バルトの楽園

捕虜シリーズでは「戦場にかける橋」や「大脱走」など第２次世界大戦ものが有名ですが、第１次世界大戦関係は見たことがない。捕虜は丁寧に扱い、まさにこの時代は負けたものにも敬意をはらう「武士道」が生きていたんですね。戦争関係の映画でありながら、ほのぼのした映画で良かったと思います。
私も徳島旅行に折にロケ地を訪れましたが、埃っぽくてガランとしていましたが、映画で見るのとは違いました。
余談ですが、この時期、中国・青島で菓子店を経営していたカール・ユーハイムが進軍した日本軍に広島に強制連行されて、後に会社を興し、今では有名な洋菓子「バウムクーヘン」を日本に広めたそうです。

東映の波がザーンと打ち寄せ、
お国の推薦のマークを見せられた時点で、
あっつ。。やばいかっ、と思います。

そして、今時いかにも、のわかりやすい
戦闘シーンや効果音楽に、
ひしひしと不安の思いが。
「ひょっとしてこれってむっちゃベタなん？」

が、どのシーンからだったでしょうか。

気づいたら涙が一筋、二筋、幾度となく。

捕虜の先生の奏でる、美しいヴァイオリンの
音色のあたりからだったか。

人間は、ものすごく愚かな行い（戦争）を
するのに、同時にまた、
崇高で誇り高い、間違いを正せる、
人を愛し、信じ、助け合い、支えあうことのできる、
そしてまた、とてつもなく美しい
音楽を奏でることのできる、
稀有な生き物なのですね。

そういうことをシンプルに（ベタに）
伝えてもらうのって、
今たぶんすごく必要だった、のでしょうね。
のんびり生きているつもりでも、
不安で嫌な感じが知らぬ間に侵食してくる
いま、この時に。

【映画ご意見番評価】７段階評価　０：見るに耐えない、１：最悪、２：やや不満、３：普通、４：やや満足、５：「えがったー！」、６：「もう一回見てみたい！・・・この映画の評価は『６』、寸評：やっと出会いました。１００本に１本の名作。様々な人々のドラマにしつこさなく、しかしうまくさりげなく折り込み、第九に収斂していく絶妙さ、最後に第九最終楽章を２回聞いても感動に無理も無く、これまたさりげなくなぞり、第九を違った感性で聴いた思いでした。こんな映画を作っていかないと、邦画映画負けちゃうヨ。この映画は、永久不滅の心境にて、ＤＶＤを購入することにしました。

あまり期待してなかったのですが、とても楽しめました。

会津出身ということで虐げられて経験を持つ松江が、それをばねに、捕虜とはいえ人権があるというスタンスで接するさまがとても良かったです。

実話だそうですが、会津というだけで出世もろくにできなかったということは知りませんでしたね。

周りの人たちが松江の人柄に惹かれているので、みなが捕虜に親切なのも、心が温まりました。
捕虜の施設は全部オープンセットだそうで、臨場感あふれます。

ラストの第九、私的にはつぼにはまりました。

暴れん坊以外のマツケンもなかなかいいですね。

ちなみに松江の父役の、会津の総長、三船史郎です。『雨あがる』で、殿様をやった人。

大後寿々花ちゃんもでてます。とてもかわいい。
坂東捕虜収容所に住んだ経験のある坂東英二もいやみな役ででてますよ。

阿部寛や、泉谷しげるなど、結構出演者も豪華です。

多くの方のレビューを読み、あまり期待しないで借りました。
ところが、夫と一緒に見始めるとストーリーが分かりやすく、戦争中の話にもかかわらず、あたたかい、心があったまるエピソードが多く、最後まで見ることが出来ました。
実話ということですが、実際の収容所にはテニスコートもあったとか。
人道主義なんでしょうね、所長さん。
最後の第九のシーンはちょっと長すぎてだれてきますが、まあまあ楽しめました。
音楽はちょっとやかましいかな。