家族ゲーム

家族ゲームと言うタイトルに興味があったのと松田優優作さんが出演していたのでレンタル。
中流家庭の二男坊の高校進学で家庭教師を雇うことになった家の主婦に由紀さおりさん。なんとミスマッチなとおもいましたが…これがなかなかいい演技をしていました。
そして家庭教師の松田優作が型破りの家庭教師で面白い。生徒に暴力を振るうが意外と親身に考えてくれたりと人柄が分からない。
長男は優等生的に上手に両親を操りながら結構な悪。二男は口先だけの馬鹿。父親はと言うと…切りがないので後は映画を観てね。
松田優作さん、最高に面白いです。特に最後のシーンは大笑いしてしまった。

森田芳光監督・脚本　ブラックユーモアたっぷりの　ホームコメディです。

「家族4人が　細長いテーブルに横一列に並んで　好き勝手に自分の好きなものを食う」シーンは衝撃的でした。そこには（ホームコメディでありながら）　一家団欒の楽しい姿（ま〜るい食卓を囲んで談笑しながら同じものを食す）は微塵もありません。

登場人物すべてがこの調子で表現されており　勘ぐれば勘ぐるほど象徴的なキャラばかりで　「深く長く記憶に残る映画」です！！


宮川一朗太さん演じる次男坊シゲユキは　無気力で将来の夢も希望もない　しかしプライドは高くかつ感性は鋭いので独自の価値観を持つ（家族や友人に対する仲間意識が薄く基本的に孤独「ナビ助」さんご指摘のように少し後の新人類の魁となるキャラ）　まるで「団塊ジュニアのオチコボレ」を髣髴とさせる存在。

伊丹十三氏演じる父コウスケは　まさに「団塊世代」の象徴。
兄シンイチは　シゲユキの裏返し　優秀だが　identityが欠如している感情なき“サイボーグ人間”。
母チカコはいつも旦那コウスケの顔色をうかがいながら
「子どもは成績が良くて、いい学校に入り、いい会社に入ればそれでいい」と考えている典型的な専業主婦像。


そんな中で　ひとり異質な光彩を放っているのが　松田優作演じる暴力家庭教師（価値観の壊し屋⇒森田監督の象徴）。彼は３流大学生で何年も留年を繰り返している　“一般常識ではダメ人間”だが“ひとの本質・欲望”を赤裸々に具現化しているように思います。
（「これは　私だ！」と思っているのは私だけではないでしょう）

Last Sequence：最後まで続く(因果的)連鎖結果は…
　　　　　《森田節　炸裂の痛快さ！》

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森田芳光の初期の作品で名作の誉れ高きホームコメディです。
独特のタッチから既に「名前で客を呼べる監督」として活躍
されていました。

どこにでもいるような家族を描きつつも、個々の人物設定は
癖や約束事など細かい点を際立たせ、見る者の笑いを誘います。

父親は目玉焼きの黄身を吸うのが癖で「半熟」でないと機嫌が
悪くなります。
出来の悪い息子に家庭教師を付けますが、勉強を教えるという
より、「勉強しないと殴る」ような暴力教師。
ちょっとひねた息子に容赦ないビンタを浴びせます。

成績が徐々に上がり両親も喜びますが、家庭教師との夕食で
なぜか、大乱闘になってしまいます。

最後の乱闘は呆れるくらいハチャメチャで、長回しのワン
カット撮影で見せます。
マヨネーズのシャンペンシャワーは必見！？
こんな映画見たことないし、独創的すぎて似たような映画も
なかったんじゃないかな。

後にＴＶドラマ化もされました。
受験生のキャラは数年後に流行語になった「新人類」のはしり
です。時代の先を行っていた作品でした。

面白さ：★☆☆☆☆
対象年齢：中学生以上（ただし家族一緒に見るような内容ではありません）
食事中に見られるか：大丈夫でしょう

この映画の食事シーンは有名だけど、改めてみるとやっぱり面白い。
あと松田優作が意味も無く飲み物を一気飲みするシーンも印象的。
宮川一朗太が囁くように呟くシーンなど、細かい演出が俺は好きだな。
全体的なストーリの面白さもさることながら、細かな部分に注目する程楽しめる作品だと思いますよ。