未来世紀ブラジル

　ブラジルというのは多分、適当な国名をくっつけただけじゃないでしょうか。全ての国民が管理され、暖房を直すためだけに煩雑な手続きが必要な国。そうした手続きがあちらの部署、こちらの係と回って行くうちに、出てきたアウトプットは性質の悪い冗談にしかならない。そこに闇の配管工が現れ、それを官憲が追うという、これまたジョーク。
　主人公の下ッ端役人が街で見かけた美女に一目惚れしたことがきっかけで、彼の日常は大きく変わってゆく。気づかなければ単調ではあるが平穏な毎日が過ぎてゆく筈だったのに、もう後戻りはできない。その眼に映る世界は派手だが陰鬱で、自分の行く先さえ定かではない。それでも必死で恋した女を追いかける。巨大な鎧武者と戦う金属の翼を持った自分の姿は彼自身の昼間の不安の表れか。
　多分、『１９８４年』の世界を、その年になって表現するとしたら、この作品になるのではないだろうか。全てが見張られ、自由意志で檻のような世界から跳びだしたと思った主人公を待ち構える苦い結末。恐怖は極限まで行き着くと、あとは笑うしかないように、あのグロテスクが突き抜けたのが、この世界かもしれない。コメディで、ＳＦで、陰鬱で、美しい。ここには『１２モンキーズ』の中で流れる「この素晴らしい世界」のような肌触りがある。
　多分、一般受けしない作品だと思うし、見続けるのが苦しくなる人もいると思う。でも最後までご覧になった方には主人公に一掬の涙をあげてほしい。

生まれて初めて観賞いたしました、その感想です。


余程、監督や役者なんかに思い入れがある人でないと避けた方が無難な退屈映画。正直、時間も超長く苦痛だった。
（非常に疲れたので、そのあと熟睡できたが、、）
ラストあたりに向かって多少は盛り上がるが、序盤、中盤は睡魔との闘いに奮闘することだろう。

一般人は、手を出さないほうがよさげ。
少なくとも、私のような凡人には何が面白いのかさっぱりわからなかった。何かの風刺かなんかだろうが、つまらないものはつまらない。

夢の女性、ジルとやっとセックスするとこだけ感動した、、。



こういう映画は　博識な専門家　にまかせて、巨乳アイドルＤＶＤでも見てた方が、よほど時間の有効利用な気がする。

「面白い」ことだけが判断基準の私にとって、
この映画は　借りて損した映画　の１つでした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さも　難解　ふうで、スカして、楽しいかね？？？
「評価」高いのが理解不能。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

この笑いは「ビーン」に通じるモノがあると思ったら、モンティ・パイソン出身だったギリアム監督。それで、結構こてこてのお笑い系ビジュアルSFなのですね。過去に観た記憶はあるのですが、内容をすっかり忘れていたので再観賞しました。

う〜ん、ちっとも笑えないけど面白い。
基本は社会風刺の体裁を保った笑いで、装具等の小物の隅々まで気を使い小ネタも満載なのですが、どたばたと騒ぎまわる主人公に表されるように何処かもっさりしていて野暮ったい、それらが英国風を感じさせます。また結構過激な表現も散見され、夢のシーンに出てくる（サムライは別にして）奇形のような異形の生き物の描き方とか、爆発シーンの血の多さや終盤の葬儀のシーンには少なからぬグロを感じます。これらのじっとりとしたブラックユーモアにもやはり英国風を感じてしまいます。
神経質をも感じさせる丁寧な描写は、やや冗長に過ぎ途中何回か（しらふでも）うとうとしてしまうのですが、時折ハッとするほどの爆発的な映像美を堪能することはでき、その期待感で何とか最後まで観賞することができましたが、苦行僧の如き思いが残るのは確かです。

総じて言えば観る者を選ぶ作品で、好きな方にはたまらないが嫌いな方には堪えられない、これぞカルト、情緒に過剰に訴える「ブレード・ランナー」英国風と言えるのかと感じました。
内容的には情報社会を皮肉ったというか、如何にも英国的な権威・スタイルに反抗する姿勢を、わざとひねって回りくどく表現した作品ではないかと感じました。

書類や証拠が揃っていれば有無を言わせない。
ちょっと怖いですね。
今では本人と確認するための手段が色々ありますが、
どう見ても「別人」で性別も違うじゃんというパターンでも、
例えば指紋がＤＮＡが証拠がとなると「本人」に。
コンピュータが誤作動で出た証拠でもそれが全て。
入力ミスの証拠でもそれが全て。
そんな社会になってしまうのでは、と。
いつだったか、証券市場で入力ミスで大量発注、
大混乱ってありましたけど・・・。
ラストは夢オチみたいな終わりかた。
そういうの好きですけど、ちょっと寒気が・・・。

何て魅力的な映像美術だろう！
未来を描いているのに、あのレトロ感ある服装、インテリア、端末機…。めちゃキュートです。
わざと威圧的に描かれた役所の建物や舞い散る書類…、そしてやけに有機的なダクト、ダクト、またダクト…。

小心ぶりや幼稚な英雄願望を持つラウリー役に、ジョナサン・プライスがはまってました。空を飛ぶ姿の、ヒーローもの的表現がとても笑えました。

後半、やや冗長な感じもあったけど、大好きな映画です。