真昼の決闘

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西部劇というのは、古くて退屈というイメージがあって、この作品もそのイメージを完全に裏切るものではなかったが。少し意外な発見もあって、結構楽しめた。

一番意外だと思ったのが、最後の決闘の場面。
勧善懲悪ものだから、最終的に保安官が勝つのだろうと思っていたけど、本当に一人で戦うことになるとは思わなかった。最後は水戸黄門的に住民たちが協力して悪党を倒して大団円とばかり思っていたので、この展開は正直意外で新鮮だった(笑)。
こういう展開にすることで、保安官の孤独さや一人でも逃げずに戦う精神的なタフさが強調される結果になっている。タフな西部劇ってこういうものなのねー。水戸黄門とちょっと違うぞ(笑)。ある意味個人主義のアメリカらしいのかも。

また、途中の教会での議論の場面。
いろいろな人が自分勝手なことを言ってまとまらないあたり、人々の身勝手さを風刺しているようで、なかなか興味深かった。それぞれの人の主張もそれぞれ一理あって、こういう場面になったら誰かが言い出しそうなことばかりだった。西部劇といいつつ、ここらへんの人間観察は案外リアリズムだと感じた。

いろいろツッコミどころのある勧善懲悪ものという枠は出ないものの、随所に鋭い人間観察の光るいい作品と思います。
ヒーローアクションものとかスパイものとか、そういうものの普遍的な形はこのころからできていたのねーと感じました。時代背景を変えて、少し科学的なギミックを施せば、普通に今劇場でやっていてもおかしくない。
汽車の到着という時間的なリミットに対して、映像的に緊張感を煽っていく手法は、興味深かった。実時間とシンクロというのも確かにおもしろい。

個人的には☆3.5〜4。

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保安官の孤独を描いた凄い名作と聞いていたが・・・正直「拳銃王」ほどの感動は無かった。
もちろん西部劇は好きな方だし、ジンネマンにしても「暴力行為」や「ジャッカルの日」「地上より永遠に」を撮った名匠だとは思う。

しかしこの作品・・・情けない保安官がワガママ言ってヤケクソで決闘に行くような印象しか浮かばなかった。

確かに決闘までの８０分間と作品時間の８０分を同時進行で追っていくタッチは凄いと思うし、保安官の行いが街の反感を買って誰も協力者が現れない・・・今の世の中にも通じるリアルさは感じる。
主人公も街を守るため強制的に手伝わせるのではなく、土下座する勢いでひたすら頼み込むという情けなさ。
逆に俺はそこが良いと思った。この人間臭さこそリアリズム。決戦の最中でも火災から馬を逃がそうとするほど優しすぎる主人公。

ところがそこからは残念のオンパレード。
せっかくやる気になった部下を「死ぬのは俺一人でいい！」とグロッキーにしてしまう。
その判断で貴重な戦力を削るのは馬鹿なのかと。相手４人もいんだぞ。解ってんのか。
こんな奴の助けなんか誰もしたか無いわ。
街の住人、嫁、部下、仲間にも見捨てられヤケになったか、何とショットガンどころかリボルバーのみ！自殺行為もいいところだ。
これで奥さんが助けに来なかったらお陀仏だったな。生き残った無法者どもが街の住民に手を出さなかったという保証は何処にも無い。

そもそも、銃を扱う人間に援護を頼むなら理解できる。だが、銃を扱った事すら無い素人に援護を求めるのは無謀すぎる。
下手をすれば自分が撃たれるか、暴発でもすれば最悪住民側の犠牲にも繋がる。
オマケに街を守るために保安官同士の信任や人望を欠いた主人公。街を守り通せたのが奇跡に等しい。

つうかさ、確かに緊張感があってピリピリしてた。だけど決闘がラストしか無いと解ったらそれまで。
ケーンと住民のやり取りをイライラしながら見続けなきゃならない。スゲー退屈。

ゲーリー・クーパーの至高の領域に達した演技、そしてグレース・ケリーの美しさだけが唯一の救い。
クーパーの背中からに滲み出る哀愁がハンパ無ねえし。

でも、クーパーは「平原児」の方がカッコイイから。

鐘打つ早さ
一人味わう
数が正義か
迷い唄

ゲ−リ−・ク−パ−西部劇中一番に印象に残っている映画です、乗馬は一・二を争うほどの綺麗な乗馬姿で惚れ惚れするような手綱さばき〜それになんといってもグレイス・ケリ−、まだかけだしのころでしたがあの美し容姿端麗な姿は演技力はなくても映画館で本当に惚れ惚れ〜うっとりとみていました

個人的には期待しすぎた分星三つ半。
大物の役者にしては盛り上がりが今一つのような気がしました。
Ｇ・クーパーとＧ・ケリーの結婚自体もロマンス的に無理があったような・・・