空気人形

心を持ってしまった人形のお話。
「スプラッシュ」「マネキン」「天使とデート」などの人間以外のものと
人間との恋愛を描いたラブコメの優れた作品がありましたが、
それらとは違って恋愛ではなく、
人形は、人間の代用品としての扱い。
「ラースと、その彼女」の人形は、人々に愛されますが、
ここではあくまでも代用品。
よって、明るい要素がなく、またファンタジーながら、
ビターな先に希望の持てない展開で、せつない。
下町が舞台ですが、その下町も寂れていく町の情景で、
その風景がせつなさをより深くしています。
笑いの要素が少ないので閉塞感がありそうですが、
そこをペ・ドゥナ演じる人形の屈託のなさが救っていて、
この人の力に負うところが大きい作品。
彼女の屈託のなさが、説教くささを取り除いたり、
映画が感覚だけに流されていかないようにもしています。
登場人物の行動が理解できなかったり、行動が突拍子だったりもしますが、
それもペ・ドゥナの存在が帳消しにしています。
この人なくしてはありえなかったと言っても過言ではないほどの
ペ・ドゥナの映画でした。

是枝裕和監督の2009年作品。原作は業田良家の短編「ゴーダ哲学堂 空気人形」。
冴えない男（板尾創路）が5980円で購入したビニール人形「のぞみちゃん」。（ペ・ドゥナ）
ある日、心というものを持つ。自分でピコピコ体を膨らませ、可愛いメイド服で
街をさまよう。ペドゥナちゃんのフワフワ・ルンルン、まさに浮足だった軽い足取り。
生まれたばかり状態でどこにゆくやら？
きれいなディスプレイに惹かれてレンタルビデオ店に紛れ込めば・・・、
そこにいたのがイケメンのARATA（今の井浦新）。ビニールながら一目惚れしまして、
さぁ、翌日から自分もそこで働くという超イケイケ。
申し遅れましたが、5980円のタグつけられちゃったペドゥナ様の裸がすごい！
すごい！では何も伝わらぬ、小ぶりながらきれーいな丸く尖ったおっぱい。バァーンと
張った腰。（うまく表現できません、ワタクシ女の端くれですが、ペドちゃんの裸見た時、
この子はまだ、○ょ○ぉ？と思いました。ま、私が悩まなくとも見ればわかりまする。）
徐々に人間味の出てくるペドちゃんだが、
持つはずのなかった「心」を持ってしまい、彼女の目には何が映ったのだろうか？

ある日、ビデオ店の釘に引っかかってペドちゃんの空気がプシュシュゥゥ・と抜ける。
ヘナヘナとぺしゃんこになるペドを見て、ARATAは傷口にテープを貼り、おへそにある
空気栓に口をあてプープー膨らます。
官能的で目がくらむ場面だが、しかし全然いやらしくない。美しい。まじ。
こんなに美しい二人なのに、監督はなぜ、あんなホラーまがいの血みどろのラストに
しちゃったのだろうか。せっかくマシュマロみたいにフワフワした前半だったのに、
回想シーンなどで妙に長引かせて、ジワジワと悲しくなるのよね。120分観て、これでは報われぬ・・。
空気をつかんだような虚しさだけが残ったとは、まさに監督の術中に落ちたか！？

開始から1時間の間に3回ほどストップボタンを押そうかと思いましたが、そこを何とか堪えたら後半は集中して鑑賞できました（笑）
ただ、私は終わり方がちょっと雑な感じがして残念でしたが…。
ラストシーンは儚げで良いんですけどね。

全体的にヘビーでウエッティな雰囲気で、テーマとしては現代人の心の闇みたいな事なんだと思いますが、そないにみんな病んで無いでしょう？と思うのは私が恵まれてるんでしょうか・・・？

★★★（3点）

ぺ・ドゥナは良い役者ですね。切なくて可愛い、空気人形の空気人形たるところを見事に表現しています。
でも、おススメはと言われると微妙な感じです。。。はい。

すごく興味をそそる内容ですね。
ラブドールが心を持ってしまったらいったいどうなるんでしょう。
でもこの作品はそう言った面白さを追及してはいないようです。
といって純粋なラブストーリーでもありません。
淡々とストーリーは展開していきますが心が晴れません。
物悲しいです。
よく出来ているとも言えますが面白みが感じられない。
あまりにどんよりし過ぎていますね。

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　今見たら在庫３００枚に対して１位登録者が６９９人と相変わらず人気作らしくて２週間も見ずに持っていてどうもすいません。。

　日本映画なのに主役は韓国の人気女優ペ・ドゥナ！！韓国映画やドラマ好きなら知らない人はいない彼女！
　私は、彼女の個性的でドラマや映画によって全く違った魅力を出すカメレオン的な演技が大好きです。

　今回も人間ではなく空気人形という不思議な役を難なく演じている彼女にアッパレと言いたいほど素敵でした。

　反対にここまで出しちゃって平気なの？？と心配するほど全編に映し出させる眩しいほどのペ・ドゥナの裸体に女優魂を感じたほど。日本人女優じゃここまでしてくれないよな。。普通は！


　秀雄の性的処理の為に買われたラブドール「のぞみ」ある日、彼女は心を持ち窮屈な部屋から飛び出し現実の世界へと歩き出すのだが…そこには彼女が見たことも感じた事もない素晴らしい？？世界があるはず。。。
　少しづつ人や物に触れていくラブドール！！レンタルビデオ店に入って彼女が恋をする店員の純一！
　秀雄には内緒でアルバイトをするラブドールは、毎日が楽しくなっていきます。

　序盤こそは心を持つ事で楽しく嬉しいワクワクとした感覚が見ていて引き込まれていきますが…そのうちに段々分かってくる悲しい現実。代用品として生まれたラブドールにとっては心を持つ事で知る自分の存在価値。

　秀雄に知られてしまった時に「ただの人形として戻ってくれればいいんだ。」と心を持たれて面倒だと言い張る彼に何か分かっているけどムカツク男性目線の身勝手な考え。
　
　そして、ラブドールもまた自分自身に言い聞かせるように心の中でつぶやく「自分は性的処理のラブドール」というのに。。。もの悲しくなります。

　ペ・ドゥナあっての映画だったと思えるほど彼女の存在がキラキラと無色透明に輝いています！！

　何気に特別主演？でオダギリジョーがでていたのにはビックリしました。