アウトロー

イーストウッド監督の西部劇２作目。彼は尊敬する恩師セルジオ・レオーネ監督へのオマージュを織り込みながら、往年のマカロニ・ウエスタンの雰囲気も残しつつ、西部劇の本質を捉えようとチャレンジしている。時代背景は南北戦争末期で、
妻子を殺された農夫（主人公のイーストウッド）が復讐を遂げるまでを、インディアン、コマンチェロ、酒場の女など、多様な人物をからませながら、西部劇の必須条件である「ヒーロー像」を追求している。これは紛れもなく、９２年のアカデミー賞作品賞受賞作「許されざる者」に繋がっている。１７０分あまりの収録時間は長く感じない。また、本作はフィリップ・カウフマン監督が脚本を書き、自らも監督する予定であったが、イーストウッドと衝突し、降ろされる羽目になったようだ。カメラはイーストウッドとのコンビが長いブルース・サーティース。

やれ二十日に入った深夜残業 朝まで うんじゃり

仕事場に来るまで アウトロー見てて すっかり忘れていたね
インディアンのおばちゃん出て来たとこで思い出した

さて みんな 主人公が唾をペッペ吐いてると言及してるけど
ありゃ 噛みタバコなのかあでも絶対 ビーフジャーキー入ってるw

家族を殺された男が復讐のために一人で生きていくことを決めた…
というとなかなかベッタベタな雰囲気ですが、
そこはさすがイーストウッドと言うんでしょうか。
舞台背景は完全に西部劇だし、ドンパチも結構あるんですが、
実はロードムービー＆家族愛みたいなものが主体なので、
今の時代に生きるナウな現代人にも親しみやすい内容なう。全然なうじゃないけど。

ベースが復讐とは言え、ジョージーさんは立派な賞金首として
行く先々で顔が売れちゃってる有名人さんなので、
“追う側”としてジリジリ追い詰めつつ待ってろよ、という話ではなく、
どちらかと言うと逃げ続けながらチャンスを待つイメージ。
元々一匹狼的な雰囲気のジョージーさんですが、
同じく“ワケあり”な人たちが不思議と回りに集まってきます。
それも彼自身が求めているわけではなく、成り行きで集まってくるんですが、
そこでも馴れ合う感じではなく、「ついてきたければ好きにすればいい」的な
アダルトな魅力が満載な感じが西部劇っぽくてイイ。イーストウッド、ブイシーです。

そんなワケあり軍団として旅をしていくうちに、軍団がやがて家族となり、
やがて決着の時がきて…というお話ですが、
結末は僕の想像とはちょっと違っていて、そこが「ほほぉ、なるほど」と。
ネタバレ回避のためにあんまり書けませんが、
終盤の「テン・ベアーズ」との対決の辺りからかなり味わい深い展開が続いて、
そこで「おおー、いいなさすがイーストウッド」って感じになりましたねぇ。

非常に静かで、でも芯の強い男が、その信念を背負いながらどう生きていくのか、
という結構重たそうな根っこの部分を、
うまく西部劇のエンタメ性に乗っけて美味しい料理に仕上げましたよ、という印象。
僕のように、ステレオタイプな西部劇のイメージで
「今更観てもイマイチ面白くないんでしょ？」なんて思ってる人でも、
十分に楽しめる映画だと思います。
特に生き様的に男性が観るにはすごくいいんじゃないかと。
（監督として）初期のイーストウッド映画と言えると思いますが、
演出といい味わいといい、しっかり「イーストウッド映画」してます。
この人の映画が好きなら、観て損は無いんじゃないかと。

ウェスタンで。
噛みタバコで。
無口で。
凄腕の早撃ちで。
復讐で。
アウトロー。
六面体。
さて、あと何が必要でしょうか？
この六面体の名称はクリント・イーストウッド。
さて、あと何が必要でしょうか？
クリント・イーストウッドとして、完璧なサイコロです。
ウェスタン・ワールドに立つクリントとして、完璧な六面体です。
イーストウッド個人としては申し分ない。
長すぎるトータルタイム。
骨格は素晴らしいのに、もうちょいそのポテンシャルを活かしきれてない演出。
しかし、その世界にひとたびクリントが降り立てば、なんとかなっちゃうという結果。
監督も務めるイーストウッド。
別の監督ならもっとテンポも良かったのか？
イーストウッドの私的なパワー、個人的思い入れが強すぎて、ちょっとバランスが悪くなった・・・・そんな感じもあるような。
余韻を残すステキなシーンも多々あっただけに、トータルとして最上級に感じられなかったのが惜しいです。
クライマックスのバトルなんて、もうミラクルすぎるでしょ・・・
味方全員、銃のエキスパートかってぐらい一発必中（笑）
当たる当たる。
どんどん当たる（笑）

全体的にバトル&銃撃シーンはショボイです。
クリントの描きたかったところは、そううとこじゃないんでしょうね。

噛みタバコ。
キライですねぇ。
きったねぇし・・・
だけど気になっちゃう・・・
だから観ちゃう・・・

私的クライマックスは「先住民のジジイが偵察してる所からズリ落ちる」シーン。
あれは「神降臨」でしょ（笑）
あのズリ落ちるポーズ。
その速度。
こんな映画で爆笑するなんて・・・
何回か前に戻してリピートしてしまった。

ちょっと長くて私には飽きてしまった。
単に家族を奪われた復讐の物語ではないのだろうけれど、
結局綺麗な白人女性に惹かれてしまうと思うと残念。
最初の方で息子のような影を見るところとかは、渋くて
なかなか良かったし、阿吽の呼吸で銃を抜く様とかも
イーストウッドらしいなぁと思う。
彼が好きな人には、楽しめるのかも。