大脱出

　刑務所からの脱獄劇といえば雨の中、サーチライトの追跡を逃れて高い塀を乗り越えてと、間一髪の一大イベントのような脱走シーンを回想しますが、本作では少しインテリ風で、刑務所の監視設備やシステムなどの不備を突く内容に視点が置かれています。前半、刑務所に服役中のレイ・ブレスリン（シルヴェスター・スタローン）がいとも簡単に脱獄してしまうシーンがあって、「どうだ、俺はこんなもんだ」と自負する姿も、ちょっと話が違うかなと思った矢先に実はＢ＆Ｃ（ブレスリン＆クラーク）という民間のセキュリティ会社が行う調査だったとは、一杯食わされました。

　ＣＩＡ職員と称する女性、ジェシカ・ミラー（ケイトリオーナ・バルフ）からの依頼で、凶悪犯を世の中から排除するために非公式に極秘裏に民間資金によって建設したという、所在地非公開の新鋭刑務所。ここからの脱獄の可否を調査してほしいという。レイは過去７年間実際の受刑者として全国の刑務所を調査し、１４の刑務所を脱走してきた実績があり、その調査内容を製本にして出版しているほどの敏腕脱獄人。その彼が今回この刑務所に単身乗り込むも、同僚のレスター・クラーク（ヴィンセント・ドノフリオ）に嵌められてしまいます。獄中偶然知り合った囚人、エミル・ロットマイヤー（アーノルド・シュワルツェネッガー）という存在。ちょっとアプローチが一方的であり、変に好意的であり、何故か理解し難いふたりの関係深化ですが、私のような鈍感者でも先が薄っすらと見えてきそうな展開です。刑務所内でのドタバタ劇も、スタローンってあまり頭の切れないマッチョマンのイメージがあってか、今回のような頭脳プレーがメインの役柄はちょっと似合わないような気がしました。

　当刑務所長のホブス（ジェームズ・カヴィーゼル）がエミルから聞き出したがっている「マンハイムの居場所」。運良く脱出できた終盤、モロッコの海岸でのシーン。ジェシカはエミルの娘で、今回レイをして父親エミルの脱出を画策。また、エミルがマンハイム自身だって言われても何の驚きもなく、そんな能書きどうでも良いような全く反応がない結末でした。

いいですねえ、深く考えずに気楽に観れるのって．．．
個人的にはサスペンス、シリアスものが好きなのですが、こういう理屈抜きのアクション映画もタマにはいいものです。　何といってもスタローンとシュワちゃんですよ。　ネタバレがどうのこうのって関係ないです。
予告編でみせても、２大レジェンド・アクションスター競演なら、ネタもぶっ飛びます。
監獄署長に扮したジム・カヴィーゼル、９８年「シン・レッド・ライン」で頭角を現し、０１年「ハイ・クライムズ」、０６年「デジャブ」などに重要な役どころで出ています。今後、彼はトップ俳優に躍り出るでしょう。
とにかく還暦をとうに通り越した２大俳優のアクション競演、十分楽しめました。

シルベスター・スタローンと、アーノルド・シュワルツェネッガー共演。
今一なのが多かったんですが、結構良かった。

最初の緻密なプロットがラストはえらい大味に（苦笑
少しストーリー展開が雑なのが残念。
もう一工夫し緻密なストーリー展開にすると歴史に残る大作になったとですが・・・

でもこの二人ならしょうがないかもしれません。

楽しめました。

感想･総評：思ったよりも迫力があり楽しめた。アクションはほぼスタローンの独壇場だったが

対象年齢：中学生以上（残酷な場面あり。Ｈ場面なし）

食事中に見られるか：無理でしょう

評価７７点(100点満点)
「エクスペンダブル」でちよっとした顔合わせがあったが、注目はシュワちゃんとスタローンの本格的な共演作品で脱獄をテーマにしたユニークな作品。
セキュリティーコンサルタントなる仕事が本当にあるのかどうかは知らないが、レイは監獄に送り込まれてそこから実際脱獄して設備のセキュリティーをチエックするプロ技の持ち主、引退を考えながらも最後に引き受けた仕事でエライことになってしまう。
雇い主に裏切られたことで仲間からの外部支援も遮断され、自身の身分立場も認められない環境、囚人を痛めつける看守たちと地獄絵図、こうなれば自力で脱出するしかない。
知り合った囚人のボスと協力し、「墓場」と呼ばれるこの施設からの脱出劇、まさしく戦闘が展開される。
この「墓場」の正体がちよっと驚きなのでもある。
この作品の脚本が優れているところは民間苦戦時会社なるものが戦争をビジネスにし真の巨悪は国際金融資本、脱獄行為は一種の革命と現代のアメリカの闇の部分いっぱい詰まったテーマになっているとろだろう。
シュワちゃんとスタローン、往年のキレはないもののなかなか見せてくれる。