ＢＯＹ　Ａ

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Mon Petitさんに教えて頂いた本作品です。

見終わったあと、しばらく考えさせられました。
このての作品は、どうしても主人公に同情してしまう私なんですが・・この作品は冷ややかな目で鑑賞している私がいました。

見ている間、あの事件を思い出していました。神戸で起きた・・凄惨なあの事件・・。
当時、誰もがショックを受けたと思います。
私は、その少年の母が出版した本、少年の更生するまでの本、そして被害者方の手記。
被害者方の手記は、涙を止めることができないぐらい悲しみが伝わってきました。

「過去を振り返らず、未来だけを見ろ」と、テリーは言いました。
名前を変えて、違う人間になり、自由も恋も友達も手に入れるジャック。
予想通り、テリーの息子がジャックの正体をバラしますが・・・。

確かに、更正した人間にも生きる権利はあるのでしょう。
人生をやり直す権利はあるのでしょう。
でも、自分の犯した罪は消せないと思うし、一生被害者のことを忘れてはいけないはずです。

でも、ジャックは回想の中で犯した罪を一度も悔やんでいない様な気がしたんです。
むしろ、親友との楽しかった思い出ばかり思い出し、あげくの果てお墓参りまで行く。
少女のお墓には行かないの？？
まず、一番しなければいけないことでしょ・・・

ジャックの正体を知った時、まわりの人間がみんな離れていきました。
当然なのかもしれません・・
それだけの大罪を犯したのですから・・。

私は、成人が殺人を犯すよりも未成年が殺人を犯す方が、とても怖いことだと思います。
こんな世の中にした大人の責任なのか・・・

「人生やり直せる」・・やり直せるぐらいの罪なのですか？人を殺すということは・・。

この作品は、更正した少年Aをあなたは受け入れることができますか？と問いかけられている気がしました。

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窃盗の罪で３年服役していた少年Ａが
ソーシャルワーカーの男性の庇護の下、
新たな名前を得て更生しようとする真摯な姿を描き出す。

自転車を盗んだ位で(立派な犯罪だけど)３年も？
なんかオカシイと思っていたら…
どうやら少年Ａの犯した罪はもっと重いものらしい。。
少年Ａが「ジャック」として
配達の仕事を通じて更生していく過程と
彼の生い立ちや犯した罪の経緯が
同時進行で少しずつ明かされていく…。
彼の身に何が起こったというのだろう？
観客をぐっと惹きこむこの手法はお見事。

本作を見て１９９３年にイギリスで起きた
ジェームズ・バルガー事件を思い出しました。
当時１０歳だった二人の少年が２歳の幼児を
誘拐し殺害したという衝撃的な事件。。
この加害者二人の生い立ちは相当なものだった様ですが、
周囲の人間に恵まれるかどうかで
人の人生ってかなり変わりますよね。
少年Ａもあの悪友にさえ出会ってなければ…。
配達の仕事先で出会った相棒の様な
良き友人ともっと早く出会えていたのなら…。
でも悪友だって最初から悪いコだったわけではなかろうに。
彼もまた兄から性的虐待を受けていた
紛れもない被害者だったのだから…。

そしてソーシャルワーカーの男性。
彼の様な奇特な人間ってホント立派だと思うけど
自分の家族を犠牲にしてまでの正義って本当の正義なのか？
それはただの自己満足に過ぎないのでは？
とても繊細で難しい問題ですね。。

心から反省し更生しようとする
少年の足を引っ張るマスコミ・世間。
野次馬根性で当事者を傷つけようとする
これらの人種は軽蔑されるべき。
だけど、こういう事も含めて
これが少年Ａが背負っていかなければならない
罪の十字架なのではないかとも思う。
私が被害者遺族だったら
加害者がどんなに立派に更生しようとも
彼を彼の犯した罪を赦してあげようなんて
一瞬足りとも思えないと思う。

本当の友情・愛情にやっとめぐり合えたというのに
待っていたのは皮肉にも残酷な宿命…。
とてもやるせないラストですが
少年犯罪に限らず罪を犯した人間を
社会はどうやって受け入れていくべきか
深々と考えさせられる良作だと思います。
彼が最後に取った行動は逃げではなく、
マスコミに追い込まれた部分もありますが、
素敵な恋人や友人に出会ったことで
自分が遺族から奪ったものの大きさにやっと気付き、
その重みに耐えきれなくなった故のものだったと
個人的に解釈しています。

更生しようとする少年の揺れ動く繊細な心を
アンドリュー・ガーフィールドが絶妙に表現しています。
『大いなる陰謀』でロバート・レッドフォード演じる教授と
対峙する大学生を演じたあの彼です。

　出所して名前を変えて人生をやり直そうとする少年Ａ＝ジャックが、ソーシャルワーカーのテリーに支えられながら、新しい生活を綱渡りするように過ごしつつ、ついに友情と愛情と信頼を獲得して行く。その過程がラスト15分前まで続くので、次第にジャックに感情移入して、自然とテリーみたいになってる自分を発見する。
（以下ネタバレあり）
　それだけにテリーの息子の裏切りには腹が立つ。何故なら、彼自身が少年Ａと全く同じ立場であることに全く気がついてないからだ。少年Ａはトラウマを持つ悪友との友情に流されて、凶悪事件に巻き込まれたが、テリーの息子は引篭もりになった。もし少年時代に彼がＡと同じような友情を得ていたら、、、

　主演のガーフィールドと、その少年時代を演じた二人の好演が光っていた。

2人の小学生が幼児を連れ回し、あげくに
殺してしまうという悲惨な事件がありました
よね。この小学生達は名前を変えて密かに
出所したと後で聞きました。事件の詳細の
本も出ていたので読みましたが、背景には
この子供達の家庭環境の悪さ等が挙げられて
いました。

上記の事件があった当時、まだ犯人も分からず、
防犯カメラに幼児を連れた小学生らしき2人が
映っている写真が新聞に大々的に取り上げられて
いたのですが、丁度英国を旅行していて凄く
印象に残っていたんですよね。

この映画は正しく酷似していますし、ヒントを
得ているのかは定かではありませんが、とにかく
観たい！と思って手にとりました。

罪を犯してしまった人間にとっては当然の
報いなのですが、やはりどれだけの罪の
重さを本人が感じ、それを生かしていくかだと
思います。被害者側の描写が少ない為に
つい加害者側に立って考えてしまうので、
ちょっと難しいですね。

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映画は、誰の視点で語られるかによって、同じ事実を見るにしても、感じ方は大いに違ってくる。長い刑期を終えて社会復帰を果たした青年ジャック(アンドリュー・ガーフィールド)。彼が直面する体験は、見る者へ大いなる同情を呼ぶことであろう。

しかし、本作品の批評を読んで多く目にしたことであるが、例えば、日本における“酒鬼薔薇事件”の犯人であったと思えば、どうであろう。14年の刑期を終えたから、罪はなくなったと感じるであろうか。例え、遺族でないにしても、そう簡単には容認できないのではないか。