ思いつきで作ってるような見る者をバカにしてるような、ラストもこれからどうすんねんいう感じで中途半端

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滅んだ世界に残された人々を描いた映画は数ありますが、この作品は他の作品と違って
舞台が走っている列車の中との事で、殆ど車内だけで話が進んで行きます。
水野 晴郎が生きていたなら、恐らく「シベ超」
をここまで昇華させたかっただろうな〜と、つくづくと思わせる内容です。
でもなぜ、列車なのかって事は深く考えていけません．．．野暮って事です、現実的に考え出すと色々と辻褄のあわない
事が沢山出てくるので、世界を狭い車内に凝縮した形の寓話として捉えるのが、この作品を楽しむお約束になります。
早い話が、列車の最後尾の貧民層が、反乱を起こして、先頭車両に進んで行くのですが、
ロールプレイングゲームさながらの各ダンジョンが用意されていて、それを一つ一つクリアして、
最終ラスボスと対面し、この世界の真相を知るって筋書きです。
カーティスの終盤でのカミングアウト、ギリアムのアンパンマン的精神に感銘を受け、心の師と仰ぐが、
それが虚像であったって展開は、宗教とか社会の縮図の中でもがく人間模様を描いていて、救いが無い。
作品に関して、パク・チャヌクがプロデュースで、ポン・ジュノ監督との事で期待させますが、
見終わっての感想としては、ショージキなところ少し退屈でした。（個人的には）
ポン・ジュノの作品は「殺人の追憶」とか「ほえる犬は噛まない 」とか好きなんですが、
この世界観にイマイチ馴染めなかったからかも知れません。
貧民の主食の原料がアレだったなんて、確かにたんぱく質ですが、「羊羹が食えなくなるじゃねーか！！」と
思ったり、ブラザーなあんちゃんが握った寿司を見て、「マグロなんて、水槽じゃ飼えねーだろ！」とか
一人でツッコミを入れたくなったり、不思議な世界観は独特なモノがあり。
そういった部分では楽しめるかも知れません。