ハングオーバー！　消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

「消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」なんて、説明調子のサブタイトルがついていると、
ロクな映画じゃない場合が多いけど、ゴールデングローブ賞はダテじゃないおもしろさです。

３人の男がなんやかやとやるとか、二日酔いでやったこと覚えてなくてとか、
バッチェラパーティで羽目をはずし過ぎたとか、ドタバタコメディのセオリーは十分に踏んでいるし、
あれ・・・この感じどっかの映画で見たような・・・というのも結構あるのに、
なんかとっても新しい感じで、最高におもしろかったです。
もう一回乗ったら、気持ち悪くなるくらい乗ってしまうローラーコースターのようでした。
だから、エンドロールまでしっかり見たのに、もう一度続けざまに見てしまいました。

恥ずかしながら、この映画で、ブラッドリー・クーパーにぞっこんになりました。
ボケのデブ、マジメのメガネにはさまれたから、余計色男ぶりが顕著になったせいかもしれないけど、
映画を見ている２時間で、最近の彼のご活躍に納得しました。
２も楽しみです。

へザー・グラハム、相変わらずかわいい。
結構年齢いっているはずなのに、全然変わらないし、
この映画の彼女、おいしくていい役だし、サービスショットもあります。

アメリカのコメディ映画はチャップリンなどをえてルヴィッチの洗練を極として　後は堕落の一途をたどってきた　その後のバカ映画はアメリカ人はバカばかりの風評被害を生むばかり　その中でウエス・アンダーソンの優雅さは格別　どうどう映画は退屈でかまわないと宣言するようだ　ウエスとは別にそんな中で大ヒットを伴って新しいコメディの試行を成功させているだろう　この映画は野心的だ

冒頭のデブチンのケツ割れサポータからは嫌な予感なのだが　それを上品に映すのが撮影の確かな絵作りだ　デジタル撮影だろうが立派なものだ　この絵が崩れるかどうかがこの映画の肝なのだ　それは高級ベンツのグラントリノのような優美な質感が　映画の進行と共にボロボロになっていく　その過程の丁寧な描写などにも表われているだろう　説話論的持続と連動した絵作りの妙味

アメリカ男子の独特の習慣なのか結婚前の独身者のパーティ　これが結婚後だと　あの素晴らしいジョン・カサベテスの「ハズバンズ」になるのだが　こちらの独身者たちもまた負けず劣らずはちゃめちゃ　ベガスだからのドタバタ劇　しかしこの映画の何かが違うってのは　突然時間がすっ飛んで　花婿が消えての謎の設定　これが監督が仕掛けた観客へのゲームへの誘い　それは映画評価を巡ってテンションとバランスをどこまで維持できるかの真剣な挑戦だろうか

記憶が飛び　四人は三人となりと　ここでの副主題は歯医者の歯が欠けるがそうだが＜欠損＞である　記憶が虎が赤ちゃんが８万ドルが　そして花ムコがそれぞれの誰かから奪われるのだ　だいたいベガスのゲームが最後になるまで映画から疎んじられる　そして主人公までが映画から消えているのだ　逆に言えばその欠けを映画が１００分かけて埋めていくのだ　最後に花嫁は無事花ムコを迎えるだろう　この映画は画面から花婿が消えて　花嫁の元に再登場するまでの物語だ　最後まで崩れなかった絵作り　撮影が花嫁をフィクスで美しく捉えるだろう

独特の新しい感性のアメリカ喜劇は今後に期待高まります　このコメディには何か描写にリアルな感触があって　それは例えば歯の欠けなのだが　どうやって撮ってるのかしらCGかな　気にかかるのですね　ははは

独身最後のバチェラパーティーでのドタバタ珍道中を描いた、これまで多く取り上げられてきた、いかにもアメリカンコメディーといった内容です。

ただし、他のこの手コメディーは、小ネタ一辺倒で、セクシーで下品なネタを前面に押し出して、力技で笑いを取りにいく作品が多いように思いますが（ちなみに、そんな力技コメディーに限って、最後無理やり感動的にハッピーエンド…）、
本作は、もちろん小ネタも多く笑えますが、ストーリーがしっかりしていて、その展開が笑えます。謎解きをしながら話しが進んでいきますが、その答え(展開)がことごとく笑えてきます。あり得そうで、無さそう、なんだけどやっぱりあり得そう、みたいな。
（それがこの映画のイイところで、ゴールデングローブ賞という結果だったのかもしれません。）

で、作品中にばら撒いた伏線や謎は、ラストのラストでしっかり精算してくれるところも、気持ちいいです。あくまでもコメディーですから、謎を残されると消化不良を起こしかねませんからね。

ぶっ飛んだ内容ですが、実は地に足の着いた堅実コメディーだと感じました。


ヘザー・グラハム、もうそこそこいい歳なんだろうけど、可愛すぎです(笑)

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結婚を2日後に控えた親友のために独身最後のパーティーを楽しんでたら記憶ぶっ飛んでしまって、花婿失踪してしまって探し出す話。

　記憶をなくして、一体一晩で何があったのか？　というのを予想外の展開が次から次に起こって、それにびっくりのリアクションをする主人公たちに笑えてアメリカンなコメディで楽しかったです。

　起きたら、ホテルのトイレに虎がいてクローゼットには知らない赤ちゃんがいて、自分の歯がなくなっていたり、結婚指輪がなくなっていたり。そして花婿が消えたので探しに行く旅が始まると、昨晩知り合ったらしいいろんな人たちが情報を与えてくれて次の展開へと繋がっていくという。記憶を取り戻していて、パズルのピースがハマっていくという気持ちよさ面白さがある作品でした。

　100分ほどの映画でしっかりとした3幕構成ですが、花婿が失踪するまでが個人的には長く感じてしまいましたが、アメリカのコメディ映画でしっかりと笑わせてくれる作品でした。

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私、かなりの酒飲みでして、回数も量も多いんですが、次の日まで酒が残ることはあっても、飲んでる間の記憶が残って無いという経験をしたことが無いんですね。やったことも言ったことも全部覚えてる。それじゃあシラフの時と変わりが無いのか？というとこれが全然違う。シラフじゃとてもやらないこと、やれないこと、言わないこと、言えないことバンバンやったり言ったりしてる。バチェラー・パーティーほどじゃなくてもかなり別人格になってますね。それを全部覚えてるってのは実は非常に具合が悪いですねぇ。どっちが本当の貴方なの？って言われても答えようが無い（笑）。どっちも私だ、って居直るしかない。
この映画なかなかよく出来たコメディだと思います。「笑いとは日常性からの逸脱である」と言ったのはベルグソン先生だったか、とにかくバチェラー・パーティというのは「日常性」の権化とも言うべき「結婚」を目前にして最後の「逸脱」を楽しむ機会なのですから、コメディ作者が「笑い」を取るには最適のシチュエーションです。しかし凡庸なコメディ作者が常に忘れてしまうのは「日常性」即ち「シラフ」の時の人物のキャラをしっかり描くことなんですね。「日常性」がしっかり描けて初めてそこからの「逸脱」が「笑える」。「バカがバカやって」も面白くないんです。
この映画の主役の「３バカトリオ（ポッシュさん）」の中でデブのアランだけは酒とクスリでトンじゃってもシラフの時とあまりキャラが変わらない（元々「常識」から逸脱してる）。最も「逸脱」しちゃうのはメガネの歯科医ステュで、イケメンのフィル（ブラッドリー・クーパー）はその中間でしょうか。従って「笑い」を取るのは専らステュです。アランにしてもトンじゃってから「意外に」常識的なキャラが垣間見えて来るところが「笑える」んです。
しかし、何と言ってもこの映画の「上手さ」（コメディとしてでは無く、ドラマとして）は全員がトンでる間の記憶を失っているところなんですね。人間記憶に無いことは責任取れない。事実としてはどれほど日常性から逸脱したとしても、何食わぬ顔でまた日常性に戻って行ける。そこが観客（特に女性）から好評な理由でしょう。フィルも、ほとんど登場しない花婿ダグも、イケメンは「ちゃんと帰って来る」からイケメンなんです。ステュのように「逸脱」を引きずったまま日常に帰って来るのは実は反則なんですが、そこはステュの「日常」側の恋人を思い切りブスキャラに設定して誤魔化してます（笑）。
普段コメディ苦手な私もかなり楽しめた映画ですが、やはり私のようにトンでる間の記憶が残ってしまう人間はそう簡単に「笑って」済ませるわけにはいかんなぁとも思いましたねぇ（笑）。