人生はビギナーズ

犬を含めて俳優がよかったですね
ユアンの中性的な優男みたいなところがキャラクターとベストマッチでした

内容的にはまぁまぁでしたね
思い出と現実が交錯するもこんがらがっていなくて見やすかったですしね
映像的な視覚効果もまぁまぁよかったです

親父さんの存在が映画としても俳優としても大きいです

オシャレでクールな人生やり直しの物語です。御年75にしてゲイを告白する親父と恋愛に臆病な息子、それぞれの「ビギナーズ」な生き方を描きます。
親父が美術教師（だったかな？）で息子がアートディレクターという設定なので、どうしてもオシャレで洗練された空間が目立ってしまいます。監督もアート系の人らしく、その生い立ちのためか、あるいは狙っているのかは定かではありませんが、ポップでキッチュな映像が印象に残ります。親父はゲイを告白し最愛の伴侶を迎え入れることができ息子は映画女優（の卵？）と良い関係になるのも、極めてアーティスティックではないですか。しかし、出来過ぎですかね。
でも、いやらしさがないんですね。透明感はバツグンです。よく考えたら75の爺さんと40前の男やもめなので、現実的に描いたら惨めったらしい、という前にキタナイです。映像化するにあたり、そこらに配慮が働いたのでしょうか。人物設定もまた、皆がいやらしくない人達です。意見の相違で、すったもんだはあっても、皆がそれぞれに気遣っているので深刻な事態に陥ることはありません。息子と女優の顛末なんて、喧嘩はすれど結局は○○○○○で、まるで10代の恋愛を見ているようで気恥ずかしいです。でも、それがまた心地良いのですが。
人物像に重みがなく、映像市場に流通すべき価値としての記号でしかない、そういう誹りもうなづけはします。しかし、75の爺さんの一大決心であるカミングアウトを小奇麗に見せた、そう思えばよく出来ていると思えます。しかし、爺さんを当て馬的にしか用いておらず、結局は息子の恋の行方が中心に置かれるのは気に入りませんね。
爺さんの奥さんと息子の関係も面白可笑しく描写しているが、息子の精神形成に著しい影響を与えたのを上手く印象付けていると思います。犬も面白いしね。
人生はいつでもやり直すことが出来る、または人生を真面目に過ごす人はいつでもビギナーズである、そういう趣旨はよく伝わる物語であると思います。

うう〜む。

これってモデルさんやファッションリーダーと呼ばれるタレントさんの「自分本」って感じかなぁ。
「これが、わたしのスタイル」的な（笑）。
あくまでも個人的な感想ですが、「オハナシ」じゃなくて「カタログ」な感じ。
「小説」じゃなくて「雑誌」のエッセイ・・・かな。

そんな訳で内容的には特に「何か」を言ってる訳ではないと思う。
（自分の親の苦悩をネタに何かを言ってるフリをしてるところは、ちょっといただけません）
でも、これはこれで「観る」愉しさはあるし、ここからメッセージを読み取ることも勿論できるし、
なかなかに洗練された「表現」ではあるよね〜、と。

私としてはワンちゃんがかわいいから、もう、それだけでいいっす（笑）。

ナイーブな所で好き嫌いが分かれそうな気もするけれど、私は大好き。見る事が出来てよかった。
センスの良い監督と、女優のメラニー・ロランに惹かれて選んだ映画でした。
人生はみんなビギナー。だからこそ怖がらずに一歩を踏み出す事が大切。

脇役だけれど母親のキャラクターも印象的だった、笑顔を見る事が無かったのは寂しいけれど頭が良くてユニークで魅力的な感じが伝わってくるような気がした。
ワンコは最高にかわいかった。

一見奇をてらっていそうなユニークな設定でありながら、はじまってすぐにその少しだけファニーな世界に引きずり込まれてしまうスマートさ。『サムサッカー』よりもスムーズに深く優しく語られる、邦題以外は全部が愛しいマイク・ミルズの世界。