Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル

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星★★☆☆☆です！

「この３人のキャラクター紹介エピソードはいつまで続くんだろう」と思っていたら
かなり時間が経過したところで「ずっと本筋だったんじゃなかったのか？」と
馬鹿丸出しに気付いた。

「こんな真相だったのか！」と驚かせるつもりの作りではないのだろうが
後半の小出しに真相が明らかになっていく様はもう消化試合にしか見えなくて。

ラスト、２人が握手するシーンは良かったんだけど、
クレジットに入った途端に素っ頓狂な音楽が流れ出して、
つくづく私とは縁のない映画だったんだなぁと思い知らされた。

　ロサンゼルスの内幕という意味なのだろうか。娼婦役キム・ベイシンガーの色気が目を引く。孤独、腐敗、冷酷、残忍、階級差、欲望、これら人工的建造物が都市だ。１９５０年代「花の都ロサンゼルス」というのは一握りの幻想であろう。はたして正義か悪か。人間の良心の心理的闘いを、３人の刑事を通して描く、スリリングにしてミステリー。面白いのだけど、登場人物の名前と関係が頭に描けないので、このような複雑さは私はちょっと苦手だった。評判が良いだけに、面白みが味わえなかったのが残念。どんでん返しもアメリカンドリームの得意とするところ。ミステリーものはアイデア先行が気になるところだ。裏を返せば娯楽的とも言えるのだけど。ノワール映画の定義はよく分からないが、私は警察腐敗よりマフィアものが好きかな。★★★

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後半はけっこう面白い。
昔に観たのだが、観たことも忘れていた。
唯一記憶にあったのは、ケヴィン・スペーシーが「ロロトマーシー」と言って死ぬシーンのみ。

プロットはかなり複雑で、登場人物が多い。なのに、前半はセリフで事件の内容を語るシーンばかりで、名前を言われてもだれのことなのかわからない。何回か巻き戻して少しわかったが、いまだにちょっとモヤモヤしている。で、実際にだれが何をしていたのかよくわからないまま話はどんどん進展していくのだが、ラストには、だれが悪玉でだれが善玉かははっきりするし、悪玉はみんな死んでしまうのでそれらのひとりひとりが何をしていたのかまではわからなくてもいいやって感じになる。一応溜飲もさがる。

ラッセル・クロウとガイ・ピアースが正義のために戦うスーパー刑事を演じているが、そのあたりが古さを感じさせる。最近の刑事モノには正義のために戦う刑事はほとんど出て来ない。世の中がまだマシだった時代の映画っていう感じがした。

Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル（１９９７年アメリカ、カラー１３８分）

個人的な話で恐縮ですが、私は毎年末、「勝手に選ぶ映画ベスト１０」なるものを自選し、自己満足に浸っている。最近ではこの映画が選に漏れてきているが、公開直後から１０年ほどは、毎年ベスト１０に入れていた作品。

５０年代のロサンゼルスを背景に、熱血刑事たちの悪との闘いを描いた犯罪捜査ドラマ。
端的にいえばこうなる。だが、そんなもんじゃない。この映画はシビレる！　骨の髄からシビレる！
この映画の良さは、敬愛する「ちゅく」さんのレビュー、「わが幻想の都市【２９】ロサンゼルス」にポイントが書かれています。
私が感じたこと、書きたいことをすべて書いておられます。

それでも今回久しぶりに再見し、新たな感動が沸き上がる中、何か書きたいんですよね。
９７年の映画ですが、１９９８年度キネマ旬報ベスト・テン第１位です。
しかし第７０回のアカデミー賞では、作品賞にノミネートされてはいるものの、オスカーは「タイタニック」にもっていかれました。本作のほうがよっぽど作品賞に相応しいと思うのですが。

ラッセル・クロウが本作で一躍トップスターへと躍り出るわけですが、この映画での彼の風貌（スタイル）が気に入ってます。
短髪に、短めのタイ。短めというのは、ネクタイの１番下の部分が、ベルトよりもやや上のあたりに落ち着いている（ちょっと上すぎない？）ところ。そして、タイの真ん中あたりにタイピンを付けている。
勿論、ズボンも短めで、ビシッと折り目の線が通っているかんじではない。歩くとヒラヒラ揺れる感じ。
これがいいんですね、５０年代はきっとこうだったんだろうな．．．そう思えてくる。
９５年「クイック＆デッド」や、９５年「バーチュオシティ」といった作品にも出ているが、準主役級手前の立ち位置で、やっぱり本作が出世作品。

ガイ・ピアースもわるくはないんですが、やはりクロウに軍配！
そして名優ケヴィン・スペイシーも、クロウに食われている感じで、むしろジェームズ・クロムウェルの存在感が際立っている。

そして何といってもキム・ベイシンガー。
５０年代のハリウッド女優そっくりの、高級娼婦役を艶っぽく演じている。つまり彼女、ヴェロニカ・レイクに似せているのですね。
＜ヴェロニカ・レイク：４２年「拳銃貸します」、４６年「青い戦慄」＞
ベイシンガーの濃厚なセックス・アピール、そして、いつキレるかわからないスリリングな女性、彼女の本作への貢献度は高い。

他の共演陣も豪華メンバー、そしてスタッフも名士揃い。
いい映画の生まれる条件．．．これまた「ちゅく」さんが核心を突いておられます。

これは確かに面白い。あまりにも出来すぎている物語の進行なのではありますが、そんな「うまいこといきすぎ感」をあまり感じさせずに最後まで突っ走っていきました。登場人物がそれぞれいて、それぞれがそれなりの役割なんで名前がちょっとわけわからんようになってしまうのは、英語ができないせいなんでしょう。しょうがない。

ラッセル・クロウが若くてかっこいい。ゴツゴツした役をさせるといいですね、一方、ケヴィン・スペイシーもなかなかの役割。その分、物語の主軸にいるべきガイ・ピアースがあまり目立たなく感じてしまいました。ラストもなかなかいい終わり方。私は好きだな。

たまにはこういう物語をじっくり楽しめる、また濃いぃ映画を観るのはいいですね。リラックスして観るもんではなく「よし、映画観よう！！」という気持ちで観るべき映画でした。