ＳＷＥＥＴ　ＳＩＸＴＥＥＮ

ほんとうに悲しすぎるストーリーだなぁ。

ラストのリアムは１６歳の誕生日、こんなに辛く悲しく虚しく孤独で、これからどうして生きていけばいいのか。
俺にも、同じ年頃の息子がいるので、本当に抱きしめてやりたいと思った。
ラストのリアムの顔と後姿が、忘れられない。

強烈に観るものの無力さをさらけ出されて、参った。

でも、リアムみたいな子供は、どの国でもどの町でも居る、決して特別なことではないことが、余計に辛くなってしまう。

ケン・ローチの作品は、たいがい観ているつもりだけど、どの作日もとても悲しいよな、でも決して忘れられない作品が多い、この作品も忘れられない作品になったな。

ぜひ、ケン・ローチファン以外の人も観てほしいと思う。

★★★★　　＜最高５★＞

『マイネームイズジョー』と『ケス』しか見ていないが、その二作ともつながる世界がここにもある。
ちょっと見ているのがつらくなるような気もするが、それでも作り手が誠実につくっている以上、見る方もしっかり最後まで見届けなければいけない。
イギリスの労働者階級の悲惨な一面が描かれるが、もっと普遍的なこととしてとらえるべきなのだろうと思う。
そして、少年期のこころの動き、不安や葛藤、友情や母親や姉への思いなどがナイフのように見る側をひやひやさせる。
まさにケン・ローチの世界、独壇場というかんじ。
今年、カンヌでパルムドールをゲットした新作もはやくみたいものだ。

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英国だけではないだろうけど、貧富の差が激しい地域は、まだまだあるんでしょうね。以前に、少年（小学生）2人が2歳の幼児を連れ出し殺害してしまった事件、この少年たちは貧しい家庭の子たちでした（小学生という事で後に改名して出所しています）悪の道に進むのは簡単な事です、簡単な方を選ばず難しさに立ち向かう術を周りの大人が教えなくてはいけないのに・・・。リアムに姉と甥がいたのは救いでした、彼女たちと接している時のリアムは人間らしさを感じました、ただピンボールに焼かれた家を買った時に友達は、どうして買えるの？と疑っていたけど、お姉さんは微塵も疑っていなかったのが、どうして？と思いました。普通、煙草売ってるだけで、あんな家買えないだろうって思うと思うけど・・。弟がそんなに悪事に手を染めてるなんて思ってないんでしょうね。。とにかくいろいろ考えさせられる深い作品でした。

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これはかなりの傑作だと思います。見終わった後しばらく言葉が出ませんでした。突き放すのでもなく、甘やかすのでもなく、カメラは厳しい現実をひたすらに映し出していきます。リアム少年の「家族揃って平穏に暮らしたい」というただ１つの願いすら、現実は一向に叶えてくれません…。それでも挫けず、どうにかして夢を掴もうと疾走する姿が切なすぎました。期待とは裏腹に、悲しい１６歳の誕生日を迎えてしまったけど、少しでも明るい未来を掴める事を願って…。

もうすぐ１６歳になる少年が夢見てたものは、家族団らん。それだけだったんじゃないかって思う。

例え子供が聡明さを持ち合わせてたとしても、それを生かすのも殺すのも「親と環境」次第なんだろうな。

手を伸ばせばすぐ手に入りそうな小さな夢だけど、だからこそ一番難しいってことが多々あるもんです。