ラスト、コーション

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ラスト、コーション / トニー・レオン

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「ラスト、コーション」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督が、一人の女スパイの愛の葛藤を描く官能サスペンス。日本軍占領下の上海と香港を舞台に、図らずも抗日運動に身を投じたヒロインが、祖国の裏切り者の男を暗殺すべく、色仕掛けで接近していく中で展開していく男と女のギリギリの心理戦がスリリングに綴られていく。1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺する危険な任務を与えられるが…。

「ラスト、コーション」 の作品情報

作品情報

製作年: 2007年
製作国: アメリカ/中国/台湾/香港
原題: LUST, CAUTION/色・戒
受賞記録: 2007年 ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞

「ラスト、コーション」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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16〜 20件 / 全159件

トニーレオンじゃなきゃ観なかった映画 ネタバレ

投稿日:2008/10/19 レビュアー:ゆいま

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トニーレオンが好きなので・・・
ただそれだけで観ました。

彼のちょっと困ったような、「捨てられた子犬」系の瞳が
この映画でも光っております。
そしてヒロインも負けず劣らず美しく、かなりの存在感。

内容は、戦争、スパイを味付けとした、一応恋愛もの、
といったところなのだが、
現代日本においては、ヒロインの状況が
甚だしく共感しにくい!
「ちょっといいなと思ってる彼がやってるから」
といって学生が暗殺を企んで、特務組織に潜入。
暗殺をなしとげるために、好きでもない相手と
SEXの練習・・一つ屋根の下に本当に好きな相手がいるのに!
はじめてだったのに!
うーーん・・・感情移入しにくい・・・理解できない。

それを「それほどまでに愛国心があるのね。」
又は、「そこまでクァンを愛してるのね。」
と受け取れるだけの描写が足りなかった気がするのですが・・・。

ただ、後半はよかった。
最後のチアチーの選択にも納得。
イーの暗殺がいくら至上命題だったとしても、
チアチー自身は、個人的な恨みがイーにあるわけでなく、
体を重ねることで情もうつるわけで、
多分、クァンが「すべてが終わったら俺とどこかで暮らそう」
としっかり約束しておけばまた違ったのかもしれないけど、
クァンは何をおいても活動が最優先だし、
気持ちが揺れ動いても仕方ないと思えました。

かなり激しいと噂の性描写ですが、私はあんまり・・・
体位があまりにアクロバティックすぎて、スポーツっぽいというか
かえっていやらしさはなかったですが。
2人とも、相手の目を見ながらのセックスはできないのですね。
後ろから・・横から・・目隠し・・・
徹底的に、無防備な自分の心を見せないよう必死に戦ってる感じのセックスで、とても愛があるようには見えない。
でも、チアチーは、あの「奥さんが買ってもらえなかった指輪」を見た瞬間に彼の心を一瞬感じてしまったのですね。
だから、彼女も、心を開放してしまって、仲間を裏切った。

うーん、悲しい愛の形でした。
でも、やっぱ、トニーレオンじゃなきゃ観なかった映画だな。

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愛というものの複雑さを巧妙に描いた作品。 ネタバレ

投稿日:2008/09/19 レビュアー:靖王

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女スパイのお話です。
これを観て,名作シュリを思い出す方も多いのではないでしょうか。シュリからアクションの要素を排除し,相互の心理描写を深めた作品といっていいかもしれません。
女スパイ(タン・ウェイ)が,スパイを行い,反祖国者である憎むべきターゲット(トニー・レオン)に親和している姿を演じるその相反性がとてもよく描写されていて,彼女の葛藤に共感すると胸が痛みます。
そして,トニー・レオン(親日派)の,誰も信じられないその立場で,唯一心を許した女性が,皮肉にも自分を狙うスパイであるという事実にも心が痛みます。
そして,それらの心を浄化するような両者のセックス。感情・葛藤・心痛をすべて吐き出すその絵は迫力があるだけでなく猛烈な力に満ちています。悩むべき存在である人間としての,理想的なセックスと言ってもいいのではないでしょうか。
唯一心を許した人間に裏切られ,しかし命を救われた事実,そして彼女を死刑台に送り込まざるを得なかった葛藤。
一方,スパイという重圧と禁じられた愛から解放され,処刑を受けることによって魂がやっと解放されるかわいそうな女性。
彼ら,特に彼女のわずかなる人生はいったいなんだったのか,と思うと胸が張り裂けそうになります。
観終わって時間が経ち,いろいろな刺激を経た後も,心に重たく切なさが残っています。
ありがちなストーリーとしてくくられてしまう作品かもしれません。また,描写の鋭いセックスシーンがすべての印象を打ち消してしまうかもしれません。それでもなお,私は本作を,人間の複雑な心理世界を実に巧みに描いた大傑作といいたいのです。

私的評価:★★★★★(5点)

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私も、ガラリーナさんのレビューにひれ伏します。 ネタバレ

投稿日:2008/09/01 レビュアー:パープルローズ

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ガラリーナさんのすばらしいレビューを読んで、書けなくなっておりました。が、おうち大好きさんと同じく、ちょっとだけ書いてみたいと思います。

麻雀に興じる女性たちの絡み合う視線で始まる冒頭。その女性たちの中のひとり、マイ夫人ことチアリーは、美しいながらもどこかその化粧や仕草が幼い印象。
続く回想シーンで登場するチアリーは、あどけない普通の女学生なのだ。
その普通の女学生が、抗日運動に傾倒する学生に淡い恋心を抱いたがために、日本軍と手を組む男イーに色仕掛けで接近するという大役を与えられてしまう。

チアリーの仲間たちは、チアリーをマイ夫人にしたてあげて、イーに接近する機会を狙う。
男性経験のなかったチアリーは、練習と称して好きでもない仲間に処女をささげるのだが、それがとても痛ましい。せめて相手が恋心を抱いた学生だったなら。
抗日運動とは彼女にとってそれほどの価値があるものだったのか。

そんな状況下で出会ったイーとチアリーが交わす愛は「痛い」としかいいようのないもの。
週刊誌には「中年のおばさんたちが喜んでみる体位見本」みたいな書き方をされていましたが、官能的というには程遠い、相手をひたすらいたぶるような行為です。

物語の終わりの方で、チアリーは学生時代に恋心を抱いた男に再会するのだが、昔のあどけなかったチアリーはもういない。
もしも時代が違ったら、普通に恋をして普通に結婚して子供を産んでいただろうのに。
もしも時代が違ったら、イーとチアリーはもっと普通の出会い方をして、もっと優しい愛しかたができたかもしれないのに。
これはひとりの女性の愛の物語であると同時に、立派な反戦映画だと感じました。

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痛々しく、存在を確かめ合う。 ネタバレ

投稿日:2009/05/31 レビュアー:みみ

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 あどけない女学生だったチアチー。彼女に本当に高い政治的理念があったかといえば甚だ疑問。
 というか本当にそんな理念を抱いていたのは、きっとリーダー格のクァンだけだったと思う。他のメンバーは、ただ仲間の一員でありたいがため、一つの高尚な目的に向かって結束している!ということ自体に酔いしれていた感があります。
 有閑な学生たちによるレジスタンスごっこ。クラブ活動の延長。
 “集団”がなせる高揚とでもいうのでしょうか。気づけば、既に自分1人だけ元に戻れるはずのない状態に陥ってるわけです。

 こんな政治的背景をベースに、運命に翻弄される男女のドロドロとした情愛を描いた作品に仕上がっているのは、いかにもアン・リーらしい演出。
 軍人イーのねっとりと絡みつくような目線。突然サディスティックに豹変するイー。チャイナドレスからはみ出る脇毛。この適度に嫌悪感さえ催させる、ねばっこいエロス描写。さすがです。

 戦争というのは、人間を精神的に麻痺させるのでしょうね。何かを打ち消そうと、そして何かを埋め合わせようと、まるでもがくようにチアチーとの情事に没頭するイーの姿がとても痛々しかった。

 そして。。チアチーはイーを愛していたのでしょうか?
 これは私の解釈ですが、たぶんチアチーは無意識のうちに、彼にある種の同士的な連帯感を抱いていたのだと思う。似たもの同士。彼女もまたイーと体を合わせることで何かを埋めようとしていたのだと思います。
 「任務だから仕方なくやっていること。」自分の心に嘘をつきつつ、実は彼女にとって自分自身でいるために最も必要な時間だったのです。
 愛していたというより、酸素のように必要だった、というべきかもしれません。つまり任務完了と共に訪れるイーとの関係の終焉はきっと彼女にとって「死」と同義だったのでしょう。
 そして彼女の体に巻きついていた鎖、他の劇団員メンバーに繋がれた鎖はそのままに、彼女は死を選びました。ここらへんの演出まで手を抜かないところが、やはりアン・リーらしいと思いました。

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行き場の無い、悲恋 ネタバレ

投稿日:2009/05/12 レビュアー:ちぃ

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公開当初、雑誌でたまたま読んだのですが、題『色、戒』の色というのは情欲、戒というのは誓いの意味があるそうです。
中国では指輪のことを、指戒というと聞いた事がありますが、なるほどと言葉の意味を理解できますね。
ちなみにラストコーションのラストは、LASTではなく、LUST。色欲でしょうか?

全体的に台詞は少なめで、学生の「暗殺ごっこ」から始まります。
香港でのごっこは、ちょっと甘すぎなんじゃないのー?と気になることばかりですが、勿論モロバレ。
イーも、ヒロインが扮するマイ夫人と一日過ごした時点で、初めから明らかに怪しい彼女の、そつないように見えて少しおかしい会話〜なぜかグラスに付いた紅を指で拭わない〜多少強引に自宅へ引き入れようとする〜などなど立ち振る舞いの至らなさなどから、裏ありだと確信したハズ。
重要機関の人間としても、ごっこには本気で相手しない、可愛いもんだと思うところもあるのでしょうか。


私は目の演技といいますか、目で語られる部分の多い映画が好きなのですが、こちらはその辺裏切らなかったです。

冒頭の夫人たちの麻雀〜女達の戦場。あの目の動き、手指の動きの滑らかさ、淀みないおしゃべりの情報交換・・・
どこか気に入らない事でもあるかのようなマー夫人の目線、イーからマイ夫人への目配せ、、、
麻雀と言えば、雨の日、イーがマイ夫人に「チー」させた時のみんなの目。その後、マイ夫人がメモした番号をお菓子を頬張りながら見るイー(笑)


珍しいかもしれませんが、私はこのイー夫人がなんか好きです。
夫が若くて綺麗なマイ夫人に魅力を感じているのをそばで見ながら、とても鷹揚に構えていて、常に明るく変わらない態度でどの夫人にも接しています。
今までも、恐らく今でも、夫が自分にも身近な愛人を持っていることを勘付くことなど何度かあったでしょうに、夫婦間のぎこちなさなど微塵も感じません。
まぁここはクローズアップさせるとこでもありませんし、二人には二人の問題もあったかもしれませんが、イー夫人はネアカな良い性格してると思います(笑)


なお、この物語のキーとなっている指輪ですが、冒頭のシーンで夫が買ってくれなかったのよーなどと話題を出すのもイー夫人(笑)
マー夫人が大分前にイーに買ってもらったのであろう指輪に興味を示しています・・・
古いデザインなのよ、とイーを睨む夫人。私は古い女よっ、今度の愛人は随分若い子ですのねっと聞こえてきてしまいます・・・
イーとチアチーの攻防もそうですが、こちらの夫人たちの攻防も面白いです・・・


ヒロインのチアチーは、新人さんと言うことですが、チアチーを演ずる彼女は素朴なゆえの品があって、スラッと背が高く、背筋も伸びていて歩く姿が美しいです。チャイナドレスもスレンダーなので似合っています。
料亭のシーンが個人的に一番好きなのですが、この時のドレスも一番好きです!他にも芸妓さんの着物や部屋の調度類など、全体の色彩も綺麗でほーっとします。やはり日本人だからでしょうか。
このシーンでの腕枕のようなのも良いです。二人の心が通い合う、料亭のシーン、どうぞご堪能あれ。


三度のベッドシーンですが、二人の関係など様々な面での変化を表しており、重要な役割を担っています。ちなみに、エロさはあまり感じませんでした。


もとから長めなのに無茶言いますが、もう一シーンみたい感じでした。その後も見てみたかった気もしますが、傀儡政府の要人として、秘書に手配されるままチアチーを処刑し自分の身を守ったイーに待っているのは再び孤独でしょうね。
何故チアチーが危険だと知りながら、傍に置いておいたのかわかりませんが、孤独の中で、本当にチアチーのことを信じたかったのかも知れません。
微妙な揺らぎが多いので、じっくりみたい映画です。

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ラスト、コーション

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トニーレオンじゃなきゃ観なかった映画

投稿日

2008/10/19

レビュアー

ゆいま

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トニーレオンが好きなので・・・
ただそれだけで観ました。

彼のちょっと困ったような、「捨てられた子犬」系の瞳が
この映画でも光っております。
そしてヒロインも負けず劣らず美しく、かなりの存在感。

内容は、戦争、スパイを味付けとした、一応恋愛もの、
といったところなのだが、
現代日本においては、ヒロインの状況が
甚だしく共感しにくい!
「ちょっといいなと思ってる彼がやってるから」
といって学生が暗殺を企んで、特務組織に潜入。
暗殺をなしとげるために、好きでもない相手と
SEXの練習・・一つ屋根の下に本当に好きな相手がいるのに!
はじめてだったのに!
うーーん・・・感情移入しにくい・・・理解できない。

それを「それほどまでに愛国心があるのね。」
又は、「そこまでクァンを愛してるのね。」
と受け取れるだけの描写が足りなかった気がするのですが・・・。

ただ、後半はよかった。
最後のチアチーの選択にも納得。
イーの暗殺がいくら至上命題だったとしても、
チアチー自身は、個人的な恨みがイーにあるわけでなく、
体を重ねることで情もうつるわけで、
多分、クァンが「すべてが終わったら俺とどこかで暮らそう」
としっかり約束しておけばまた違ったのかもしれないけど、
クァンは何をおいても活動が最優先だし、
気持ちが揺れ動いても仕方ないと思えました。

かなり激しいと噂の性描写ですが、私はあんまり・・・
体位があまりにアクロバティックすぎて、スポーツっぽいというか
かえっていやらしさはなかったですが。
2人とも、相手の目を見ながらのセックスはできないのですね。
後ろから・・横から・・目隠し・・・
徹底的に、無防備な自分の心を見せないよう必死に戦ってる感じのセックスで、とても愛があるようには見えない。
でも、チアチーは、あの「奥さんが買ってもらえなかった指輪」を見た瞬間に彼の心を一瞬感じてしまったのですね。
だから、彼女も、心を開放してしまって、仲間を裏切った。

うーん、悲しい愛の形でした。
でも、やっぱ、トニーレオンじゃなきゃ観なかった映画だな。

愛というものの複雑さを巧妙に描いた作品。

投稿日

2008/09/19

レビュアー

靖王

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女スパイのお話です。
これを観て,名作シュリを思い出す方も多いのではないでしょうか。シュリからアクションの要素を排除し,相互の心理描写を深めた作品といっていいかもしれません。
女スパイ(タン・ウェイ)が,スパイを行い,反祖国者である憎むべきターゲット(トニー・レオン)に親和している姿を演じるその相反性がとてもよく描写されていて,彼女の葛藤に共感すると胸が痛みます。
そして,トニー・レオン(親日派)の,誰も信じられないその立場で,唯一心を許した女性が,皮肉にも自分を狙うスパイであるという事実にも心が痛みます。
そして,それらの心を浄化するような両者のセックス。感情・葛藤・心痛をすべて吐き出すその絵は迫力があるだけでなく猛烈な力に満ちています。悩むべき存在である人間としての,理想的なセックスと言ってもいいのではないでしょうか。
唯一心を許した人間に裏切られ,しかし命を救われた事実,そして彼女を死刑台に送り込まざるを得なかった葛藤。
一方,スパイという重圧と禁じられた愛から解放され,処刑を受けることによって魂がやっと解放されるかわいそうな女性。
彼ら,特に彼女のわずかなる人生はいったいなんだったのか,と思うと胸が張り裂けそうになります。
観終わって時間が経ち,いろいろな刺激を経た後も,心に重たく切なさが残っています。
ありがちなストーリーとしてくくられてしまう作品かもしれません。また,描写の鋭いセックスシーンがすべての印象を打ち消してしまうかもしれません。それでもなお,私は本作を,人間の複雑な心理世界を実に巧みに描いた大傑作といいたいのです。

私的評価:★★★★★(5点)

私も、ガラリーナさんのレビューにひれ伏します。

投稿日

2008/09/01

レビュアー

パープルローズ

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ガラリーナさんのすばらしいレビューを読んで、書けなくなっておりました。が、おうち大好きさんと同じく、ちょっとだけ書いてみたいと思います。

麻雀に興じる女性たちの絡み合う視線で始まる冒頭。その女性たちの中のひとり、マイ夫人ことチアリーは、美しいながらもどこかその化粧や仕草が幼い印象。
続く回想シーンで登場するチアリーは、あどけない普通の女学生なのだ。
その普通の女学生が、抗日運動に傾倒する学生に淡い恋心を抱いたがために、日本軍と手を組む男イーに色仕掛けで接近するという大役を与えられてしまう。

チアリーの仲間たちは、チアリーをマイ夫人にしたてあげて、イーに接近する機会を狙う。
男性経験のなかったチアリーは、練習と称して好きでもない仲間に処女をささげるのだが、それがとても痛ましい。せめて相手が恋心を抱いた学生だったなら。
抗日運動とは彼女にとってそれほどの価値があるものだったのか。

そんな状況下で出会ったイーとチアリーが交わす愛は「痛い」としかいいようのないもの。
週刊誌には「中年のおばさんたちが喜んでみる体位見本」みたいな書き方をされていましたが、官能的というには程遠い、相手をひたすらいたぶるような行為です。

物語の終わりの方で、チアリーは学生時代に恋心を抱いた男に再会するのだが、昔のあどけなかったチアリーはもういない。
もしも時代が違ったら、普通に恋をして普通に結婚して子供を産んでいただろうのに。
もしも時代が違ったら、イーとチアリーはもっと普通の出会い方をして、もっと優しい愛しかたができたかもしれないのに。
これはひとりの女性の愛の物語であると同時に、立派な反戦映画だと感じました。

痛々しく、存在を確かめ合う。

投稿日

2009/05/31

レビュアー

みみ

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 あどけない女学生だったチアチー。彼女に本当に高い政治的理念があったかといえば甚だ疑問。
 というか本当にそんな理念を抱いていたのは、きっとリーダー格のクァンだけだったと思う。他のメンバーは、ただ仲間の一員でありたいがため、一つの高尚な目的に向かって結束している!ということ自体に酔いしれていた感があります。
 有閑な学生たちによるレジスタンスごっこ。クラブ活動の延長。
 “集団”がなせる高揚とでもいうのでしょうか。気づけば、既に自分1人だけ元に戻れるはずのない状態に陥ってるわけです。

 こんな政治的背景をベースに、運命に翻弄される男女のドロドロとした情愛を描いた作品に仕上がっているのは、いかにもアン・リーらしい演出。
 軍人イーのねっとりと絡みつくような目線。突然サディスティックに豹変するイー。チャイナドレスからはみ出る脇毛。この適度に嫌悪感さえ催させる、ねばっこいエロス描写。さすがです。

 戦争というのは、人間を精神的に麻痺させるのでしょうね。何かを打ち消そうと、そして何かを埋め合わせようと、まるでもがくようにチアチーとの情事に没頭するイーの姿がとても痛々しかった。

 そして。。チアチーはイーを愛していたのでしょうか?
 これは私の解釈ですが、たぶんチアチーは無意識のうちに、彼にある種の同士的な連帯感を抱いていたのだと思う。似たもの同士。彼女もまたイーと体を合わせることで何かを埋めようとしていたのだと思います。
 「任務だから仕方なくやっていること。」自分の心に嘘をつきつつ、実は彼女にとって自分自身でいるために最も必要な時間だったのです。
 愛していたというより、酸素のように必要だった、というべきかもしれません。つまり任務完了と共に訪れるイーとの関係の終焉はきっと彼女にとって「死」と同義だったのでしょう。
 そして彼女の体に巻きついていた鎖、他の劇団員メンバーに繋がれた鎖はそのままに、彼女は死を選びました。ここらへんの演出まで手を抜かないところが、やはりアン・リーらしいと思いました。

行き場の無い、悲恋

投稿日

2009/05/12

レビュアー

ちぃ

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公開当初、雑誌でたまたま読んだのですが、題『色、戒』の色というのは情欲、戒というのは誓いの意味があるそうです。
中国では指輪のことを、指戒というと聞いた事がありますが、なるほどと言葉の意味を理解できますね。
ちなみにラストコーションのラストは、LASTではなく、LUST。色欲でしょうか?

全体的に台詞は少なめで、学生の「暗殺ごっこ」から始まります。
香港でのごっこは、ちょっと甘すぎなんじゃないのー?と気になることばかりですが、勿論モロバレ。
イーも、ヒロインが扮するマイ夫人と一日過ごした時点で、初めから明らかに怪しい彼女の、そつないように見えて少しおかしい会話〜なぜかグラスに付いた紅を指で拭わない〜多少強引に自宅へ引き入れようとする〜などなど立ち振る舞いの至らなさなどから、裏ありだと確信したハズ。
重要機関の人間としても、ごっこには本気で相手しない、可愛いもんだと思うところもあるのでしょうか。


私は目の演技といいますか、目で語られる部分の多い映画が好きなのですが、こちらはその辺裏切らなかったです。

冒頭の夫人たちの麻雀〜女達の戦場。あの目の動き、手指の動きの滑らかさ、淀みないおしゃべりの情報交換・・・
どこか気に入らない事でもあるかのようなマー夫人の目線、イーからマイ夫人への目配せ、、、
麻雀と言えば、雨の日、イーがマイ夫人に「チー」させた時のみんなの目。その後、マイ夫人がメモした番号をお菓子を頬張りながら見るイー(笑)


珍しいかもしれませんが、私はこのイー夫人がなんか好きです。
夫が若くて綺麗なマイ夫人に魅力を感じているのをそばで見ながら、とても鷹揚に構えていて、常に明るく変わらない態度でどの夫人にも接しています。
今までも、恐らく今でも、夫が自分にも身近な愛人を持っていることを勘付くことなど何度かあったでしょうに、夫婦間のぎこちなさなど微塵も感じません。
まぁここはクローズアップさせるとこでもありませんし、二人には二人の問題もあったかもしれませんが、イー夫人はネアカな良い性格してると思います(笑)


なお、この物語のキーとなっている指輪ですが、冒頭のシーンで夫が買ってくれなかったのよーなどと話題を出すのもイー夫人(笑)
マー夫人が大分前にイーに買ってもらったのであろう指輪に興味を示しています・・・
古いデザインなのよ、とイーを睨む夫人。私は古い女よっ、今度の愛人は随分若い子ですのねっと聞こえてきてしまいます・・・
イーとチアチーの攻防もそうですが、こちらの夫人たちの攻防も面白いです・・・


ヒロインのチアチーは、新人さんと言うことですが、チアチーを演ずる彼女は素朴なゆえの品があって、スラッと背が高く、背筋も伸びていて歩く姿が美しいです。チャイナドレスもスレンダーなので似合っています。
料亭のシーンが個人的に一番好きなのですが、この時のドレスも一番好きです!他にも芸妓さんの着物や部屋の調度類など、全体の色彩も綺麗でほーっとします。やはり日本人だからでしょうか。
このシーンでの腕枕のようなのも良いです。二人の心が通い合う、料亭のシーン、どうぞご堪能あれ。


三度のベッドシーンですが、二人の関係など様々な面での変化を表しており、重要な役割を担っています。ちなみに、エロさはあまり感じませんでした。


もとから長めなのに無茶言いますが、もう一シーンみたい感じでした。その後も見てみたかった気もしますが、傀儡政府の要人として、秘書に手配されるままチアチーを処刑し自分の身を守ったイーに待っているのは再び孤独でしょうね。
何故チアチーが危険だと知りながら、傍に置いておいたのかわかりませんが、孤独の中で、本当にチアチーのことを信じたかったのかも知れません。
微妙な揺らぎが多いので、じっくりみたい映画です。

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