キャプテン・フィリップス

最初っから最後まで、画面から目が離せない。

本編134分ですが、全く退屈しませんでした。
実話なので、もうキャプテンが救出されることもわかってるんだけど、ドキドキハラハラが止まらない。

監督がボーンシリーズのPaul Greengrassということで納得。
前半、海賊が船に乗り込むまでのスピード感と迫力、心臓が痛くなるほどでした。

数人しかいなくて、あんな小さな船なのにあっという間に乗り込んでしまうのね。
すごいわ〜。
梯子をかけられたときの、「あ〜、もうだめだ」感、たるものありません。
ここまでの展開がこの映画のすべてを表わしていて面白くないはずがない。

Tom Hanks 久々の熱演で名演技。
これぞTom Hanks の真骨頂！
このひと、「キャスト・アウェイ」もそうだったけど、命の危機みたいなことをやらせたら本当にすごい。
実際どうなのかわからないけど、きっと実際この場面になったらこういう風になるんだろうな、と想像させるほどの演技をします。
最近パッとしなかったけど、さすがです。

この映画にさらに命を吹き込んだのは、海賊役のみなさん。
アメリカでオーディションしたそうですが、これ以上ないほどの人材をよくぞ集めたなあという印象。
特に海賊のリーダーを演じた Barkhad Abdi。
なんなのこの人！
すごくうまいんですけど。
やってることは紛れもなく犯罪なんだけど、この人たちの背景を考えたらこういうことも納得できるというか。
その部分も監督は描きたかったようですね。
リーダーのムセは「おれたちはアルカイダじゃない」を連呼しますが、そのあたりを自分たちのなかでは一線をひいているのでしょう。
彼には彼のポリシーがあり、観客もおそらくそのあたりは気持ちがわかる。
海賊グループのなかの、明らかに悪役的なひとが出てきたり、まだ少年のような歳のひとも加わっていたり。
圧倒的に極悪人たちではないことも、この作品に深みを与える。

ラスト１０分のTom Hanksの演技は、彼の今まで最高の演技と言われています。
リアルさを出すために、まわりのキャストは本物の米軍の師長などを起用しています。
Sealsなどもでていて、そのあたりも臨場感たっぷりです。迫力ある映像です。

それにしても、乗組員全員を守るために自分の命を投げ出すことができるなんて、やっぱり人間ができてるのね〜。副船長、機関室の彼も立派だった。
あんな上司のもとで働きたいと心から思ったよ。

緊迫感がハンパない・・(；´Д｀A
自分がその場にいるような臨場感で進む映画ですね

トム・ハンクスの演技がいいけど
海賊の無名新人俳優が本当によかった(●´∀｀●)

海賊をしなければいけない状況、生きていくための手段としての
切ない時代背景をきちんと映像に織り交ぜているのが良かった！！
だから憎み切れないし考えさせられる映画でしたねぇ〜(´_ゝ`)

前半の海賊からの攻撃を回避、逃げるシーンは
ハラハラドキドキの連続！！
後半は海賊との交渉・・国との身代金要求の攻防と
ドキドキするシーンは満載です(●´∀｀●)

しっかり物語の展開があって飽きない映画です！！
実際にいる人物であるキャプテン・フィリップに敬礼(^_^)/~笑

感想･総評：全く退屈しないかと言うとそうとも言い切れないが、十分見応えあり

対象年齢：子供〜大人（多少残酷な場面あり。Ｈ場面なし）

食事中に見られるか：無理ではなさそう

実話をもとに（実在のフィリップス船長によると、忠実に再現されて）作られた映画。

単に悪者＝パイレーツという構図ではなく、ソマリアの国情や、西洋諸国による乱獲のために
魚が取れなくなった漁師、という背景があって、（バッカード・アブディをはじめとする）ソマリア人を
悪と決め付けることができず、射殺された時には、複雑な気持ちになった。

船長が最後に助かった時に支離滅裂だったことも、単に恐怖だけではなくて
そういった相手の事情云々を察する悲しさももあったんじゃないだろうか・・・
そのあたり、トムハンクスは上手く演じていた。

アカデミーの助演男優にノミネートされたという、バッカード・アブディも良かった。

見終わって、釈然としない感じで考えさせられる秀逸作品だった。

評価７８点(１００点満点)
２００９年ソマリア海域で起きた貨物船マークス・アラバマ号への海賊襲撃事件を描いた作品で名優トム・ハンクスが海賊の人質となるフィリップ船長の４日間を熱演している。
実話に基づく作品ではあるが、本作はソマリアの海賊が悪、責任感があり沈着冷静に対応するフィリップ船長が正義として描かれているが、実際には何故ソマリアの漁民たちが海賊に変身したかという理由は詳細には説明されていない。本作では村のボスが金を稼いでこいと彼らにプレッシャーをかけるという説明になっているが、彼らをそこまで追い込んだのも米をはじめとする先進国の影響があったのも事実なのだ。
フィリップ船長は特に戦闘能力が優れているわけでもない普通の５０歳ちよっとのベテラン船長、海賊の襲撃を最初に撃退する対処やその後乗務員の安全を第一に考える責任感は乗客をほっぽり出して自分だけ逃げ出すどこやらの国の船長とは大違い、実際には事件後船会社から危険水域を航行し乗務員を危険にさらしたとして訴えられたということらしい。
「海賊はビジネスなんだ。俺たちはアルカイダではないから殺さない」と海賊のリーダーのセリフがあるが、メンバーは未成年者を含む若者４人、船長から見れば息子のようなもの。
なんとなく父親目線で彼らを諭すところが船長の人柄をよく表している。
最後にはアメリカ海軍とシールズの登場、いくら人質がいてもこれでは勝負にならない。自国民を救出するためにはこれだけのことをするのがアメリカなのだ。
いつ暴発するかもわからない海賊と終始沈着冷静に接してきたフィリップ船長が最後の場面でみせる魂の叫びと恐怖心、流石にトム・ハンクスだと拍手を送りたい。