ＭＷ−ムウ−

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　開始25分がまるまる誘拐のアクションシークエンスになっていて、タイのロケをいかして。面白いっちゃ、面白い内容になっていましたが。主人公である、玉木宏さんの気持ちが全く描かれず。むしろ、刑事さん目線で話が進むので。どうこの映画を観ていいのかわかりませんでした。

　最初の30分が、刑事さん側で描かれて。そのあと、主人公の陰謀がスタートしますが。主人公の心情が描かれないため、主人公が何をしてるのかさっぱりわからない映画という退屈さでした。
　主人公側から描かないとダメだと思いました。悲しみの過去を背負って復讐するという主人公に感情移入させないといけないと思いました。


　主人公と一緒にいる神父さんが出てきますが、この人物がいる意味もさっぱりわかりませんでした。幼馴染というだけで、この映画の段階では、互いに足を引っ張るだけという。主人公の冷徹さだったら、真っ先に殺してしまうそうな人物ですが。何故か協力したりするので理解不能でした。その割りに、最後は戦ったりしたりしました。謎です。

　「ムウ」といわれる毒ガス兵器の存在を知る石田ゆり子さん演じる記者も、前に調べて殺された人物の家に行って、その部屋にまるまる資料が残っていて。それを読んで「ムウ」の存在を知るというだけで。何もしていません。何で、その部屋にあったのかもわかりませんでした。

　そして、米軍基地に毒ガスがあるってんで。簡単に米軍基地を占拠してしまう主人公。肝心の占拠シーンが描かれないという。どうやったんだ……。

　刑事さんも捜査令状なしに家に拳銃を構えて乗り込んだり。ありえない行動をしていきます。しかも、勘だよりの行動しかしてないです。

　とにもかくにも、突っ込みどころが多すぎて。何がしたかったのかよくわからない映画でした。

うーん、惜しいなぁ。
完成された手塚治虫の原作を薄っぺらく普通の映画にしちゃった感じ。

梨園に生まれ美しい容姿で男も女も惑わす結城美知夫。
そして彼を助ける神父の賀来巌は少年時代は元不良で、
美知夫を犯した初めての男。
のハズだったが、
この映画では結城美智夫と賀来裕太郎という名前で
玉木宏（イメージぴったり！）と山田孝之が演じている。
同性愛部分はナシだ。
私は別に腐女子じゃないし、カラミが見たいわけじゃない。
でも、MWはこの魔性の男じゃなきゃ意味が違ってくる。
どうして神父の賀来が結城をそうまでして助けるのか
別の恩着せがましいエピソードが用意されてたが、
それじゃキャラが変わっちゃうし薄っぺらいんだよ〜。
肉体関係からの精神のつながりや破滅的な悪魔の部分に
苦しむドロドロは一切なし。

あまりの出来ばえに、どうしてこうなった？とググったら
初めは俳優陣の事務所も同性愛設定にOKしていたし、
そのようなポスターも撮ったと、でもスポンサーがNGを出したとか。
お金のかけ方や配役など、なかなか良かったのに
本当にもったいない。

なんか島の悲劇とかがあんまりよく伝わらなかったかなぁ。
主人公の２人の幼少期とかが描かれてるとわかりやすかったのかなぁと思う。
なんかもちろんヒドイことをされたのはわかるねんけど、結城がここまで猟奇的な復讐を行う経緯が見えてこない。
最後もなんだかモヤっとする終わりやったし。
原作は読んだ人からはけっこう不満の声を聞くから、逆に映画見てから原作読んでみようかなぁ。
また印象が変わるかもしれんしね。
玉木宏は意外と悪役も似合うねんなぁ。
逆に山田孝之の善人？役も新鮮かも(笑)
でも２人ともしっくり来てたと思うな。

手塚治虫の作品なのを初めて知りました。
結構重いし暗い。
アメリカ風ではありますが(米軍も登場するし)、そこそこリアルで面白かったです。

是非、原作マンガを読んでから、映像を見たいと思って、今頃になりました。（なかなか手に入れられへんかった）

原作に忠実で愛の伝わる他の作品を見た後だっただけに、これは『ＭＷ』やけど、手塚作品とはちゃうな、と思いました。
主人公２人以外、ほとんど映画のオリジナル人物やし、１番肝心な結城と賀来の関係も全く違うし。

でもこの作品、面白いです。
冒頭の４分ほどの、地獄のような過去の出来事から、現在の犯罪に繋がる始めは、めっちゃドキドキして、一気に引き込まれた。

結城と賀来の味わった地獄は同じやのに、壊れ方が違うんが対照的で、それは２人の深い関係に基づいてるんやけど、そこの描き方が、ちょっと残念です。
幼い頃の２人の力関係と、結城が冷酷な復讐殺人鬼となった後の違いがわかりづらい。
２人の同性愛関係については、なんとなく「ほのめかして」るらしいけど、そこ重要やのに〜と、思いました。
でも、悪夢や幻覚に苦しむ結城を介抱する賀来とのシーンは、ほのめかしてる最大のシーンやね。タオルで身体を拭いてやるなんて、そう他人にすることちゃうもんね。
山田くん、色っぽくていいシーンです。
彼のセリフには、「むふふ…」と何度か‘にやけ’ました。
原作の賀来は、ごっつくて、決してビジュアルは良くない男やったけど、不精ヒゲでボサボサ髪でも、山田くん綺麗やったもん。

神に祈って救われるなら、結城が悪魔に実を売ってもなんとか救えるやろうと思ってた賀来が悲しい。

原作マンガとはちがうけど、よく出来た作品です。
最初と最後はすごくお金が掛かってんな〜と思いました。

でも、意味深な終わり方やったな…