魔笛

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恋がうまく行かず、その絶望のあまりにロープで縊死しようとする場面が、パミーナ（エイミー・カーソン）とパパゲーノ（ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス）の二人によって反復されている。それが、本作品の隠された主題に繋がっているのではないだろうか。

夜の魔女（リューボフ・ペトロヴァ）とザラストロ（ルネ・パーペ）の戦いに巻き込まれた主人公タミーノ（ジョセフ・カイザー）であるが、それは希望と絶望との戦いであるようにも取れる。彼に課せられた試練は、誰の心の内にある絶望をいかにして乗り越えていくためのものである。

希望と絶望は表裏一体のもので、それぞれの心の中での攻防は、微妙なバランスの上で戦っている。希望が勝利するより、些細なことで絶望が勝ってしまうことが多い。その例をパパミーナたちが示しているように感じる。

だが、いかに絶望が優位に立とうとも、完全に希望を打ち砕くことはできない。問題は、絶望に覆われた心の中から、わずかな希望をいかにして見付け出すことができるかである。誰にでもできるようで、なかなか難しい。しかし、心の鍛錬によって身に付けることも容易なのである。そのための試練であったと思う。

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背広を着たタミーノなんて今は普通だし、軍服を着てもぐっと我慢すればどおってこともないけれど、最後に序曲を流すのには参ったな。「どうなってるのよ、もう一回観ろとでも言いたいのかぃ?」と腹が立った。
その上英語の歌詞で、その内容もかなり変えている。
歌詞を英語にしたのはどうしてなのか調べると簡単な理由だった。この映画化をする時のスポンサーがイギリスの財団で、イギリスでのオペラ普及の為に歌詞を英語化にすることを推進していたから。

甘いね、お金がからむとシカネーダの歌詞も変わるんですか。
「おいらには、おいしいものとかわいこちゃんがいればそれで十分」と歌う素朴なパパゲーノが「女が欲しい」と騒ぎ立てる只の盛りのついた男になってしまっている。
観る気がなくなったぞ。

その上、モーツァルト最上の音楽、「悩むパパゲーノ」から「自殺しかける」「子供とのかけあい」「パパパの歌」という流れでの、たった20分足らずで歌詞と合わせて転調を重ねつつ心情の変化を表現する場面も子供の歌詞・パパゲーノの歌詞変えちゃうものなので、だいなしになってしまっている。

私はこの場面を観るために「魔笛」はずっと我慢して、今となっては意味不明となってしまった筋書きを追いつつ観ているんだ。本当にえっえーーー!、そんなぁ…とほほ…ですよ。

その他、第一次大戦にする意味が途中で消えてしまっていることも不満だな。

大金使って何してんのよ、と言いたいものを観てしまった。

　映画館で観れなかった事が非常に悔やまれる作品です。

　家の小さなテレビでは、このファンタジックな美しい映像と、本物のオペラ歌手の素晴らしい歌声が勿体無いなかったな。。。

　有名な夜の女王のアリアも良かったし、パパゲーノも想像していた通りの雰囲気が出ていたので、私としては大満足です。
　
　やはり基がオペラなんだし、これぐらい大袈裟な演出で良いのではないかと思います。
　
　確かにオペラというのはストーリーが単純で分かりやすいものが多く、映画としての深みや展開を求めて観てしまうと飽きてしまうかもしれませんが。

　オペラが少しでも好きな人なら、楽しめる作品なのかもしれないですね。
　

　

「METライブビューイング」という、映画館でオペラを観る事ができるこの機会にオペラ観劇に初挑戦しようかと考えている。

クラシック音楽も、ミュージカルも好きなのでオペラもきっと好きなはず。その前にオペラを映画化したこの作品を観て自分はついていけるのか試してみた。


・・・ちょっと無理かもしれない。
美しい声だとは思うが、女性のソプラノの声に頭がクラクラしてしまう。METライブビューイングがちゃんと観れるのか心配になった。

私が劇場で鑑賞した初めての歌劇はこの魔笛でした。日本語でないので筋など全然わかりませんでした。おそらくこの映画をそのまま観てもあまり話の筋など追う気になれないでしょうね。それでいいのですが。魔笛は脇役（タミーノとパミーナが主役とすれば）で持っている、と感じている人が多いのではないでしょうか。お気に入りはパパゲーノと夜の女王（と3人の侍女）です。これだけ見てても楽しい。あの有名な「夜の女王2番目のアリア」の場面を見てリューボフ ペトロヴァが好きになりました。舞台では到底できませんが、怒りに震えて頭に血が上っている所を表現するときっとこのようになるのでしょうね。これも映画版の楽しいところです。あの「アマデウス」では義母の小うるさいお小言が着想になっているように描かれていたと覚えていますが、笑ってしまいました。モーツアルトも観たかったのではと思います。それから話の筋はあらかじめ予習した方がいいかもしれません。へーこの場面はこのように見せているのかと感心することがあるかも。