それでも生きる子供たちへ

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ルワンダ、セルビア、アメリカ、ブラジル、イギリス、イタリア、中国・・・

様々な国、様々な状況下での子供達。
これからの世界を担う子供達。
大人が作った世界に翻弄される子供達。
したたかに生きる子供達。

この映画は全編を通して、子供に希望を託しているように思える。
きっと希望だけでは、どうしようもない現実もあるだろう。
子供に希望を託さなければならないほど、大人の世界は病んでいるのだろうか。

間違いなく今の子供達が大人になってゆく。
その時、世界は明るい未来が開けているだろうか。

邦題が邦題なので、どれだけ子供たちが辛い思いをしているのだろう、と覚悟して見ていましたが、パンドラの箱には希望がありました、って感じでさらっと観れてしまったのが何か……

でも幸せじゃん?
子供ってしたたかじゃん。

と言ってしまいそう。
こんなに苦しい子供たちがいるんだから、ユニセフにちょっとでも募金を！ とか思わせない造りなのはわざとなんでしょうかね。
あきらかに、もっと困っている頻度の高い子供たちが山ほどいますよね。

逆に、
「この子たちのように、あなたは人生を、頭を使って必死に生きていますか?」
という問いかけに思えました。

これを観て、何を思え、と言うのか。

母の感想
「たくましいねぇ……」

日本の平和な生活を送る子供たちが是非みるべき。

いや、でも日本でも虐待などで学校に行かせてもらえないこもいるかもしれませんが。

しかし、この映画は考えさせられる映画でした。

豊かな国アメリカの抱える病理。。エイズ

日本ではあまり触れられませんがこのテーマが一番日本に近いのでは。。

自分的には戦後まもなくを思い出させる『ビルーとジョアン』も印象的。
2人の兄妹が鉄くずなどを拾ってお金に替えている生活。
日本の戦後と違うのは、横の高速道路にたくさんの自動車が走り、貧民街の後ろに何十階もの高層ビルが立ち並ぶ風景。
恐ろしいほどの貧富の差。

同じく中国の『桑桑と小猫』
自分の生活を見てくれていたおじいさんがなくなったことで、まるで日本の女工哀史のように、ひとつの部屋に掘り込まれ、働かせ、成績が悪いとご飯を抜かれ。。。

方やお金持ちでも心が満たされない少女。

この貧富の差の激しさがなんともいえない。

子供たちが見て、おとなたちが見て問題意識を持って欲しい作品でした。

子どもの強さ、純真さ、美しさが溢れるオムニバス形式の作品。
決して辛い思い、悲しい思い、寂しい思いをさせまいと誓うのであった（いちおう親なので）。

なお、公式HPには、それぞれの監督からのメッセージもあるので、訪れてみては？
「我々は世界の子供たちを救う話をしているが、本当は子供たちが我々を救っているのだ。彼らの強さと愛が世界を変えていくだろう。」公式HP　ジョン・ウーからのメッセージより

オムニバス映画は、色々な味が楽しめるのでとても得した気分になれます♪

１本20分ぐらいですし、やはり登場人物も台詞も少なく、監督の伝えたい事を映像からも読み取っていくというこの快感がたまりません。

今作品は題名どおり、どんな状況にあろうとも必死で生き、自分の置かれた状況で楽しんで行く前向きな姿が現れていて、とても元気づけられました。
題材が民族紛争や貧困問題、病気に関する事なのであまり気持ちのいいものではないのですが、子供は親を選べないというように今の自分に生まれてきたのは本当にすごい確率なんだから、大事にしていかなければなぁと反省させられました。

娯楽を求めてこの映画を観るとがっかりするとは思いますが、出来るだけ沢山の人に観てもらいたい作品です。