七年目の浮気

マリリンはとっても可愛いです。
あくまでも、優しくて、きらきらしてます。
人気があったのもわかる。
いまだに、彼女が特別なのがわかるような気がします。
話自体は単純なコメディーですが、そこにマリリンがいてクラシックになったという感じ。
でも、このマリリンは（超有名なシーンもでてくるし）、見る価値ありです。

マリリン・モンローの魅力が溢れんばかり。映画では不貞の事実があるかどうかは明示されていない、というよりはむしろ未遂で終わっているという描写であるが、脚本や制作者の意図ははじめは異なったものであったという。即ちもっと刺激的なものをつくるはずであったが、検閲にひっかかったのだと。しかし、私としては、不貞は未遂で終わる方が、むしろ主人公の男性の情けなさというか特色が出て面白いのではないかと思うのであるが。ハリウッドは何ぶん男社会なのでそうはなかなか考えられないのであろう。ラフマニノフのピアノ協奏曲が効果的。

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　リチャード(トム・イーウェル)の妄想は私の妄想をさらに上回るものとして同類の安心感を覚える。あれだけ可愛い若娘から声をかけられれば、勘違いもするだろう。しかし男はなぜかいつも夢見心地な生き物。そんな単純な物語だ。
　地下鉄の風でスカートがまくれるシーンはもっと脚が見えるのかと思っていたが、実際は思っていたよりまくれ方が少なかった。まあこのくらいが妄想家には良いのかもね。
　いまやこんな古い映画でもBlu-rayの鮮明さで観られるので、マリリンの肌の臭いまで漂ってきそうな映像の艶やかさだった。これも独断と妄想か…。★★★★

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真面目で小心者のリチャード氏が天真爛漫なマリリンと映画を見に出かけました。
ラブロマンスかと思いきや、なんと「大アマゾンの半魚人」
当時のポスターをみると、全身鱗でおおわれた河童のような怪人が水着姿の美女を襲っています。
この怪人こそ、浮気を罪悪と思っているリチャード氏の中に潜む浮気をしたくてムズムズitchしているリチャード氏なのです。
水のイメージはオールでも表現されています。
私はこのオールがずっと気になっていました。
水から出たり入ったりするオールは善いリチャード氏と悪いリチャード氏に分裂した自画像であって、同時に、天あるいは二階に向って伸びるベクトルと床に向って垂れ下がるベクトルも表現しています。
リチャード氏が小さな紙袋でオールを包もうとして破いてしまうシーンは笑えますね。

ごく普通のサラリーマン（トム・イーウェル）が妻の留守中、同じアパートの美人（マリリン・モンロー）に浮気心を起こす。しかし小心者の彼は想像ばかりが先走り、なかなか一線を越えられない．．．
単純なストーリーながら、主人公リチャードの妄想とモノローグが効果的に挿入され、粋な風俗喜劇に仕上がっています。
ブロードウェイで大ヒットした舞台劇の映画化ですが、何といってもこの映画を有名にしたのは、地下鉄の通風孔からの風で、モンローのスカートがまくれ上がるシーン。
当時のモンローは人気絶頂で、この映画の宣伝効果を狙った２０世紀フォックスが事前に撮影予定を発表したところ、深夜の撮影にもかかわず、２００人以上のカメラマンと、２０００人を超える見物人が詰めかけたというから驚きです。モンローはこの作品の成功で、アメリカ大衆文化の象徴となったのです。
当時は先進国のアメリカでさえ、まだ一般家庭にクーラーが普及していなかったといいますから、劇中、Ｔ・イーウェルの部屋を訪れたモンローが、クーラーを珍しがるというシーンがあります。
そして少しでも夏を涼しく過ごすために、冷蔵庫の中に下着を入れて冷やしたり．．．今ではとても考えられないことですが、１９５５年（撮影は前年）という時代背景を鑑みれば、当然のことだったのでしょう。
名監督ビリー・ワイルダーの辛辣なユーモアが最大限に生かされ、洗練されてウィットに富んだコメディの名作です。