ブーリン家の姉妹

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「見逃していた旧作」の中では比較的新しい部類で、2008年製作のイギリス映画です。公開当時かなり話題になっていたのは知ってましたが、オハナシは一応世界史で習って知っていましたが（ヘンリー8世のイギリス国教会設立と大英帝国の礎となったエリザベス1世の誕生秘話として）、私どうもイギリス中世史というのはあんまりロマンティックじゃ無いんで苦手でしたし、何よりナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンは両方ともあまり好きなタイプの女優じゃ無い、というのが「見逃していた」最大の理由です。ただ最近ひょんなことからこの映画の原作が「The Other Boleyn Girl」という題名の小説であることを知って、ちょっと興味を引かれたんですね。考えてみればアン・ブーリンの名前は覚えてるけど「もう一人のブーリン（メアリー）」のことは全然習わなかったなぁ、って。
で、この映画ではメアリー（スカーレット）はアン（ナタリー）の妹でアンより先にヘンリー（エリック・バナ）の愛人になり、その従順で純真な性格を愛されて男の子も産むんだけど、勝気で執念深いアンにその座を奪われてしまう、というオハナシになっている。歴史的事実がどうだったのか、原作がどうなっていたのかも私は知りませんが、少なくともこの映画はアンとヘンリーという英国王室史上最もスキャンダラスなカップルによる「痴情事件」（何せ中世ヨーロッパの精神世界を完全に支配していたハズのローマ・カトリックから「国ごと」離脱させちゃったんですから）を、さらにアンとメアリー姉妹の「女同士のドロドロの戦い」まで絡んでいた「驚愕の三角関係メロドラマ」として描いている。チャールズ皇太子とダイアナ、カミラの三角関係なんか可愛いもんだって言ってるみたいですねぇ（笑）。
ところで、私がこのヘンリー8世という王様について抱いていたイメージというのは正に「イギリス的」な指導者、というものでした。当時はヨーロッパの辺境にあって経済力も無く文化レベルも低い「田舎の小国」だったイギリスが、公然とヨーロッパの支配者ローマに楯を衝くにあたって「カトリックの大国（スペイン）王家出身の妻と離婚して愛人と結婚したいから」なんて「人を喰った」看板掲げるところがなかなかカリスマの才能もあって、ちょっと無謀だけど肝の据わった、冷酷非情な政治人間だったんじゃないか、って漠然と思ってましたね。日本で言えば桶狭間の頃の織田信長みたいな。で、このタイプは「女に迷う」なんてことは絶対あり得ない（特にこの時代は）。アンにしても「看板」の用が済んだら簡単に捨てて首切っちゃう。ソノ気になれば姉妹だろうが関係無く愛人にしちゃう。
イギリスでもそういう評価されてるんじゃないかと思ってたんですが、この映画では単なるスケベで移り気なワガママ男ですねぇ。ま、歴史の解釈、特に「夜作られる」歴史は記録に残らないから、どうにでも解釈出来ちゃうんですけどね（笑）。

英国史を変えた、あのアン・ブーリンのお話と思いましたが、お姉さんの地味なメアリにも焦点をあてた作品でした。
二人の姉妹、ヘンリー�[世の愛を得ること、男の子を産むことだけが全て。宮廷での出世のために、娘たちに強要する父母、ブーリン家の人たち。すごい世界ですよね。

印象として、ちょっと、ヘンリー�[世が弱っちい感じ。巨大な動物的な存在感、が強調される、という予想ははずれて、なかなか良い人じゃない、という微妙な印象。
ヘンリー�[世を人間的に描きすぎて、作品の全体の印象が弱くなっちゃいましたよね。実際、ものすごい王様で、アンと結婚するために、カトリックから別れ英国国教会を作っちゃったんだよね。

メアリのご懐妊と男の子の誕生、このシーン、アンはひどかったね。子どもを認知しない、ってあり得るんでしょうか。ひどすぎ。スカーレット・ヨハンソンのメアリは善良でごく普通の女性像。

ナタリー・ポートマンのアンは、ヘンリー�[世を虜にする、魔女的な魅力、という感じが少し弱かったですね。もう少しカリスマ的で強烈な魅力を振りまして欲しかった。
お話の大きさと比べて、全体には短くてちょっと小ぶりな作品でしした。宮廷や衣装などは説得力があって、とても美しかった。

キャサリン王妃の、離婚裁判での強烈な演説は印象的。彼女もすごい人ですね。ヘンリー�[世もなかなか頭があがらない・・・。

チューダー朝ってすごい王様、女王様ばっかりで驚きます。「エリザベス」のお母さんたちの世代のお話です。ぜひ、大きくなったエリザベス（�T世）の猛烈な活躍も見てみましょう。
アン・ブーリンとかヘンリー�[世の時代やお話はとても興味深いです。色々な本や作品があります。もっと調べてみようかな。

いずれにしても、哺乳類として種の保存は、本能だろうから、いろいろな事情も絡み、権力者ほどその欲求は強かろう（古今東西問わず）。もちろん日本においても同様の話はいくらでもありそうだ。腹を立てても仕方がない。
しかし、処刑者の子供（しかも娘）が長期にわたって君臨した次代の継承者になったことがひとつのポイントかもしれない。
史実に基づいた作品であり、結果はわかっているが、達者な役者達によってなかなかのドラマに仕上がった。
ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、ジム・スタージェス（弟？）は合ってるし、上手い。特にナタリーとジムはブラコン、シスコンの想いというか妙にはまった。スカーレットは、おさえた感じで理不尽な扱いを受けながら健気な妹を良く演じている（得な役かも）。
ただ、エリック・バナはどうなの？ヘンリー８世？彼じゃなくとも良かったんじゃないの。彼には何というか動物的なエネルギーの発散があまり感じられない。
なんだか、エリザベス１世の作品が見たくなってしまった。

女性が男の出世と欲の道具のように扱われていた16世紀のイングランドが舞台。
女の嫉妬がドロドロと描かれています。
メアリーもアンも、王妃キャサリンも壮絶な人生でしたが、調べてみたところ
ほぼノンフィクションのようですね。

見た目も、実際にアンもはナタリーのように痩せており目が大きい女性。メアリーは反対にふくよかで、その時代はメアリーの方が
美人とされていたようです。
しかしながら、ナタリーポートマンは本当に美しいですね。
顔が整いすぎていて魔女には見えませんでした。

また、洋服やお城の装飾も素敵です。ヘンリーとのラブシーンには二人の洋服の配色が合わされていました。
色で思い出したのですが、キャサリンが亡くなった後の催しで、上機嫌のアンはイエローのドレスを着ていたそうですが、
イエローは「軽蔑」などの意味を表したそうです。
おお、怖い怖い。

なんだかな〜ってお話。
妹の最初の旦那、器が大きいね〜
俺には無理っぽいが…
観ててモヤモヤする、個人的には好きくないが、歴史的映画ならありかなー程度