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ガタカ / イーサン・ホーク

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「ガタカ」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

遺伝子操作により管理された近未来。宇宙飛行士を夢見る青年ビンセントは、劣性の遺伝子のため希望の無い生活を送っていた。そんなある日、ビンセントは闇業者の手配により、事故により身障者となった優秀な遺伝子をもつ元エリート、ジェロームに成りすます偽装の契約を結ぶ。そうして、ジェロームの遺伝子を借りてエリートとなったビンセントは、宇宙飛行施設“ガタカ”に潜り込む。が、そんな中、彼の正体に疑いを持っていた上司の殺人事件が起こり……。

「ガタカ」 の作品情報

作品情報

製作年:

1997年

製作国:

アメリカ

原題:

GATTACA

「ガタカ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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ミッドナイト・ガイズ

アルゴ

イグジステンズ

ビッグスターへの軌跡 2

ユーザーレビュー:219件

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16〜 20件 / 全219件

カルマ

投稿日:2012/05/14 レビュアー:パンケーキレンズ

宇宙服もロケットも出てこないのに
近未来的物質は、何も出てこないのに
逆に、車はレトロでさえあるのに
ここまで、近未来の空気
必要不可欠な、無機質な雰囲気がどこからともなく香ってきて
それでいて
科学の限界
人間の無限の可能性

ズバっと踏み込んでる・・・

ジュード・ロウは、近未来の住人として、すこぶる魅力的です♪

銀メダリストの、銀であるが故の宿命が切なくて
“神の子”と“科学の子”という対比の元で
己の可能性をどこまで見出すのか・・・
限界や見切りに辿り着くまでの、執着を描きながら
人の生々しさが前面に表れた、良質のSFだと思いました☆

命を懸けて海を泳ぐシーンが、また、たまりません・・・

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傷つきながら ネタバレ

投稿日:2009/07/23 レビュアー:よふかし

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 細部には不満が残るけれど、とても印象的な作品です。
 不満というのは、たとえばアーネスト・ボーグナイン(イーサン・ホークの清掃員時代の上司)を使っておきながら、どうしてあの程度の扱いで終わってしまうのか、といったもの。あるいは、ラスト近くの医師の好意の甘さ。つまり、こうすればもっと面白くなったのに……と感じるところがいくつかあるのですが、実のところ、あまり作品の傷にはなっていないと思います。

 世界観が魅力的です。近未来という設定ですが、この街に軽快さや明るさはありません。どこか、どんよりとした空気が漂っています。人々の抑制された感情、変わらない表情は、冷静というより、諦めがこの世界を覆っていることを感じさせます。屋外でも屋内でも、夕方のオレンジ色の光線が美しく効果的に使われていることも合わせて、否応なくこの世界から希望が失われ、滅びの段階に入っていることを感じさせました。
 滅びゆくこの世界から、ロケットに乗って逃げだすことだけが、希望である――そんな感じを受けます。
 しばしば、チープだということが言われるのですが、この作品から感じられる「狭さ」は、登場人物たちを押しつぶすシステムの重さを表現し得ているようにも思えます。偶然かもしれませんが、この作品のチープさは、実は美点なのではないでしょうか。
 DNAの解析ですべてが決まってしまう、そんな馬鹿馬鹿しいことになれば世界は確かに希望を失い、やがて滅びるでしょう。この映画におけるイーサン・ホークの輝きは、彼ひとり滅びに背を向けて、人間らしく生きようとしているからでしょう。彼は、偽装のために多大な労力をかけなければならない、その行為はどこか滑稽ですらあることが、人間味を感じさせもします。検問にあってコンタクトレンズを捨ててしまい、道路を渡れないなんて、ほとんどコメディみたいですよね。
 では、この映画で僕がもっとも心惹かれるキャラクターである、ジュード・ロウの輝きはどこにあるのだろう? と自問します。なぜエレベータがないのかということは抜きにして、ロウが手だけでらせん階段を上るシーンはやはり感動的で、何度も思い返してしまいます。
 解釈は人によって違うと思いますが、ロウがホークに協力するのは、僕は、必ずしも報酬とか友情のためではないような気がします。完璧であったはずの彼は、こころに空いた小さな穴のせいで、自らを傷つけ、レールを外れるに至りました。その空虚をやはり埋めずにはいられなかったのではないかと感じています。
 ホークは理不尽な社会への怒り、ロウは埋めがたい虚しさを抱えている。背景の異なる二人の対比が、とても効果的だと思います。そして、どちらも傷つきながらも、システムに抗して個を貫いた姿が、とても魅力的です。70点。

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運命は変えられる!

投稿日:2009/03/03 レビュアー:飛べない魔女

人の一生は遺伝子にあらかじめ組み込まれているという。
いつ病気して寿命はどれくらいか、生まれる前からだいたいの一生が決まるという事実。
でもそれを私たちは知ることなく生きているから、あらゆる可能性を目指して努力もできる。

そう遠くない未来という設定。
制作年度が1997年だから、2009年の今がまさにそう遠くない未来だったかも。
でも人類はそこまで浅はかでは無かった。
遺伝子科学が発達した今でも、こんな風に生まれながらにして、適格者・不適格者に分けらてしまう社会には幸運にもまだなってはいない。

どんなに適格者でエリートだったとしても、怪我をすればただの人。ジェロームのプライドと希望はビンセントに託されたのだ。
夢を最後まであきらめないビンセント。優しい人の助けもあり、自分自身の力だけで勝ち取った勝利ではないにしろ、水泳で弟を負かすことが出来たことで自信を持った彼のその姿勢が素晴らしい。
諦めなければ可能性はあるのだ。。ということをこの映画は教えてくれる。
ラストのジェロームの選んだ最後は何とも空しい。
金メダルを常に目ざしてきた人間の選択としては悲しすぎる。

随分前に鑑賞していたので、詳細はほとんど覚えていなかった。
今改めて新鮮な気持ちで再鑑賞できた。
また見て良かった。

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「最も現実的なSF映画」

投稿日:2018/03/21 レビュアー:カマンベール

1997年(アメリカ/106分)アンドリュー・ニコル監督

20年程前の作品です。
どこが「現実的SF映画作品」と呼ばれる由縁なのか?

子供が出生前に選別されている・・・所だと思います。

不適正者と呼ばれるヴィンセント(イーサン・ホーク)は、
………………………ごく普通の男女の生殖により産まれ
………………………重い心疾患を抱えており寿命30歳
適正者とは・・・・試験管ベイビーであり、強靭な肉体、優秀な知能
………………………かつ外見も美しく高身長で白人。

不適正者であるヴィンセントは宇宙飛行士になる夢を叶えるため、
適正者なのに自殺未遂で下半身不随の身障者となったジェローム・ユージーン・モローの生体ID(血液・指紋)を買い取り成りすまして、
ガタカ(宇宙研究所・・・NASAのような)の一員となっていて、
そして正に、4日後にはタイタンへの打ち上げの一員として、
宇宙へ飛び立とうとしているのです。

しかし直前にジェロームに成りすましたヴィンセントを、経歴詐称者と
疑う上司が殺されてサスペンス色が色濃くなっていきます。

ヴィンセントは無事に宇宙へ飛び立てるのか?
そして不適正者に「未来」は約束されるのか?
2つの期待で胸が熱くなります。

現在では「出生前診断」が身近になり、胎児の先天性・遺伝性の病気・
奇形や染色体異常を調べることが、かなり一般的になりつつあります。

さらに現実性を与えている「ガタカの社屋」は、フランク・ロイド・ライトの設計したカリフォルニア州マリン群のシビックセンターであること。
なども如何にも「現実的SF作品」であります。
「こうなっった未来」がありそうと思わされ「神の身技」である出産が
「科学の手」にもう既に半分くらい手渡されていることに、あらためて戦慄を覚えました。

そして主演の3人、イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマンの余りの若さと美貌、スリムさに21年の年月を感じました。

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不適性者でも自分でいたい。 ネタバレ

投稿日:2010/03/11 レビュアー:港のマリー

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 「空海」などというありがたい映画を見た後だったから、本作の息苦しいまでのデリケートさが痛々しかった。主人公ビンセント(イーサン・ホーク)は出生時の遺伝子検査で躁鬱病の確率46%とか宣告されていたけど、アンドリュー・ニコル監督は鬱の傾向、大と見ました。(映画診断)

 遺伝子よりも結局意志と努力が勝る、希望を捨てるなという明るいメッセージに一応導かれるはするのだが、道具立てはひたすら重苦しく暗く冷え冷えしている。
 遺伝的な資質の良し悪しで生まれるとすぐ「適性者」と「不適性者」が選別され差別される近未来のこと。他人様の血やお小水を譲り受けてまでなりたかった宇宙飛行士、入社したかった宇宙飛行施設「ガタカ」。そこでビンセントは自分のものは髪の毛一本、ふけ、垢の類まで落とさないように緊張しっぱなし。譲った側の元水泳選手「適性者」ジェローム(ジュード・ロウ)にも悩みがある。遺伝子的に完璧なはずなのに結果がついてこなかった。脚の自由を失ったのもほんとうはそのためだ。遺伝子を軸にこの二人の自己同一性が揺らぐようすは繊細だった。ビンセントの恋人(ユマ・サーマン)まで実は遺伝子検査で病気を予言された女性で…。
 登場人物がみな内にこもり、鬱々として何かを怖れているように見える。それは結末まで変わらない。

 おそらく遺伝子の解析や操作可能性によって「人間」や「私」の土台が大きく揺らいでいるのが現代だということなのだろう。ガタカのように遺伝情報だけがその人だと決定するのはもちろんおかしい。ビンセントも検査のためにジェロームの遺伝情報を借りただけであって、タイタン行きをかちえたのは本人の努力だろうに。しかし映画はそのことはあまり強調しない。遺伝的に優秀なはずの弟との遠泳に勝ってもすっきりしない。最後まで遺伝子、というか人間の外にあって人間を決定してしまう何かに、強く囚われているように見える。宇宙への旅立ちもその何かから逃げるかのようだ。いや、生命の源への回帰とかのモノローグがあったから、そこへ戻るつもりなのだろうか。どちらにせよもの悲しい旅立ち。

 若い方がご覧になれば感慨深いものもあるかもしれないが、遺伝子検査などせずともレントゲンやCTスキャンやMRIで「寝たきりになる」とか「歩けなくなる」と“予言”されてしまう年代、もう面倒なことはしたくない。INVALIDな自分と付き合っていきます。

 

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16〜 20件 / 全219件

ガタカ

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カルマ

投稿日

2012/05/14

レビュアー

パンケーキレンズ

宇宙服もロケットも出てこないのに
近未来的物質は、何も出てこないのに
逆に、車はレトロでさえあるのに
ここまで、近未来の空気
必要不可欠な、無機質な雰囲気がどこからともなく香ってきて
それでいて
科学の限界
人間の無限の可能性

ズバっと踏み込んでる・・・

ジュード・ロウは、近未来の住人として、すこぶる魅力的です♪

銀メダリストの、銀であるが故の宿命が切なくて
“神の子”と“科学の子”という対比の元で
己の可能性をどこまで見出すのか・・・
限界や見切りに辿り着くまでの、執着を描きながら
人の生々しさが前面に表れた、良質のSFだと思いました☆

命を懸けて海を泳ぐシーンが、また、たまりません・・・

傷つきながら

投稿日

2009/07/23

レビュアー

よふかし

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 細部には不満が残るけれど、とても印象的な作品です。
 不満というのは、たとえばアーネスト・ボーグナイン(イーサン・ホークの清掃員時代の上司)を使っておきながら、どうしてあの程度の扱いで終わってしまうのか、といったもの。あるいは、ラスト近くの医師の好意の甘さ。つまり、こうすればもっと面白くなったのに……と感じるところがいくつかあるのですが、実のところ、あまり作品の傷にはなっていないと思います。

 世界観が魅力的です。近未来という設定ですが、この街に軽快さや明るさはありません。どこか、どんよりとした空気が漂っています。人々の抑制された感情、変わらない表情は、冷静というより、諦めがこの世界を覆っていることを感じさせます。屋外でも屋内でも、夕方のオレンジ色の光線が美しく効果的に使われていることも合わせて、否応なくこの世界から希望が失われ、滅びの段階に入っていることを感じさせました。
 滅びゆくこの世界から、ロケットに乗って逃げだすことだけが、希望である――そんな感じを受けます。
 しばしば、チープだということが言われるのですが、この作品から感じられる「狭さ」は、登場人物たちを押しつぶすシステムの重さを表現し得ているようにも思えます。偶然かもしれませんが、この作品のチープさは、実は美点なのではないでしょうか。
 DNAの解析ですべてが決まってしまう、そんな馬鹿馬鹿しいことになれば世界は確かに希望を失い、やがて滅びるでしょう。この映画におけるイーサン・ホークの輝きは、彼ひとり滅びに背を向けて、人間らしく生きようとしているからでしょう。彼は、偽装のために多大な労力をかけなければならない、その行為はどこか滑稽ですらあることが、人間味を感じさせもします。検問にあってコンタクトレンズを捨ててしまい、道路を渡れないなんて、ほとんどコメディみたいですよね。
 では、この映画で僕がもっとも心惹かれるキャラクターである、ジュード・ロウの輝きはどこにあるのだろう? と自問します。なぜエレベータがないのかということは抜きにして、ロウが手だけでらせん階段を上るシーンはやはり感動的で、何度も思い返してしまいます。
 解釈は人によって違うと思いますが、ロウがホークに協力するのは、僕は、必ずしも報酬とか友情のためではないような気がします。完璧であったはずの彼は、こころに空いた小さな穴のせいで、自らを傷つけ、レールを外れるに至りました。その空虚をやはり埋めずにはいられなかったのではないかと感じています。
 ホークは理不尽な社会への怒り、ロウは埋めがたい虚しさを抱えている。背景の異なる二人の対比が、とても効果的だと思います。そして、どちらも傷つきながらも、システムに抗して個を貫いた姿が、とても魅力的です。70点。

運命は変えられる!

投稿日

2009/03/03

レビュアー

飛べない魔女

人の一生は遺伝子にあらかじめ組み込まれているという。
いつ病気して寿命はどれくらいか、生まれる前からだいたいの一生が決まるという事実。
でもそれを私たちは知ることなく生きているから、あらゆる可能性を目指して努力もできる。

そう遠くない未来という設定。
制作年度が1997年だから、2009年の今がまさにそう遠くない未来だったかも。
でも人類はそこまで浅はかでは無かった。
遺伝子科学が発達した今でも、こんな風に生まれながらにして、適格者・不適格者に分けらてしまう社会には幸運にもまだなってはいない。

どんなに適格者でエリートだったとしても、怪我をすればただの人。ジェロームのプライドと希望はビンセントに託されたのだ。
夢を最後まであきらめないビンセント。優しい人の助けもあり、自分自身の力だけで勝ち取った勝利ではないにしろ、水泳で弟を負かすことが出来たことで自信を持った彼のその姿勢が素晴らしい。
諦めなければ可能性はあるのだ。。ということをこの映画は教えてくれる。
ラストのジェロームの選んだ最後は何とも空しい。
金メダルを常に目ざしてきた人間の選択としては悲しすぎる。

随分前に鑑賞していたので、詳細はほとんど覚えていなかった。
今改めて新鮮な気持ちで再鑑賞できた。
また見て良かった。

「最も現実的なSF映画」

投稿日

2018/03/21

レビュアー

カマンベール

1997年(アメリカ/106分)アンドリュー・ニコル監督

20年程前の作品です。
どこが「現実的SF映画作品」と呼ばれる由縁なのか?

子供が出生前に選別されている・・・所だと思います。

不適正者と呼ばれるヴィンセント(イーサン・ホーク)は、
………………………ごく普通の男女の生殖により産まれ
………………………重い心疾患を抱えており寿命30歳
適正者とは・・・・試験管ベイビーであり、強靭な肉体、優秀な知能
………………………かつ外見も美しく高身長で白人。

不適正者であるヴィンセントは宇宙飛行士になる夢を叶えるため、
適正者なのに自殺未遂で下半身不随の身障者となったジェローム・ユージーン・モローの生体ID(血液・指紋)を買い取り成りすまして、
ガタカ(宇宙研究所・・・NASAのような)の一員となっていて、
そして正に、4日後にはタイタンへの打ち上げの一員として、
宇宙へ飛び立とうとしているのです。

しかし直前にジェロームに成りすましたヴィンセントを、経歴詐称者と
疑う上司が殺されてサスペンス色が色濃くなっていきます。

ヴィンセントは無事に宇宙へ飛び立てるのか?
そして不適正者に「未来」は約束されるのか?
2つの期待で胸が熱くなります。

現在では「出生前診断」が身近になり、胎児の先天性・遺伝性の病気・
奇形や染色体異常を調べることが、かなり一般的になりつつあります。

さらに現実性を与えている「ガタカの社屋」は、フランク・ロイド・ライトの設計したカリフォルニア州マリン群のシビックセンターであること。
なども如何にも「現実的SF作品」であります。
「こうなっった未来」がありそうと思わされ「神の身技」である出産が
「科学の手」にもう既に半分くらい手渡されていることに、あらためて戦慄を覚えました。

そして主演の3人、イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマンの余りの若さと美貌、スリムさに21年の年月を感じました。

不適性者でも自分でいたい。

投稿日

2010/03/11

レビュアー

港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 「空海」などというありがたい映画を見た後だったから、本作の息苦しいまでのデリケートさが痛々しかった。主人公ビンセント(イーサン・ホーク)は出生時の遺伝子検査で躁鬱病の確率46%とか宣告されていたけど、アンドリュー・ニコル監督は鬱の傾向、大と見ました。(映画診断)

 遺伝子よりも結局意志と努力が勝る、希望を捨てるなという明るいメッセージに一応導かれるはするのだが、道具立てはひたすら重苦しく暗く冷え冷えしている。
 遺伝的な資質の良し悪しで生まれるとすぐ「適性者」と「不適性者」が選別され差別される近未来のこと。他人様の血やお小水を譲り受けてまでなりたかった宇宙飛行士、入社したかった宇宙飛行施設「ガタカ」。そこでビンセントは自分のものは髪の毛一本、ふけ、垢の類まで落とさないように緊張しっぱなし。譲った側の元水泳選手「適性者」ジェローム(ジュード・ロウ)にも悩みがある。遺伝子的に完璧なはずなのに結果がついてこなかった。脚の自由を失ったのもほんとうはそのためだ。遺伝子を軸にこの二人の自己同一性が揺らぐようすは繊細だった。ビンセントの恋人(ユマ・サーマン)まで実は遺伝子検査で病気を予言された女性で…。
 登場人物がみな内にこもり、鬱々として何かを怖れているように見える。それは結末まで変わらない。

 おそらく遺伝子の解析や操作可能性によって「人間」や「私」の土台が大きく揺らいでいるのが現代だということなのだろう。ガタカのように遺伝情報だけがその人だと決定するのはもちろんおかしい。ビンセントも検査のためにジェロームの遺伝情報を借りただけであって、タイタン行きをかちえたのは本人の努力だろうに。しかし映画はそのことはあまり強調しない。遺伝的に優秀なはずの弟との遠泳に勝ってもすっきりしない。最後まで遺伝子、というか人間の外にあって人間を決定してしまう何かに、強く囚われているように見える。宇宙への旅立ちもその何かから逃げるかのようだ。いや、生命の源への回帰とかのモノローグがあったから、そこへ戻るつもりなのだろうか。どちらにせよもの悲しい旅立ち。

 若い方がご覧になれば感慨深いものもあるかもしれないが、遺伝子検査などせずともレントゲンやCTスキャンやMRIで「寝たきりになる」とか「歩けなくなる」と“予言”されてしまう年代、もう面倒なことはしたくない。INVALIDな自分と付き合っていきます。

 

16〜 20件 / 全219件