猿の惑星：新世紀（ライジング）

引き続きシーザーと人間との友情を描く今続編なのにジェームズ・フランコの登場がないのは残念。



いつの世も人間が動物たちのテリトリーを侵し戦いが始まる・・といったありふれたストーリーではあるが、

人間社会同様に猿たちの世界にも裏切りや憎しみが存在するというシーンもあり、結構観ていて飽きない。

猿がそのまま知能だけを進化させ人間に挑む姿を描いている。（猿が知能を持って進化したのが人間なのに？？）

前作もそうだったがますます人間VS猿がエキサイトしている。（今作もシーザーがかっこいい！！）

次回作はきっと猿たちが人間社会を滅亡させ地球を支配しそれが猿の惑星の誕生・・・なんてストーリーじゃ〜ないかな？？？

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　猿インフルがパンデミックして人類激減してしまいインテリジェンスな猿たちが支配する地球で、人間も猿もタカ派ハト派にわかれて激論バトルする話。

　主役のクレジットが猿のボス役のアンディ・サーキスさんで猿目線で描かれていく展開で、その話を猿の圧倒的なリアルな映像で押し進んで凄かったです。
　人間にも猿と共存しようとする人たち、猿と戦おうとする人たち。猿にも人間と共存しようとする猿たち、人間と戦おうとする猿たちの葛藤と対立が描かれていきます。
　人間と猿の決戦のアクションシーンも迫力の展開で熱かったです。

　タカ派もハト派も言ってることが正しいので誤解や行き違いで対立を深めていく展開は何ともいえない気持ちになりました。そしてその結果、どういう答えを双方が出すのか?　この映画のオチは結構絶望的な展開で面白かったです。
　
　ただ共存をしようとする人間も猿もただ「信じる」ということだけが根幹だけなのが弱いような気がしました。
　人間に憎しみを持つ猿たちは、かつて人間に拷問されて人間を憎んでいる。猿を憎む人間は家族を殺されて猿を恐れて皆殺しにしようとする。共存を望む一派より戦いを望む一派の方が理解や共感を感じてしまえるキャラクターでした。
　もっと共存を望む人たちの希望を個人的には描いてほしかったです。そうでないと現実を見ずにお花畑の世界の人たちに見得てしまいました。
　そして猿たちがみんな似たような顔してて区別がつきにくいうえに暗闇でむちゃくちゃに殴りあうので何が何やらわからなくなる部分もありました。

　とはいえ、人間と猿の思惑が入り乱れて一気に爆発する異文化の衝突を描いた良質なエンタメだと思いました。

　猿インフルエンザでほぼ壊滅した人類。免疫を取得した僅かな者だけが生き残っている。

　そしてシーザーはより強固にコロニーを形成していた。
　馬に乗る猿ってなかなかだな。

　知能を発達させたエイプたち。

　その中でも人間に恨みを持つものが争いのきっかけを作る。
　そしてエイプと人類の戦争が始まった。

　愚かな者は種族関係なくいるわけで、愚かなエイプと愚かな人類が争うという虚しい内容。わかりあえて共存できるはずなのにできない。
　愚か者の声が大きいからこそ、それが強く感じられて導かれてしまうんだろうね。
　きちんと理解できる者だけでない哀しさ。

感想･総評：同じ能力を持つと共存は難しい、というのはわかる気がする。お互いに相手のことがわからないと、信頼しようがないし。過去作は見といた方がよい

対象年齢：子供〜大人（残酷さはあまり感じない。Ｈ場面なし）

食事中に見られるか：無理ではなさそう

　サルが暮らしていた北米大陸に人間が乗り込んできた。人間は入植地を次々拡大していった。
　サルの長老、シーザーは白人とともに幼少期暮らしていたので人間の性格を良く知っている。いま、軍事的衝突が起これば、部族は全滅。そこで、人間の中に一部いる、穏健派と和解でもって部族を守ろうとする。
　しかし、それで部族は守れるのか。若者コザは、人間が大量の武器を調達していることを突き止める。人間の大半がサルを馬鹿にし、何のためらいもなくサルを殺せることも知っている。先制攻撃をすれば、勝てる見込みはある。こうしてコザは人間にたたかいを挑む。
　映画では、シーザーは知恵者の民主主義者として、コザは武闘派の独裁者として描かれる。徹底した人間側の目線である。圧倒的な火力で脅して、いいなりになってくれる傀儡政権の方が支配しやすい。
　では、サル側からみたらどうなのだろう。そもそもサルと人間の共生は不可能である。サルと人間に共通の規範がまるでない。だいたいサルと人間では種族が違う。サルと人間の混血でも生まれるような状況になっていれば別だが、西欧が先住民族を「未開人」と規定して、人間とみなさずに土地を奪っていった帝国主義時代と同じ。人間でない相手と共生はできない。
　さらに、武力蜂起はサルの生命を守ることできる可能性があった。文明・生産力に圧倒的な差があるが、先制攻撃に打って出れば一時的にコロニーを占拠できた。へたに持久戦になれば生産力に差がありすぎるので勝利はない。しかも、相手は生産力を増すための電気を要求し、それをサル側が飲まざるを得ない状況まで追い詰められている。
　コザにもう少し、論理性とリーダーシップがあればと思う。決して武装蜂起という選択肢は間違っていないのに…。おサルさんの気持ちになって考えてみても、シーザーのようなリーダーは嫌だなと思う。