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孤独なヒロインが、無差別殺人の凶悪犯に自分と同じ孤独を見いだし、直情的に恋心をエスカレートさせていくさまを緊張感溢れるタッチで描いた異色ドラマ。主演は小池栄子と豊川悦司、共演に仲村トオル。監督は「UNloved」の万田邦敏。都内の会社に勤める若い女性、遠藤京子は、幼い頃から対人関係に問題を抱え、孤独な日々を送ってきた。ある日彼女は、無差別にある親子3人を惨殺した坂口秋生という犯人の逮捕劇を生中継するテレビを目にする。そこで坂口がカメラに向けて放った謎めいた笑みを見て、自分と同じ孤独と絶望感を見いだした京子は、一瞬にして恋に落ちてしまうのだった。
製作年: |
2006年 |
---|---|
製作国: |
日本 |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
108分 | 日:ドルビーステレオ | |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
GNBR1717 | 2009年02月25日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
14枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
108分
字幕:
音声:
日:ドルビーステレオ
レイティング:
記番:
GNBR1717
レンタル開始日:
2009年02月25日
在庫枚数
14枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
108分 | 日:ドルビーステレオ | |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
GNBR1717 | 2009年02月25日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
14枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
108分
字幕:
音声:
日:ドルビーステレオ
レイティング:
記番:
GNBR1717
レンタル開始日:
2009年02月25日
在庫枚数
14枚
1位登録者:
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たいへん見応えのあるよく出来た映画ではありました。人間心理の不可解さと救いようのない闇の深さに慄然としました。
次のkobarouさんのレビューが登場人物たちの心理と行動の意味について精緻に語っておられて圧倒されます。とくに「愛撫の系譜」での坂口と京子との互いを感じ取る距離の違いの言及には目が覚める思いでした。坂口が獄中で差し入れの肌着を身につけたり、手紙を読んだりと、自分に向けられる京子の感情を、体感として感じ取って心に浸透させていったのに対し、京子はマスコミ経由の細切れな情報を寄せ集めて作り上げた坂口像に勝手に自分を同一化させ、「愛の幻想」を抱いただけ、唯一のその身に触れたのはナイフを突き立てた瞬間だけだったとの見解には激しく同意。あの殺人は裏切った同志への粛清、総括であった点も。
長谷川弁護士への一見不可解な行動も、妄想と思いこみに生きてきた京子が実際に生きている「恋人」の感触、体温、脈動、息づかいに触れて、しかも至近距離でナイフで殺すというきわめて濃密な、性行為と同等か、それ以上に濃密な接触を果たした時の、混乱、動揺の結果と考えれば何となくわからないこともありません。
「さそり」の梶芽衣子ばりに相手の舌をかみ切ろうとしたかどうかは、わからないのですが、坂口に触れて触発された肉体の欲情が、長谷川相手に爆発したと考えることもできます。
一方、愛撫の系譜を順にたどっていった坂口は納得ずくの情死です。トヨエツの安らかな表情がそれを雄弁に語っている。一種、「腹上死」ですか、なとど軽口を叩けるような映画ではありませんが。
あの接吻がちょうど「ピアニスト」の女教師のように、京子を生まれ変わらせる契機になるか、なかなか余韻を残す幕切れでした。
kobarouさんは触れておられませんが、長谷川及び京子の「嫉妬」という感情も私には大きく映りました。
坂口を軸に長谷川と京子は嫉妬し合う関係だった。唯一の味方と自負する弁護人の自分を差し置いて、坂口が京子に心を開きふたりぴったりと寄り添って、同じ例の気味悪い微笑を浮かべて自分を見下している、そんな感覚を抱いたのかもしれません。何としても二人の仲を裂きたかった。それが京子への愛と錯覚されたか、実際愛へと転化されたか定かではありませんが、接吻の当事者である資格は充分です。第三者ではない。京子も「わたしの坂口さんを変えてしまった」と激しく嫉妬している。生々しい感情のやりとりのある男女の間で、殺意が愛撫に変身しても不思議ではないかもしれません。
長谷川は京子のキスを堪能したはずです。恐ろしく奇っ怪な味ではあったでしょうが。
鬼面人を驚かす、といった効果はあるでしょうが、何度も見返して愛することができるような映画ではありませんでした。
人々から見下され、従わされ、利用され、あるいは無視され、理解も承認も得られず苦しむ人間の一団を確かに私たちの社会は生み出します。社会の内部に「辺境」をつくってそこから収奪を重ねるシステムが確かに存在する。
しかし見下されていた人間の反逆の手段が、無差別殺人とその殺人犯への完全なる同一化となると、あまりにも志が低いというか、それでいいんですかという感じです。それが現代という時代なのでしょうか。
それに異常な殺人者とその妻として今度は一転、自分たちが傲然と世間を見下す立場になるだけでは、システム自体は少しも揺らがない。
60年代、70年代の映画愛好家としては、京子の一方的な妄想がはからずも坂口の改心を引き出した時点で映画を終わらせてほしかったですね。実を言うと。
このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
人の心には闇の琴線が有る。
善き人で有れば在る程、反作用でその根は深く残酷だ。
人の事を想う人程、孤高の者で在りたいと言う根源的な欲求が尊大になる。
では、その陰陽の境目に存在する者は?。
可逆的な行動を取って己の存在を示せない「か弱き」人達の行く先は?。
この映画はその境目に存在する人…一風変わった出会いをした恋人達の顛末を淡々と悲しく、時として強烈に魅せてくれるサスペンスだ。
結局「黒と白」の判別が無い「灰色」の部分を転がり続ける事しか出来ない二人の悲しき宿命と自己欺瞞が悲しい。
生い立ちに問題が有って頼る人も無く、期待して傷付く事を恐れて「その存在」すら認めなかった二人。
坂口は自らが保護者としての立場を演じなければならない母の死から人生が狂い始めた。
彼は全く肉親には恵まれなかったが、その存在に愛は感じていたのだろう。
亡くしてしまったモノの空虚さが彼を自暴自棄にさせ「一般的」に幸せを貪る普通の人にその遣る瀬無さは向けられた。
彼ら「普通の人」達全てが憎い。
平均値で在る人達が疎ましくて仕方が無い。
自分達を無視し、その存在も感じない者達が許せなくて仕方が無い。
そして彼は「在る不幸な家族」の一員となった。
悲しきハピバースデイの唱歌。
彼と彼の新しい家族はそこで生まれ、そして死んだ。
自分は死ぬべきだ。
家族の為に死ぬべきだ。
他人は自分の事など知る訳が無い。
言葉など「もう必要が無い!」。
だが、彼の行動にシンパシーを感じた異性が居た。
多くは語られないが彼女も家族に恵まれていない。
彼女は人を傷付けないが傷付けられる事を人一倍嫌う。
だから人の言葉など聞く耳を持たない。
自分の価値観を押し通すのが自分を守る術なのだ。
京子には坂口の気持ちが自分の事の様に理解出来た。
まるでストーカーの様に坂口の事を調べ上げて更に親近感を深めてしまう。
彼が犯した「重い罪」を自分が全て引き受けても良いと想うほど…。
ラストで京子と坂口の間に割って入った長谷川を疎ましく思った彼女の衝撃の行動!。
利き手を負傷した姿優しき彼女に残された最後の武器とは?。
「死の接吻」
本来ならタイトルになるべき甘美で逃げ惑う事も出来ない甘い死への誘い。
彼女は邪魔者で有る長谷川の舌を食い千切り、彼を窒息死させようとしたのだ。
それが完遂すれば、彼女は自分の生きる意味と欲求の全て手にする事が出来ただろう。
「初恋」にも似た苛立つほどの人への愛情・慕情。
それを貫けるテーマを描いた監督と脚本の完成度は高いと感じます。
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
惹かれ合う関係とは、多くは異性において、また同性にも同様に存在するが、それは自分に足りないものを求めることなのでしょう。
殺人を犯す坂口という男、彼は幼少期より密接な関係を築くことを経験できなかったようで、感情を持たないかのような、からっぽの人生を過ごしてきたのでしょうか。43歳の今、肉親とは疎遠で友達もなく、彼の感情は、押し殺すのではなく端から無いのではと思いました。やがて迎える殺人という体験は、極端に人としてかけ離れた行動を執ることで、人としての感情を呼び起こすことができるか確認したかったのではと感じました。それは茫然自失の冒頭の殺人現場から、やがて京子との関わりで少しずつ感情が芽生え始め、長谷川に吐露する『殺人ということが理解できない』という涙へと変化して行くのでしょう。
一方京子は、長谷川にやり切れない心中を暴露するように、社会に認められないことに対する焦燥や閉塞感を持つ女と思いました。そんな彼女の目に飛び込んだのが、坂口という男の不敵に見える笑みで、自分の荒んだ心を代弁して社会に叩き付ける、彼女にとってヒーローのような存在に感じたのではと思いました。彼女の行動は坂口を理解するためではなく、崇めるかの一途さを持ち始め、それは加速度を増しラストへの崩壊へとなだれ込むのでした。
似ているようで決定的に違う2人。坂口はあらかじめ失われた者で、京子は失うことなく持て余している者。京子の溜め込んだ思いは澱み発酵しパンク寸前となり、からっぽの坂口の受け口に救いを預けたのでしょう。
そしてタイトルの行為が意味するもの、それは憐みなのか蔑みなのか、ラストのセリフに示されるあの人のセリフには、底無しの孤独が響きます。
冒頭の恐ろしいショットにガツンとやられますが、以降描写は淡々と進みます。しかし、その裏に潜む人の闇には震えが来るほどでした。
人は誰しも知らずと鋭い切っ先を懐に忍ばせていて、その先端の向ける先で揺れ惑い、奈落に堕ちる危険性を常に孕んでいるのではと思わされました。実に恐ろしく魅力に溢れた逸品。
このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
この京子の心情にまったく共感できず、驚愕のラストも何なのさ!ってな感じで、私はこの作品の良さがまったく理解できませんでした。小池栄子の一方的な思い込みの愛。自分との共通点を無差別殺人犯のトヨエツにみいだす。 最初の出会いはブラウン管の中で自ら呼び寄せた報道人に何も話さず不敵に笑う姿を見た時。この時自分以外の世間の人々をすべて敵にまわしたであろうこの犯人に優越感と自分だけが彼を愛することが出来るただひとりなのだと、また彼の気持ちを理解できるただひとりなのだと。すべては「思い込み」「独りよがり」と思いました。
驚愕のラストも、わがまま女の思い込み。 何故か自信たっぷりな京子(小池栄子)は、弁護士(仲村トオル)が自分を愛し始めているとでも思っているかのようです。
こわれてしまった人の恐ろしさ・・・
なんとも、後味の悪い作品でございました。
後味の悪いラストでございました。
このレビューは気に入りましたか? 3人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:64件
投稿日
2009/06/08
レビュアー
港のマリー※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
たいへん見応えのあるよく出来た映画ではありました。人間心理の不可解さと救いようのない闇の深さに慄然としました。
次のkobarouさんのレビューが登場人物たちの心理と行動の意味について精緻に語っておられて圧倒されます。とくに「愛撫の系譜」での坂口と京子との互いを感じ取る距離の違いの言及には目が覚める思いでした。坂口が獄中で差し入れの肌着を身につけたり、手紙を読んだりと、自分に向けられる京子の感情を、体感として感じ取って心に浸透させていったのに対し、京子はマスコミ経由の細切れな情報を寄せ集めて作り上げた坂口像に勝手に自分を同一化させ、「愛の幻想」を抱いただけ、唯一のその身に触れたのはナイフを突き立てた瞬間だけだったとの見解には激しく同意。あの殺人は裏切った同志への粛清、総括であった点も。
長谷川弁護士への一見不可解な行動も、妄想と思いこみに生きてきた京子が実際に生きている「恋人」の感触、体温、脈動、息づかいに触れて、しかも至近距離でナイフで殺すというきわめて濃密な、性行為と同等か、それ以上に濃密な接触を果たした時の、混乱、動揺の結果と考えれば何となくわからないこともありません。
「さそり」の梶芽衣子ばりに相手の舌をかみ切ろうとしたかどうかは、わからないのですが、坂口に触れて触発された肉体の欲情が、長谷川相手に爆発したと考えることもできます。
一方、愛撫の系譜を順にたどっていった坂口は納得ずくの情死です。トヨエツの安らかな表情がそれを雄弁に語っている。一種、「腹上死」ですか、なとど軽口を叩けるような映画ではありませんが。
あの接吻がちょうど「ピアニスト」の女教師のように、京子を生まれ変わらせる契機になるか、なかなか余韻を残す幕切れでした。
kobarouさんは触れておられませんが、長谷川及び京子の「嫉妬」という感情も私には大きく映りました。
坂口を軸に長谷川と京子は嫉妬し合う関係だった。唯一の味方と自負する弁護人の自分を差し置いて、坂口が京子に心を開きふたりぴったりと寄り添って、同じ例の気味悪い微笑を浮かべて自分を見下している、そんな感覚を抱いたのかもしれません。何としても二人の仲を裂きたかった。それが京子への愛と錯覚されたか、実際愛へと転化されたか定かではありませんが、接吻の当事者である資格は充分です。第三者ではない。京子も「わたしの坂口さんを変えてしまった」と激しく嫉妬している。生々しい感情のやりとりのある男女の間で、殺意が愛撫に変身しても不思議ではないかもしれません。
長谷川は京子のキスを堪能したはずです。恐ろしく奇っ怪な味ではあったでしょうが。
鬼面人を驚かす、といった効果はあるでしょうが、何度も見返して愛することができるような映画ではありませんでした。
人々から見下され、従わされ、利用され、あるいは無視され、理解も承認も得られず苦しむ人間の一団を確かに私たちの社会は生み出します。社会の内部に「辺境」をつくってそこから収奪を重ねるシステムが確かに存在する。
しかし見下されていた人間の反逆の手段が、無差別殺人とその殺人犯への完全なる同一化となると、あまりにも志が低いというか、それでいいんですかという感じです。それが現代という時代なのでしょうか。
それに異常な殺人者とその妻として今度は一転、自分たちが傲然と世間を見下す立場になるだけでは、システム自体は少しも揺らがない。
60年代、70年代の映画愛好家としては、京子の一方的な妄想がはからずも坂口の改心を引き出した時点で映画を終わらせてほしかったですね。実を言うと。
投稿日
2009/03/17
レビュアー
アルディ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
人の心には闇の琴線が有る。
善き人で有れば在る程、反作用でその根は深く残酷だ。
人の事を想う人程、孤高の者で在りたいと言う根源的な欲求が尊大になる。
では、その陰陽の境目に存在する者は?。
可逆的な行動を取って己の存在を示せない「か弱き」人達の行く先は?。
この映画はその境目に存在する人…一風変わった出会いをした恋人達の顛末を淡々と悲しく、時として強烈に魅せてくれるサスペンスだ。
結局「黒と白」の判別が無い「灰色」の部分を転がり続ける事しか出来ない二人の悲しき宿命と自己欺瞞が悲しい。
生い立ちに問題が有って頼る人も無く、期待して傷付く事を恐れて「その存在」すら認めなかった二人。
坂口は自らが保護者としての立場を演じなければならない母の死から人生が狂い始めた。
彼は全く肉親には恵まれなかったが、その存在に愛は感じていたのだろう。
亡くしてしまったモノの空虚さが彼を自暴自棄にさせ「一般的」に幸せを貪る普通の人にその遣る瀬無さは向けられた。
彼ら「普通の人」達全てが憎い。
平均値で在る人達が疎ましくて仕方が無い。
自分達を無視し、その存在も感じない者達が許せなくて仕方が無い。
そして彼は「在る不幸な家族」の一員となった。
悲しきハピバースデイの唱歌。
彼と彼の新しい家族はそこで生まれ、そして死んだ。
自分は死ぬべきだ。
家族の為に死ぬべきだ。
他人は自分の事など知る訳が無い。
言葉など「もう必要が無い!」。
だが、彼の行動にシンパシーを感じた異性が居た。
多くは語られないが彼女も家族に恵まれていない。
彼女は人を傷付けないが傷付けられる事を人一倍嫌う。
だから人の言葉など聞く耳を持たない。
自分の価値観を押し通すのが自分を守る術なのだ。
京子には坂口の気持ちが自分の事の様に理解出来た。
まるでストーカーの様に坂口の事を調べ上げて更に親近感を深めてしまう。
彼が犯した「重い罪」を自分が全て引き受けても良いと想うほど…。
ラストで京子と坂口の間に割って入った長谷川を疎ましく思った彼女の衝撃の行動!。
利き手を負傷した姿優しき彼女に残された最後の武器とは?。
「死の接吻」
本来ならタイトルになるべき甘美で逃げ惑う事も出来ない甘い死への誘い。
彼女は邪魔者で有る長谷川の舌を食い千切り、彼を窒息死させようとしたのだ。
それが完遂すれば、彼女は自分の生きる意味と欲求の全て手にする事が出来ただろう。
「初恋」にも似た苛立つほどの人への愛情・慕情。
それを貫けるテーマを描いた監督と脚本の完成度は高いと感じます。
投稿日
2009/03/15
レビュアー
ひろぼう※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
惹かれ合う関係とは、多くは異性において、また同性にも同様に存在するが、それは自分に足りないものを求めることなのでしょう。
殺人を犯す坂口という男、彼は幼少期より密接な関係を築くことを経験できなかったようで、感情を持たないかのような、からっぽの人生を過ごしてきたのでしょうか。43歳の今、肉親とは疎遠で友達もなく、彼の感情は、押し殺すのではなく端から無いのではと思いました。やがて迎える殺人という体験は、極端に人としてかけ離れた行動を執ることで、人としての感情を呼び起こすことができるか確認したかったのではと感じました。それは茫然自失の冒頭の殺人現場から、やがて京子との関わりで少しずつ感情が芽生え始め、長谷川に吐露する『殺人ということが理解できない』という涙へと変化して行くのでしょう。
一方京子は、長谷川にやり切れない心中を暴露するように、社会に認められないことに対する焦燥や閉塞感を持つ女と思いました。そんな彼女の目に飛び込んだのが、坂口という男の不敵に見える笑みで、自分の荒んだ心を代弁して社会に叩き付ける、彼女にとってヒーローのような存在に感じたのではと思いました。彼女の行動は坂口を理解するためではなく、崇めるかの一途さを持ち始め、それは加速度を増しラストへの崩壊へとなだれ込むのでした。
似ているようで決定的に違う2人。坂口はあらかじめ失われた者で、京子は失うことなく持て余している者。京子の溜め込んだ思いは澱み発酵しパンク寸前となり、からっぽの坂口の受け口に救いを預けたのでしょう。
そしてタイトルの行為が意味するもの、それは憐みなのか蔑みなのか、ラストのセリフに示されるあの人のセリフには、底無しの孤独が響きます。
冒頭の恐ろしいショットにガツンとやられますが、以降描写は淡々と進みます。しかし、その裏に潜む人の闇には震えが来るほどでした。
人は誰しも知らずと鋭い切っ先を懐に忍ばせていて、その先端の向ける先で揺れ惑い、奈落に堕ちる危険性を常に孕んでいるのではと思わされました。実に恐ろしく魅力に溢れた逸品。
投稿日
2010/03/31
レビュアー
K&Bのママ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
この京子の心情にまったく共感できず、驚愕のラストも何なのさ!ってな感じで、私はこの作品の良さがまったく理解できませんでした。小池栄子の一方的な思い込みの愛。自分との共通点を無差別殺人犯のトヨエツにみいだす。 最初の出会いはブラウン管の中で自ら呼び寄せた報道人に何も話さず不敵に笑う姿を見た時。この時自分以外の世間の人々をすべて敵にまわしたであろうこの犯人に優越感と自分だけが彼を愛することが出来るただひとりなのだと、また彼の気持ちを理解できるただひとりなのだと。すべては「思い込み」「独りよがり」と思いました。
驚愕のラストも、わがまま女の思い込み。 何故か自信たっぷりな京子(小池栄子)は、弁護士(仲村トオル)が自分を愛し始めているとでも思っているかのようです。
こわれてしまった人の恐ろしさ・・・
なんとも、後味の悪い作品でございました。
後味の悪いラストでございました。
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