ミュンヘン / エリック・バナ
ミュンヘン
/スティーブン・スピルバーグ
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(236)
解説・ストーリー
スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をドキュメンタリー・タッチで描いた衝撃の問題作。1972年9月、パレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的にイスラエル選手団の11名が犠牲となる悲劇が起きる。これに対しイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する…。
スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をドキュメンタリー・タッチで描いた衝撃の問題作。1972年9月、パレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的にイスラエル選手団の11名が犠牲となる悲劇が起きる。これに対しイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する…。
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「ミュンヘン」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をドキュメンタリー・タッチで描いた衝撃の問題作。1972年9月、パレスチナのテロリスト集団“黒い九月”がイスラエルの選手村を襲撃、最終的にイスラエル選手団の11名が犠牲となる悲劇が起きる。これに対しイスラエル政府は犠牲者数と同じ11名のパレスチナ幹部の暗殺を決定、諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺チームを秘密裏に組織する…。
「ミュンヘン」 の作品情報
「ミュンヘン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ミュンヘンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
163分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
DDSZ112439 |
2006年08月18日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
30枚
|
1人
|
0人
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1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
ミュンヘンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
163分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
DDSZ112439 |
2006年08月18日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
30枚
|
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ユーザーレビュー:236件
家族愛を描いたゴットファーザー(復讐戦)のテロ版
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
国家としての家族より、身近な家族である妻と娘を守ることが一番大切こと。
冒頭の子供が産まれる過程と暗殺シーンでの葛藤。
電話爆弾のシーンでは、パレスチナ幹部の娘に「受話器取るな!」と感情移入。
子供が生まれた後、チームの一人が「おめでとう」を2回言います。
家族を大切にする「パパ」と呼ばれる情報屋ゴットファーザーとの料理と食事を通しての不思議な信頼感。
絆を深めるシーンや、大切なシーンは家庭の象徴として食事やキッチンが登場します。
曇り空の川辺で、モサドの上司にイスラエル(国家)の家族に戻ることを勧められ「NO」と答え、逆に家庭の食事に上司を招待しますが、断れるシーンで終わり。
政治的背景を知らなくても、「家族愛」を考えて映画を見ていると、スピルバーグらしい、2時間43分の長さを感じさせない、楽しめる映画でした。
アカデミー賞は無冠でしたが、テーマの深さは『プライベートライアン』以上、感動度は『シンドラーのリスト』以下が私の評価です。
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7人の会員が気に入ったと投稿しています
否定的記号として使われる「 ユダヤ 」について書いておきます。
もう一つのレビューで作品について書きますが、ここではユダヤ人に対して語られる否定的イメージについて書いておきます。
長くなるので、分けました。 レビュー以外のことを書いてすみません。
極東に位置し、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という同根の一神教とは違う宗教風土に生まれ育った日本人は、僕も含め一般的に「 ユダヤ 」についても、「 反ユダヤ 」についても疎い。
欧米では「 反ユダヤ 」は広範かつ根深いが、日本では知識と関心が薄いだけにスルーされがちで、誤認、誇張、ねつ造、曲解にはからめとられないように注意しないと危うい。
「 ユダヤ陰謀論 」は、僕が若い時にもすでに手あかがついた陳腐なものでしだが、現在でも興味本位の出版物を見かけるし、ネットで検索すると上位にでてくる。
ウィキペディアなどでも出典や外国語版などと照合しないと、疑わしい内容が平気で記述されているので、要注意と思ってます。
ナチスのユダヤ人の定義は両親か祖父母のうち一人でもユダヤ教徒なら「 ユダヤ 」とみなして全人格を否定する、というめちゃくちゃなもの。
つまり4分の3の血がドイツ人であってもだめ、当人が改宗したキリスト教徒でもだめ、ドイツに生まれ育ちユダヤ文化となんのかかわりがなくてもだめ、鉄十字勲章を受けるほどの軍功があってもだめ。
手塚治虫の「 アドルフに告ぐ 」のモチーフにもされたヒトラーユダヤ人説はそうしたナチスの人種論の不毛さ、不条理さに対しての痛烈な皮肉と考えるのが一般的。
にもかかわらず、逆に説に乗っかって「 ヒトラーはユダヤ人の可能性があり、ヒトラーがユダヤ人を虐殺したのも、つながりのあるロスチャイルド家の指示によるもの 」として「 反ユダヤとされる凶行も、実はユダヤの陰謀 」などというのを目にすると、さすがにウヘー、ゲロゲロという感じ。
ユダヤ系はあらゆる分野で存在感が目立つだけに、何かを否定したい特には、「 記号としてのユダヤ 」と絡めて決めつけ攻撃するのは、ヘイトにとっては「 便利で効果的 」。
たとえば「シャイロックのような強欲な商人」「ロスチャイルドのような冷血の資本家」「トロツキーのような革命扇動家」など類型的イメージを使えば、資本家も共産主義者どちらも同時に「ユダヤ」で攻撃できてしまう。
他にも異教徒、無神論者、グローバリズム、弁護士、ジャーナリスト、インテリ、難民・・など、「 ユダヤ 」はオールマイティなどんなヘイトにも使える否定的イメージの「 記号 」として便利使いされてきた。
そうした「 ユダヤ陰謀論 」への疑問を、この後またしても長々と書きますが、残念ながら、僕には論破できない。
論破と言うのは、同じ前提の土俵で議論する者同士で可能なことだが、暗黒神話、ダーク・ファンタジー、荒唐無稽な妄想の類はそもそもなんでもありなので、話は元からかみ合わない。
徒労に終わるのを覚悟の上で、僕はただ自分の疑問を述べるだけ。
読まれたおのおのがご自身の見識で評価していただくしかありません。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
戦場のない戦争
父を殺された子供は、父を殺した相手に復讐し、そのまた子供が彼に復讐する。この憎しみと復讐の連鎖は、いったいいつどうやって終焉するのだろう?
時が経っても自然に解決するものではない、ということはこのミュンヘン事件の1972年から現在までの時間が証明しています。
アパートの自室に戻っても、任務を終えて家族の元に戻っても、常に背中を気にして歩き、爆弾を疑って室内を見回す毎日。どこに逃げても追いかけてくる、それがいつまで続くのかわからない、気が遠くなるような恐怖。
それはまさしく戦場のない戦争であって、ある意味、戦場にいる兵士よりもつらい地獄だと思った。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
永遠に続く
投稿日:2006/12/13
レビュアー:iuiu
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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報復の連鎖にまつわるむなしさを、理解する人は苦もなく理解するが、理解しない人は永久に理解しない。この作品はイスラエル・パレスチナ両陣営から非難されたということだが、それもそうだろう。
コメディアン出身だそうなのになぜかいつも薄幸感のただようエリック・バナの演技がよかった。妻と子を愛し守るごく普通の優しい父親が、暗殺部隊のリーダーとして活動していくうちに変貌していく。
最初に着任したときの、11人を殺せば元の生活に戻れるという期待はどんどん薄らいでいき、アブナー本人も据わった目で「いつまでかかっても敵を全部殺す」と宣言し、自身狙われるようになって狂ったようにベッドマットをナイフで引き裂く場面に至っては、ああ彼はもう元のアブナーではないのだな、もう優しい父親には戻れないのだなと思わせる。
愛する妻と再会して抱き合うとき、彼の目は妻を見ていない。妻を抱くシーンに暗殺現場のたくさんの映像がフラッシュカードのように差し込まれ、アブナーの表情がどんどん狂気をはらんでいく。
街を歩きながら身を隠し、自分や家族を狙う者の影に怯えている姿は、もう健康的な市民のものではない。
失ったものは多いが、得たものはなんだろう。
すべての保障を失い、「存在しない者」となって危険な任務につく彼の妻子には月々千ドルが支払われる。
今と同じ貨幣価値ではかるわけにはいかないし、日本円に換算してもあまり意味がないが、当時のレートで36万円。高いと見るか安いと見るか、人によるかも知れないが、すくなくとも高くはないだろう。
人生を棒に振らせるような任務につけておいてその程度の報酬しか支払わない一方、わずか数人を殺すために何百万ドルもの金(もちろん人命も)が費消される。そうまでして報復を行わなければいけないという信念が存在するなら、連鎖が永久に断ち切られることはないだろう。
ミュンヘンオリンピックのテロについてはほとんど記憶がないが、当時やけにしょっちゅうハイジャックが起こっていたのはうっすらと覚えている。当時テレビから覚えた「テルアビブ」という語を聞くと、今でも停止した飛行機のロングショットが即座に思い浮かぶ。
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テロの報復合戦は修羅の道
( ネタばれあり )
本作は、1972年に起きたミュンヘン・オリンピック・テロ事件に対するイスラエルの極秘報復作戦を描きます。 アカデミー賞では作品、脚色、監督賞など5部門にノミネート、多くの批評で支持された一方、スピルバーグがユダヤ系であるだけにそのスタンスは注目され、政治的論争を巻き起こしました。
ちなみに原案となった本の著者ジョージ・ジョナス、脚本のトニー・クシュナー( 「 エンジェルス・イン・アメリカ 」『 リンカーン 』など )とエリック・ロス ( 『 フォレスト・ガンプ 』など )もユダヤ系。
しかし、本作はイスラエルを一方的な正義の側とはしていなくて、エンテベ空港事件ものや一部のホロコーストものの映画のようなイスラエル寄りのプロパガンダとは僕に思いません。
実際、イスラエルとアメリカの保守系ユダヤから、イスラエルとアラブのテロリストを同列に描いていて反イスラエル的だ、などと非難されました。
一方、「 憎しみの連鎖は悲惨なもので、報復はむなしい」という結論は、予定調和だとか、おざなりで偽善的とする批判もありました。
たしかにアメリカとイスラエルを批判する観点からすると、踏み込みの弱さは否めません。
またスピルバーグはイスラエルに大額の寄付したことがあり、そのために作品ボイコットの運動をされたこともありました。
ただ、ハリウッドではイスラエル批判はタブーと言ってよいと思いますが、この作品はユダヤ系のスピルバーグだから作れたのであり、同じ内容をユダヤ系でない監督が作ったら、おそらくもっと反ユダヤ的と叩かれたと思います。
9.11以降のスピルバーグ作品は、『 マイノリティ・リポート 』が政府による国民監視と予防拘束、『 リンカーン 』はアメリカの分断、『 ブリッジ・オブ・スパイ 』は敵対する者同士の信義、『 ペンタゴン・ペーパーズ 』は知る権利とメディアの責務をモチーフとしており、個人の自由と尊重ががスピルバーグの考えであり、リベラル志向のアメリカ人の一人だと思います。
本作はイスラエルを照らし出すことで、その後を追うように血塗られた歴史をたどっていくアメリカへのメッセージと思うのですが。
ちなみに、調べた限りでは、エリック・バナ、ダニエル・クレイグ( 発表はされていたが、当時まだジェームス・ボンドではない )、キアラン・ハインズ、ハンス・ツィッシェラー、ジェフリー・ラッシュらは調べたかぎりではユダヤ系ではないようで、ここらもテロを普遍的なテーマにしているようで、スピルバーグのバランス感覚かな。
反ナチを訴える際に反ドイツとしないように、イスラエル批判を反ユダヤとしないような配慮のように思います。
『 ヤヌス・カミンスキーのキャメラによる映像は重厚で、本作の残忍な暴力シーンは『 E.T 』や『 インディー・ジョーンズ 』と同じ監督の作品とは思えない。 スピルバーグのアナザーサイドですね。
ちなみに僕は『 プライベート・ライアン 』はあまり評価しません。 まるで本当のような戦闘シーンととってつけたようなヒューマニズムのお話しだったので、実際の戦争などのニュース映像をうそっぽく見せてしまうようになったと考えるからです。
本作にはヒロイズムはなく、暗殺チームは素人のような手際の悪さ。 観終わってもカタルシスはなく、葛藤があり、もやもやとした後味です。 それがリアルで、テロの悲惨さが僕たちの日常とつながっていると思えるのです。
なお、2007年3月6日付けの干し草さんのレビューが本作のベスト・レビューと思います。
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
家族愛を描いたゴットファーザー(復讐戦)のテロ版
投稿日
2006/09/24
レビュアー
ひらり
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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国家としての家族より、身近な家族である妻と娘を守ることが一番大切こと。
冒頭の子供が産まれる過程と暗殺シーンでの葛藤。
電話爆弾のシーンでは、パレスチナ幹部の娘に「受話器取るな!」と感情移入。
子供が生まれた後、チームの一人が「おめでとう」を2回言います。
家族を大切にする「パパ」と呼ばれる情報屋ゴットファーザーとの料理と食事を通しての不思議な信頼感。
絆を深めるシーンや、大切なシーンは家庭の象徴として食事やキッチンが登場します。
曇り空の川辺で、モサドの上司にイスラエル(国家)の家族に戻ることを勧められ「NO」と答え、逆に家庭の食事に上司を招待しますが、断れるシーンで終わり。
政治的背景を知らなくても、「家族愛」を考えて映画を見ていると、スピルバーグらしい、2時間43分の長さを感じさせない、楽しめる映画でした。
アカデミー賞は無冠でしたが、テーマの深さは『プライベートライアン』以上、感動度は『シンドラーのリスト』以下が私の評価です。
否定的記号として使われる「 ユダヤ 」について書いておきます。
投稿日
2021/11/13
レビュアー
ロキュータス
もう一つのレビューで作品について書きますが、ここではユダヤ人に対して語られる否定的イメージについて書いておきます。
長くなるので、分けました。 レビュー以外のことを書いてすみません。
極東に位置し、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という同根の一神教とは違う宗教風土に生まれ育った日本人は、僕も含め一般的に「 ユダヤ 」についても、「 反ユダヤ 」についても疎い。
欧米では「 反ユダヤ 」は広範かつ根深いが、日本では知識と関心が薄いだけにスルーされがちで、誤認、誇張、ねつ造、曲解にはからめとられないように注意しないと危うい。
「 ユダヤ陰謀論 」は、僕が若い時にもすでに手あかがついた陳腐なものでしだが、現在でも興味本位の出版物を見かけるし、ネットで検索すると上位にでてくる。
ウィキペディアなどでも出典や外国語版などと照合しないと、疑わしい内容が平気で記述されているので、要注意と思ってます。
ナチスのユダヤ人の定義は両親か祖父母のうち一人でもユダヤ教徒なら「 ユダヤ 」とみなして全人格を否定する、というめちゃくちゃなもの。
つまり4分の3の血がドイツ人であってもだめ、当人が改宗したキリスト教徒でもだめ、ドイツに生まれ育ちユダヤ文化となんのかかわりがなくてもだめ、鉄十字勲章を受けるほどの軍功があってもだめ。
手塚治虫の「 アドルフに告ぐ 」のモチーフにもされたヒトラーユダヤ人説はそうしたナチスの人種論の不毛さ、不条理さに対しての痛烈な皮肉と考えるのが一般的。
にもかかわらず、逆に説に乗っかって「 ヒトラーはユダヤ人の可能性があり、ヒトラーがユダヤ人を虐殺したのも、つながりのあるロスチャイルド家の指示によるもの 」として「 反ユダヤとされる凶行も、実はユダヤの陰謀 」などというのを目にすると、さすがにウヘー、ゲロゲロという感じ。
ユダヤ系はあらゆる分野で存在感が目立つだけに、何かを否定したい特には、「 記号としてのユダヤ 」と絡めて決めつけ攻撃するのは、ヘイトにとっては「 便利で効果的 」。
たとえば「シャイロックのような強欲な商人」「ロスチャイルドのような冷血の資本家」「トロツキーのような革命扇動家」など類型的イメージを使えば、資本家も共産主義者どちらも同時に「ユダヤ」で攻撃できてしまう。
他にも異教徒、無神論者、グローバリズム、弁護士、ジャーナリスト、インテリ、難民・・など、「 ユダヤ 」はオールマイティなどんなヘイトにも使える否定的イメージの「 記号 」として便利使いされてきた。
そうした「 ユダヤ陰謀論 」への疑問を、この後またしても長々と書きますが、残念ながら、僕には論破できない。
論破と言うのは、同じ前提の土俵で議論する者同士で可能なことだが、暗黒神話、ダーク・ファンタジー、荒唐無稽な妄想の類はそもそもなんでもありなので、話は元からかみ合わない。
徒労に終わるのを覚悟の上で、僕はただ自分の疑問を述べるだけ。
読まれたおのおのがご自身の見識で評価していただくしかありません。
戦場のない戦争
投稿日
2007/02/19
レビュアー
みみ
父を殺された子供は、父を殺した相手に復讐し、そのまた子供が彼に復讐する。この憎しみと復讐の連鎖は、いったいいつどうやって終焉するのだろう?
時が経っても自然に解決するものではない、ということはこのミュンヘン事件の1972年から現在までの時間が証明しています。
アパートの自室に戻っても、任務を終えて家族の元に戻っても、常に背中を気にして歩き、爆弾を疑って室内を見回す毎日。どこに逃げても追いかけてくる、それがいつまで続くのかわからない、気が遠くなるような恐怖。
それはまさしく戦場のない戦争であって、ある意味、戦場にいる兵士よりもつらい地獄だと思った。
永遠に続く
投稿日
2006/12/13
レビュアー
iuiu
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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報復の連鎖にまつわるむなしさを、理解する人は苦もなく理解するが、理解しない人は永久に理解しない。この作品はイスラエル・パレスチナ両陣営から非難されたということだが、それもそうだろう。
コメディアン出身だそうなのになぜかいつも薄幸感のただようエリック・バナの演技がよかった。妻と子を愛し守るごく普通の優しい父親が、暗殺部隊のリーダーとして活動していくうちに変貌していく。
最初に着任したときの、11人を殺せば元の生活に戻れるという期待はどんどん薄らいでいき、アブナー本人も据わった目で「いつまでかかっても敵を全部殺す」と宣言し、自身狙われるようになって狂ったようにベッドマットをナイフで引き裂く場面に至っては、ああ彼はもう元のアブナーではないのだな、もう優しい父親には戻れないのだなと思わせる。
愛する妻と再会して抱き合うとき、彼の目は妻を見ていない。妻を抱くシーンに暗殺現場のたくさんの映像がフラッシュカードのように差し込まれ、アブナーの表情がどんどん狂気をはらんでいく。
街を歩きながら身を隠し、自分や家族を狙う者の影に怯えている姿は、もう健康的な市民のものではない。
失ったものは多いが、得たものはなんだろう。
すべての保障を失い、「存在しない者」となって危険な任務につく彼の妻子には月々千ドルが支払われる。
今と同じ貨幣価値ではかるわけにはいかないし、日本円に換算してもあまり意味がないが、当時のレートで36万円。高いと見るか安いと見るか、人によるかも知れないが、すくなくとも高くはないだろう。
人生を棒に振らせるような任務につけておいてその程度の報酬しか支払わない一方、わずか数人を殺すために何百万ドルもの金(もちろん人命も)が費消される。そうまでして報復を行わなければいけないという信念が存在するなら、連鎖が永久に断ち切られることはないだろう。
ミュンヘンオリンピックのテロについてはほとんど記憶がないが、当時やけにしょっちゅうハイジャックが起こっていたのはうっすらと覚えている。当時テレビから覚えた「テルアビブ」という語を聞くと、今でも停止した飛行機のロングショットが即座に思い浮かぶ。
テロの報復合戦は修羅の道
投稿日
2021/11/13
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり )
本作は、1972年に起きたミュンヘン・オリンピック・テロ事件に対するイスラエルの極秘報復作戦を描きます。 アカデミー賞では作品、脚色、監督賞など5部門にノミネート、多くの批評で支持された一方、スピルバーグがユダヤ系であるだけにそのスタンスは注目され、政治的論争を巻き起こしました。
ちなみに原案となった本の著者ジョージ・ジョナス、脚本のトニー・クシュナー( 「 エンジェルス・イン・アメリカ 」『 リンカーン 』など )とエリック・ロス ( 『 フォレスト・ガンプ 』など )もユダヤ系。
しかし、本作はイスラエルを一方的な正義の側とはしていなくて、エンテベ空港事件ものや一部のホロコーストものの映画のようなイスラエル寄りのプロパガンダとは僕に思いません。
実際、イスラエルとアメリカの保守系ユダヤから、イスラエルとアラブのテロリストを同列に描いていて反イスラエル的だ、などと非難されました。
一方、「 憎しみの連鎖は悲惨なもので、報復はむなしい」という結論は、予定調和だとか、おざなりで偽善的とする批判もありました。
たしかにアメリカとイスラエルを批判する観点からすると、踏み込みの弱さは否めません。
またスピルバーグはイスラエルに大額の寄付したことがあり、そのために作品ボイコットの運動をされたこともありました。
ただ、ハリウッドではイスラエル批判はタブーと言ってよいと思いますが、この作品はユダヤ系のスピルバーグだから作れたのであり、同じ内容をユダヤ系でない監督が作ったら、おそらくもっと反ユダヤ的と叩かれたと思います。
9.11以降のスピルバーグ作品は、『 マイノリティ・リポート 』が政府による国民監視と予防拘束、『 リンカーン 』はアメリカの分断、『 ブリッジ・オブ・スパイ 』は敵対する者同士の信義、『 ペンタゴン・ペーパーズ 』は知る権利とメディアの責務をモチーフとしており、個人の自由と尊重ががスピルバーグの考えであり、リベラル志向のアメリカ人の一人だと思います。
本作はイスラエルを照らし出すことで、その後を追うように血塗られた歴史をたどっていくアメリカへのメッセージと思うのですが。
ちなみに、調べた限りでは、エリック・バナ、ダニエル・クレイグ( 発表はされていたが、当時まだジェームス・ボンドではない )、キアラン・ハインズ、ハンス・ツィッシェラー、ジェフリー・ラッシュらは調べたかぎりではユダヤ系ではないようで、ここらもテロを普遍的なテーマにしているようで、スピルバーグのバランス感覚かな。
反ナチを訴える際に反ドイツとしないように、イスラエル批判を反ユダヤとしないような配慮のように思います。
『 ヤヌス・カミンスキーのキャメラによる映像は重厚で、本作の残忍な暴力シーンは『 E.T 』や『 インディー・ジョーンズ 』と同じ監督の作品とは思えない。 スピルバーグのアナザーサイドですね。
ちなみに僕は『 プライベート・ライアン 』はあまり評価しません。 まるで本当のような戦闘シーンととってつけたようなヒューマニズムのお話しだったので、実際の戦争などのニュース映像をうそっぽく見せてしまうようになったと考えるからです。
本作にはヒロイズムはなく、暗殺チームは素人のような手際の悪さ。 観終わってもカタルシスはなく、葛藤があり、もやもやとした後味です。 それがリアルで、テロの悲惨さが僕たちの日常とつながっていると思えるのです。
なお、2007年3月6日付けの干し草さんのレビューが本作のベスト・レビューと思います。
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