腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

佐藤江梨子は怪物だ
眉を八の字に曲げ、口を尖がらせて「アンタのせいよ！」「仕送りしてよ！」と強気にのたまう。怖い。
この時、彼女は何かを捨てたんだと感じました。
顔の中で取り柄とも言えるバッチリお目々をサングラスで覆うと、残りは無残。ホントにブスに映る。
しかし首から下が、女の私でも惚れ惚れするくらいのスタイルの良さ。
スラリと真っ直ぐに長〜く伸びた足、付くべき所にはしっかりと付き、腰はキュットくびれている。
これこそ神が創り給うた奇跡。誰かさんがチョッカイ出したい気持ちも分からんではない。
ブサイクとカッコイイ。そのアンバランスさは殆ど怪物に近い。
モンスターがモンスターを演じているから、スッポリはまっちゃっていて文句のつけようがない。

「何なんだ？この映画」と思いながら最後まで目を離すことが出来ない。
言っときますが、最後まで観ても何のカタルシスもないですよ。
不思議、不思議、不思議な映画。
塩を撒いて御祓いしたいくらい、変なモノを見てしまったという後悔。

出てくる女たちは皆、“元気！！”です。
そのなかで永瀬正敏君ひとり燻ぶっています。腑抜けです。
最近精彩を欠いていますね。今回は、そんな役柄なのだから仕方ないのかもしれない。
彼の次回作に期待します。

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腑抜けども・・ってどんな人たち？

悲しみの愛・・ってどんな愛？

今一つ意味を理解し難いこのタイトルに前々から惹かれてはいた。
↓のＫ＆Ｂのママさんのレビューで、これは見なきゃ！というわけで、早速観てみた。

で、どんな人たちかっていうと・・
　
　寡黙で生真面目な兄(根暗）、

　バカがつくほど明るい（ちょっと頭のネジがゆるい？）兄嫁、

　女優志願の勘違い自己中女の妹（スタイル抜群だが性格超悪い）

　ホラー漫画が得意な内気な妹（覗きの趣味あり）

この4人を中心に、へんてこな愛憎劇が繰り広げられるのだ。
兄は父親の連れ子なので、二人の妹との血の繋がりはない。
自己中そのものの妹は当然自分の私利私欲のためなら、兄さえも誘惑する。
兄は妹の毒牙から逃れられず、結婚しても嫁とはセックスレスだ。
そもそもこの結婚も身の回りの世話をする人が欲しかっただけではないのか？
そんな嫁は、人がいいのか、ねっからのお人よしなのか、はたまたちょっとおつむのネジが緩んでいるのか、罵倒されても蹴飛ばされても、麺つゆかけられても、笑顔を振りまく。
（その笑顔はやがて狂気に変わるのだろう・・と思わせる危うい感じが永作博美、実にうまいのだ！）
そんな大人たちを常に陰から覗き見する末の妹。
彼女のその内側にこもる怖さが、その存在こそが、この一家の”悲しみの愛”そのものなのかもしれない。

タイトルで書いた見事な転がり方は早いうちに出てくるので、お見逃しなく！
あ、男性陣にとってはサトエリの見事なセミヌードの方が観たい・・てか？（*≧∇≦) ♪　はい、はい、観れますぞ〜♪

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　確かにあまりの勘違いぶりには失笑するしかないけど。でも自意識過剰自己愛肥大は現代人共通の病。澄伽みたいにそれをどーんと周囲にまき散らすわかりやすいタイプもあれば、引きこもって外界との接触を避け自我が傷つくのをひたすら避ける逃げの一手のタイプもある。ふつうはそれこそ空気を読んで、自我が傷つかぬよう、かつ自己愛が適度に満たされるよううまく立ち回る。こんなふうに匿名で偉そうにレビューなど書いているのも、そんな臆病な自己愛、自己顕示欲の発露か、との苦い自覚が私にもあります。

　それはともあれ個性を大切に私らしく生きようとの世の建前を疑わず、夢をあきらめるな、保険会社だって消費者金融だって「あなたの夢を応援します」と言ってくれているじゃないかと素直に信じ込んだ澄伽に「現実」を突きつけ、容赦なく最悪の状況に突き落とすのがこの映画の骨子。自己愛型人間の常としてうまくいかないとすべて他人のせいにするのだが、最後は責任を負わせていた妹清深に強烈な反撃をくらう。「手紙」の趣向はけっこうすぐに予想がついた。自尊心のすべてを粉々に打ち砕かれ呆然自失の澄伽。万事休す。これほどの自己愛人間がここまでの打撃を受けたなら後は自殺ぐらいしか・・と思いきや、彼女は死なない。漫画家としての才能を見事開花させて東京へ向かう妹を追いかけ、殴り合いのケンカ（これは相互理解の象徴）のあげく、「私を見るなら最後まで見なさい。これからがおもしろいんだから」と言い放つ。

　自分の思い描いていた自分の姿があっけなく崩れ、夢は消え去り自尊心ボロボロの、最悪の状況を澄伽は乗り越えたのである。「これからがおもしろいんだから」の台詞が実にいい。自分の実像に向き合ってとにかく生きていく決意をしたのである。自分の客観的な姿、容姿であれ能力であれ人間性であれ、を突きつけられて動揺し絶望しそうなそこのあなた（って一番あてはまるのはおまえだ）に見てほしい。勇気づけられるはずです。
　自己愛とは無縁の希有な人間、兄嫁の待子がいい味を出している。他人を受け入れ愛することができるのはこういう人だとよくわかる。

　誇張された人物像、不自然な設定、いかにもというあざとい演出と、B級テイストをそれとなく感じてしまうが、映画の言わんとするところはなかなか鋭い。身につまされました。



　

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まったく内容の予備知識無く新人の作品を見るのは楽しい　この内容でサトエリが主演だから　彼女がかき回す家族の話なのかなが先入見　それで冒頭が道端の猫のアップに続き事故が起こり　葬式へと　ここは気に入らないな説明的で漫画チックである　って原作漫画かあ　このあとけっこう面白くなってこんな家族論映画も初めてだなあと思ったりするけど　漫画が原作なら面白くて当たり前が日本ですわね

映画も半分も過ぎてようやく　究極の自己中馬鹿女のサトエリを観察している妹の存在が重要であることに気がつく　サトエリは映画女優を目指しているわけだけど　このエピソードが傍系に追いやられているのは　観察者の妹が漫画家を目指していること　つまり姉は素材で妹が隠れ主役の芸術家映画なわけである　昔のハリウッド映画にはごまんとあった　ある人物を第三者が語りながら進む映画形式なのね　今頃それをやると新鮮に見えるわけですわね

サトエリがもしかしたら映画にたどり着くまでの悪夢がこの映画なのかもしれないんだけど　赤い封筒とその中身は懸想してる映画監督には届いていなかったわけで　映画はまだまだこの映画内では実は等閑視されてるわけです　映画にたどり着けない映画の姿　それを意識的にやっているのかどうか

ここでのクリエーターは漫画家で映画の創造の話ではない　それを入れ子構造にして　かろうじて映画してるなあと感じるのは　例えばつまらぬ書割のジャングルを進むアバターのようにサトエリが　映画内を泳ぎ回る姿とか　永作博美のこれは映画的な表情だなあと思わせてくれるなかなかうまい演技などかな　てなわけで次回作「クヒオ大佐」がこれまた題名からはわけのわからない映画で楽しみにしていましょうか　　

度肝を抜かれました。
始まってすぐに・・・・(；￣o￣；)はうっ!!
「何だ今のっ!!」　と思った瞬間の出来事だったので、巻き戻って３度。
いきなり凄いシーンです。。。

もう、私の心は釘付けです！
この後の展開が楽しみで、気持ちがワクワクして仕方ありませんでした。


頭の中で「借りて良かった〜♪」なんて思ったり。
正直、佐藤江梨子は頂けない。
彼女に魅力はないし、演技も下手だし。
でも、そこを我慢して見る価値は十分にあったと思う。

この映画を引き立てていたのが、妹の清深。
清深の書くイラストが凄くインパクトがあって良かった。
あれ、漫画であるのかな？　気になる。

登場人物が全て、変態 ｏｒ 変人。
ストーリーも普通ではない。

見応えがしっかりあり、ワクワクドキドキした作品でした。