恐怖のメロディ

この映画はみる価値がある。

映像特典もよい。現在のイーストウッドが過去についてたくさん語っている。

感想･総評：見ていてなんかイライラする。後味も悪いし

対象年齢：高校生以上（多少残酷な場面あり。Ｈ場面あり）

食事中に見られるか：無理でしょう

わ・・・・・コワイです。
古き良き時代の「怖さは」
ともすればコメディーに変換されることもある。
怖さと笑いは紙一重です。
しかし、この作品は
かれこれ世に出てから５０年になろうかというこの作品は
その当時の怖さが
今でもちゃんと怖さとして届けられます。
今で言うストーカーを扱った作品。
クリントさん演じる人気ラジオＤＪが
ファンに付きまとわれるという物語ですが
どんどん怖さと狂気がましていき
それが抑え目の演出と相まって
非常にゾクっとさせられます。
抑え目、控えめな恐怖が
ここぞ！という時に瞬間的にドドドっと押し寄せる攻撃的恐怖へ
メリハリも効いてて素晴らしい。
これが監督デビュー作という
クリントさんのその後の素晴らしすぎる監督人生を決定づけているような
そんな作品でした。

クリントさんの恐怖を感じたときの表情
理解しがたいものが静かに迫ってくると感じたときの表情
たまりません。
きっと自分でもこんな顔してるよ、こんな状況なら・・・
そう確信できるドンピシャな表情です。
演じても一流
撮っても一流
一流はどこまでも一流でした。
ラストのあっさり感も好き。
へんにゴタゴタするより
説得力がありました。

それにしてもストーカーを演じた女優さん
お見事でしたね。
最早ストーカーにしか思えません。
ヘアースタイルも踏まえると
お憑きのモンチッチって感じでした。
あんなのに憑かれたらシンドイわ・・・・・

ストーカーって昔は知らんかったなぁ。と思ったのですが、この時代からあったのかとびっくり。でもまぁ、あれか。男と女なんていうのはいつの時代でもこんなのはあったのだろうから、そういうものなのかな。

イケメン、イーストウッドが、粘着質の女性に付きまとわれ、えらい目に合うという話です。まぁ、きっかけは自分のせいだけどね。で、この女性が怖い。常軌を逸していて本当に恐ろしい。そして、本当にいそうなところがまた恐ろしい。ほんま、イケメンなんかに生まれるもんじゃないな、と思いますな。

まぁ、最終的には映画的な終わり方でした。キレイに終わるのはこういう終わり方しかないんでしょうねぇ。

それにしてもイーストウッドの処女監督作品がこれだとは・・・意外なんだけど、今となっては彼らしいなぁ。当時はびっくりだったと思うけど。

　ストーカーという言葉自体なかった時代に、ここまで狂気的な女性を描けてるのが凄いです。しかも、よかったのは最初はとても魅力的な女性で描いていて。しだいに口の悪い女性だとわかって、勝手に彼女っぽい行動していって。しだいに主人公の周りの人物に危害を加えていって……。という流れは丁寧に描けていてよかったです。

　ただ、ストーカーが凶暴化した後のシーンで。彼女と森の中でのベッドシーンがやたら長く入っていたり。音楽フェスの映像が、何故か知らないけど長く入ったり。本当に物語に必要なシーンなの?　という映像が多くてちょいダレました。

　クライマックスの戦いも、単なる男と女の殴り合いになってしまって。そりゃ、イーストウッドのパンチには誰も勝てないわ。という気持ちになって興ざめしてしまいました。
　それにストーカーは、殺人未遂まで犯して療養所送りになっているのに。クライマックス前に簡単に釈放されたり。物語を展開させるために、強引に流れを作ったりしてたのが残念でした。

　とはいえ、時代の古さを感じさせずに。面白くみれるサイコな映画でした。