ウォルト・ディズニーの約束

メリー・ポピンズ、いい映画だったので、その裏話ってどんなんだろうと思いながら観てました。てっきりウォルト・ディズニーとのやりとりが基本になるような話で、ディズニーが作っているから、ウォルトが聖人みたいな描き方なんだろうな、と思ったら、原作者の幼少期とからめての話の展開で、それが非常にうまく出来ていました。

始めは「こんな幼少期の話なんていらんねんけど・・・」と思っていたのですが、それが徐々に深くストーリーに絡んでいくのがわかってきて（というか、これが本題だな）、最後はお見事！！って感じ。思わずウルウルしてしまいました。私、娘がいるんで、やっぱり良き父親でなければならないと思いましたね。いいお父ちゃんでいよう・・・

ディズニーですから、音楽も効果的に使われていまして、作品としては非常によく出来た良作です。トム・ハンクス演じるウォルト・ディズニーも聖人っぷりが非常によく分かりますし、まぁ、その分、ダークサイドの部分で映画作ってくれへんかなぁ、とか思ったりするんですが、無理なんでしょうね、きっと。

エマ・トンプソンはいい役者さんですが、今回の風貌とメリー・ポピンズというところから、「ナニー」という映画のキャラを思い出してしまって、ちょっと違和感を感じてしまいました。当初はメリル・ストリープにオファーしたそうですが、はまってそうだけど、ちょっと食傷気味なんで、まあしょうがないか。ヘレン・ミレンあたりだったらどうだったのかな。

「メリーポピンズ」の誕生秘話の話だと全然知らなかったのでこんな作品なんだと思って見てました。「メリーポピンズ」も見たことがなかったので見たくなりました。最初は原作者のパメラさんは気難しい人で大変だなと思って見ていたけど彼女の心の中に秘めてる想いや、作品への想いを知ると自然と涙があふれてきました。でも、その想いもすべて受け止めて説得したウォルトさんの心の広さや信念とかがすごく伝わってきました。
パメラさんの父親への対する想いがすごく伝わってきました。彼女は子どもの頃いろんなことがありいろんな想いを抱えて生きていたんだなと思いました。映画の製作したことによってようやく心の解放が出来て本当に良かったなと思いました。
すごく素敵なお話で見終わって温かい気持ちになりました。

　【メリーポピンズ】の制作秘話の形をとりながら、【メリー・ポピンズ】映画化にいろいろ口を出す原作者の女性と娘のために映画化したいというウォルト・ディズニーの話。

　映画化の許可を出したものの製作に口うるさく干渉してくる原作者と振り回される製作者たち。というのと原作者の幼少時代を同時進行で描くことで、何故そこまで譲らない姿勢になったのか?　が描かれていきます。
　原作と映画は違う。というものだと思いますが、この主人公は何でもかんでも口を出してくる。確かに人格に問題があっても作り出す作品は素晴らしかったら、それでオッケーで、作品と人は違うと思いますが。いちいち口を出して無理難題を言うのは別にかまわないですが、飛行機に乗って鞄の位置を譲ってくれた赤ん坊を抱いたお母さんにお礼も言わずに「泣かないように気を付けてね」なんて言ってしまうのはいかがなものだろうか?　と思ってしまいます。最初はそういう人格だったのが映画が終わるころには変化してほしかったです。

　主人公のエマ・トンプソンさんを始め、トム・ハンクスさんポール・ジアマッティさんをはじめとするディズニーの製作者さんを演じた役者さんたちみなさん素晴らしかったです。
　丁寧に展開する演出にイギリスの風景や主人公の幼少時代の美しい景色。1961年が現在で、イギリス人の主人公の幼少時代になると西部開拓時代みたいな文化で、イギリスってそんななの?　と疑問に思ってたら、実は……でした。素直に感動できて、泣ける映画だったと思います。

　けれども、大好きだった父親に対する愛と死。その時の梨。
　罪悪感で自分の物語に入り込んで逃げてた人生をウォルト・ディズニーに見抜かれてのクライマックス。ここも長台詞で見せるのは確かに感動できますが。それも、トム・ハンクスだから。という理由でしか見られなかったです。　
　ディズニーさんの話を聞いて、本当の気持ちを見せてしまうというのも、ちょっと唐突に見えてしまって入り込めなかったです。

　結局、この映画を見て、【メリー・ポピンズ】の原作者さんよりウォルト・ディズニーさんのほうが人格的にも創作者としても格上なんだなとわかる映画でした。【メリー・ポピンズ】を知っていて、人生で【メリー・ポピンズ】に触れていたら、もっと感じる部分がある映画だと思いました。そしてロンドンにも桜ってあるんだ、と勉強になりました。

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てっきり、
ウォルト・ディズニーが主役の、ウォルト本人のお話かとばかり…
…違ったのね（笑）
あくまでも、メリーポピンズがメインで、
その原作者が、主役なのね…。

思ってたのとは、違ったけど、
興味深くて、楽しめて…
クスリと笑えて…、ウルリときて……
なんだか素敵な映画でした♪♪

へぇ〜、
メリーポピンズの映画を作るまでに、こんな事があったんだ〜。
○○年っ？！！
オファーし続けたウォルトさんも凄いけど、
断り続けた彼女も、スゴい！！
二人とも、根気あるな〜…（驚）

原作者を演じたのは、E・トンプソン♪
（彼女ならではの雰囲気♪）
登場してすぐ、彼女の人柄が、一気に伝わる（笑）
堅物で、頑固で、明け透けない物言い……
でも、憎めない。
可愛らしくもある女性像。

彼女の生い立ちと、
彼女のメリーポピンズに対する思い入れ…
大げさではなく、等身大に伝わってきた。

何となく、心がポワッとなる…、イイ映画でした♪



＊＊＊＊＊以下ネタバレ＊＊＊＊＊


終盤、試写会で涙する彼女…
そんな彼女に、そっと温かい言葉をかけるウォルト…
それに対し、彼女が返した言葉は………♪♪
これには、プッと吹き出してしまった（笑）

実際の彼女は、どう思ったんだろう？
そして、もし、この映画を見れたら、どんな風に感じたのだろう？？…
とってもハートフルに仕上がってたけど、
きっと、何らかしら、文句を言いそうな気がする（笑）
彼女自身に一番、興味がわいた気がします(*^ ^*)

新作が書けず、一文なしになりそうな「メリー・ポピンズ」の作家パメラ・トラバース。
仕方なしにウォルト・ディズニーからの映画化のオファーに答えて、アメリカに飛びます。
頑固で自分本位で、嫌味な女性、なんて扱いづらい女性なんでしょう。
映画化に際して、細かくダメだしをし、自分の思い通りにやらないと、契約書にサインしないとウォルトを脅します。
そんな頑固で嫌な女性の彼女には、子供時代の辛い想いがありました。
その実、その辛い体験から生まれた「メリー・ポピンズ」。
だからこそ、彼女の「メリー」に対する思い入れは半端なく、安易に映像化することで自分の中の「メリー」を壊されたくなかったですね。
子供時代の思い出シーンは、暖かくもあり、辛くもあり、ジーンとなりました。

そして、少しづつ、映画に対して心を開いていくパメラ。
本当は優しい女性だったのに違いありません。
ただ、ちょっと不器用で、女らしいしなやかさを見せるのを良しとしなかったのでしょう。
彼女とポール・ジアマッティ演じる運転手の友情に、胸が熱くなりました。

「メリー・ポピンズ」を観なければ！
ちゃんと見たことがないので、しっかり見たくなりました。