ガール・オン・ザ・トレイン

子供が欲しいのに不妊治療が上手くいかない、夫・トムには愛人がいることを知る。
そんなこんなでアルコール依存症になり、離婚することになったヒロイン・レイチェル。
しかも、トムは愛人・アナと結婚して子供が生まれています。
これは、元気出せよ！という方が無理な案件…

レイチェルは、毎日、トムと暮らしていた家の前を通る列車に乗るようになります。
車窓から見えるトム宅の隣家の夫婦、スコットとメガンを見かけ、彼女たちを理想の夫婦と妄想。

ある日、メガンがスコット以外の男とキスをしているのを見かけ、レイチェルは激怒する。
泥酔して目覚めたレイチェルは、前夜の記憶がなく、体に傷を負っていた。
しかも、メガンは行方不明！レイチェルはメガンを殺してしまったのか？！

レイチェル、アナ、メガン、3人の女性が描かれています。
サスペンスっていうより、ヒロインの覚醒、再生の物語って感じ。
自分はダメ人間と思ったり、他人をダメ人間と決めつけるのは罪だなって思いました。

レイチェル役のエミリー・ブラントが、唇カッサカサの大アップで傷ついた女性を好演。
一見、幸せそうなアナを演じたレベッカ・ファーガソンもキレイ。
心に闇を抱えたエロい人妻メガン役のヘイリー・ベネットも魅力的でした。

ストーリーはよくできているが、みんなそれぞれ病んでてそのうちの誰が殺人を犯したのか、という話。殺し方も結構えげつなくて、救いようがない。
作者が相当病んでる感がします。
暗〜い。

普通に最後まで観ました。ブルーレイで観ました。

エミリーブラント好きでないと 最後まで観るのは厳しいかもしれません。

あとはどっちかというと女の人が好む系かな と。ドロドロした感じ。
男の人よりも女の人が下す評価のほうが上がる気がしますね。

アル中で妄想癖のある精神疾患気味のおばさんの話。ミステリー風だが、ミステリー的な緊迫感は少なくおばさんの妄想の世界の中で犯人が解明される。つまらない退屈な映画。

アルコール中毒で記憶が飛んでしまい、何が起こったのかわからないヒロイン…果たして自分が殺人犯なのか…？という単なるミステリーを超えて、過去の呪縛に苦しむ女性の描き方が凄まじい作品だと思いました。幸せになろうとした…だけどなれなくて、どんどんと梯子を踏み外して転落していく女性たち…その姿に彼女たちの怨念みたいなものを感じてしまいました。

時間軸がバラバラになっているところは、女性たちの心情をパズルのように解いていくのを複雑にしているようで、実は一役かっているんですね。実によく計算されてつくられています。とにかく息をつかせず、どんどん次が観たくなく展開になっているのです。

過ぎたことは早く忘れて未来に向けて歩いて行った方が賢い…ということはわかっていても、女性ならばどうにもしようがなくそうサバサバとできないことはあるのですよね。根底にあるものは、男性向けというより、絶対に女性向け…ですね。

ラストはもう一捻りあるのかと期待しましたが、フェミニズムで締めくくられましたので、それはそれとして納得…妊活、子育て、夫の浮気などなど女性の味方をしてくれるテーマでした。でも、男性が一方的に悪いっていう描き方もしていなかったところが、男性ファンも裏切らない点ではないでしょうか。女性が抱える問題を一緒に考えてね…と言っているように受け取りました。