七年目の浮気

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　主役のトム・イーウェルがなんだか冴えない。
もちろん冴えないオッサンの役なんですが、なんか
黄金期のハリウッドにしては今ひとつ華に欠け、
妄想シーンのそこここにも、凶悪な匂いを感じるのは私だけ
でしょうか？　舞台版でも同じ役をやっていたそうなんで、
あたり役なんでしょうが、どうもなぁ。

かと言って、ジャック・レモンが演じればいいかといえば
むむむ。好感度高すぎて浮気成就を応援してしま
いそうかも。

マリリンはピアノでひっくり返る所や、有名な地下鉄スカート
めくれのシーンも含め、無防備さがとにかくキュート。
台詞は例によって全く覚えられず、ワイルダーはマリリンが
行く先々の戸棚の中など、方々にカンペを貼る等大変だった
そうですが。

ビリー・ワイルダーは本作ではそれ以外でもだいぶ
苦労したとか。

ヘイズ・オフィスによる検閲です。

情事の痕跡をにおわせる金髪のヘアピン。
それが翌朝男性のベッドの中で見つかるというシークエンスは
当時の厳しい検閲を通るべくもなく、あえなく撃沈。

「ただ一本のヘアピンさえ許可されれば！」と自伝でも歯噛みした
ワイルダーの思いを考えると、毒とエロスを含んだであろう
エンディングも観てみたかった気がします。
でも、そうなっちゃうとやはりクラシックらしいほんわか
ムードが壊れてしまいますね。
（あ、クラシックのあの雰囲気、検閲が作ってたってことか？）

妻子がいない間、夫が浮気への誘惑と闘うコメディですが、半分は夫の妄想でマリリンといい感じになっちゃってたりするのが笑えます。

夫役の演技もクスクス笑える自然な演技なのですが、マリリンが登場すると完全に食われてしまうくらい、マリリンが美しいです。

ドキュメンタリーも必見。
マリリンの鬱病と調整しながら、この明るいコメディを撮ったこと、厳しい検閲で内容がかなりマイルドになった事、有名な地下鉄シーンのロケがきっかけでマリリン夫妻が離婚にまで至った事、などなど。

私のように、大人になってから マリリン・モンローに出会うと ドッキリするようなセクシーさ、とは見えませんで。　可愛らしさ爆発って感じです。　有名な スカートのシーンも、はじめて見たら どってことなかった。　今時の女の子達なんて、スカートが捲れてなくても、にょっきりと 長〜い足を出して 歩いてますものね。　どっちにせよ、スタイルの良さは 羨ましい。

ストーリー？　どーでもいいわ。
　

　相変わらず、脳天気ともいえるぐらい、明るくてチャーミングなマリリンが、この映画でも見ることができます。
　ジョー・ディマジオが怒って、離婚の原因にもなったという、スカートがめくれるシーン。「たいしたことないな」と思うのは私だけ？

1954年に製作された映画だそうです。
その当時のアメリカはまだ保守的で道徳心もあったというのが
画面からも感じる事が出来ますが、特典画像の中で製作関係者達が
語っていますが、それらが却ってネックになって製作する上で大変な苦労をしたそうです。
何しろ、不貞という言葉ですら使う事が出来ないような厳しい検閲が
入ったという事だそうで、今見ると何ていう事はないコメディーなんですが、あれが当時では精一杯だったようです。
実際に彼女の結婚を破綻するきっかけにもなってしまった映画ですからね。彼女が伝説になっていくっていうのを
特典画像で確認するだけでも価値がある映画だと思いました。
物語自体は普通ですけど、その画像の方がドラマチックですね。
舞台を映画化したという事ですが、実際の舞台も見てみたくなりました。