マグニフィセント・セブン

西部劇の影響を受けて作られた『七人の侍』、
そして『七人の侍』のリメイクの西部劇『荒野の七人』のリメイクです。

時代設定を変えたり、宇宙人を出したりしない、
混ぜものなし純度100%の西部劇です。
ガンアクションシーンは迫力満点の西部劇ですし、建物や衣装も西部劇仕様、登場人物たちの不潔感も西部劇的。
西部劇に関しては真正面から挑んで、その目的においては成功していると思います。
が…
登場人物が活きてない感じがしてなりませんでした。

セブンたちと悪党のボーグ一味の描き込み不足もそうですが、
住民が悲惨な目にあっている感が薄いです。
何でこやつらをはした金で助けないかんの？

特にヒロインのヘイリー・ベネットさん。
ジェニファー・ローレンスの廉価版みたいで魅力的な女優さんですが、
男が命を懸けて助けてあげたくなる感じがないですね…

同じワシントン主演でフークア監督の『イコライザー』でクロエ・グレースが演じた娼婦は“それ”があったと思います。

娯楽西部劇としては文句無いです！
70年前でも、50年前でも、20年前でも、10年前でも、ヒットしてウケたことでしょう！
7年前に『ジャンゴ』を観ているものとしては何か物足りない感じがして、こう思いました。
僕は『ジャンゴ』がいい！
この場合、主演は「Dee is silence / Dは発音しない」のでエンゼル・ワシントンになりますねwww

感想･総評：原案の作品に比べると展開が急ぎすぎている感じはあるが、長くなりすぎるのを避けるためにはしょうがない。ストーリー展開は似ているが、原案作とは別物として見た方がよい

対象年齢：子供〜大人（残酷な場面はあるけど。Ｈ場面はなし）

食事中に見られるか：やめた方がよい

黒澤がいかに偉大で、七人の侍がどれほど傑作かを再確認することができる。

西部劇は小さい頃から大大大好きデス‼
ジュリアーノ・ジェンマやクリント・イーストウッドとか、かっこよかった！
この作品もむか〜し見た「荒野の7人」を原案にしているとか。
悪い奴が憎たらしければ憎たらしいほど、物語としては盛り上がりますね。
7人のそれぞれが個性的で訳ありで、でも町を取り戻すために立ち上がって仲間になって行く。くぁ〜っ、泣ける〜。
みんなカッコよすぎだぜ！

結構うまいことできてはいます。西部劇に昨今の多様性ってやつを入れての展開。デンゼル・ワシントンが主人公で、彼らしいキャラです。

でもなあ、西部劇に出てくる黒人ガンマンはやっぱり違和感がある。南北戦争の北軍出身で勲功あってその地位にってのがパターンやけど、姿形は格好いいんだけど、全体の絵に全く合わないのよ。やっぱりそれは現実には無いからなんだろうな。

50年前までは、同じバスにすら乗れなかった程の差別があった国を知ってるだけに多様性と言われても過去にそれを作ったらアカンやろって思います。それやったらむしろ現代劇の方にした方がいいよね。殺しまくるのも、今風だし。だいたいガトリング砲は反則やん。撃つのを阻止だったらまだしも撃ったら話は終わりやん。はいそれまでよ、のはずが・・・

過去作よりも過剰演出しなければ映画は生き残れないのかも知れないけど、それだけでは映画ではない。しっかり楽しめて感動させて、っていうのを期待したいですね。