ピアニストを撃て

「ピアニストを撃て」（1960、フランス、白黒、88分）。原題は「Tirez sur le pianiste」で、邦題は正確な直訳でした。
パリのカフェ「マミィ」でピアノを弾く「シャルリー」（アズナヴール）は無口な男。両親は死に、三人の弟がいて、上二人はならず者になって出奔し、末弟「フィード」だけが同居親族。「レナ」（マリー・デュボワ）という恋人がいた。どうか、三人のままでと祈る彼であったが、ならず者の弟二人がいつも厄介ごとを持ち込む。冬のある日の夜、彼「シャルリー」は、不覚にも強盗事件に関わってしまう。
彼は、名前を隠していたが、アルメニア人の世界的なピアニストであったので、パリの高級バーで弾くようになった。しかし、彼は、またもや不忠の弟たちに奈落へ引き込まれる。
このあとの展開も広範囲で、悲劇となります。
トリュフォー監督作品は、悲劇が多いのですが、本作もかなり閉塞的不幸です。不思議なことに音楽、そして自分の不幸を知らない人との無駄話によって、救われる。そのことをトリュフォー監督は意識して作っているのでしょう。
途中、アズナブールではない、低声の男が歌い、最後に女声が重なる曲は、不思議な名曲で、歌手も曲名もわかりませんが、調べてみようと思います。

あまり良さがわからなかったです。

筋がわかりにくい

第一印象は”喜劇と悲劇とアクションがごちゃまぜになったような、何でもありだなー”という感じ。更にに回想シーンが絡まって、時間軸が時々分からなくなる時が有った。

ただ、そんなことは抜きにして、”この時代に仏人でこんな映画を撮る人がいた”、という驚きの方が大きかった。

これがヌーベル・ヴァーグか！

彼やクロード・シャブロル、エリック・ロメール等、皆ヒッチコックやワイラーの影響を受けているだけに、仏映画のエスプリは極薄。ハリウッド映画を独自に解釈して、実験的な試みをしている。
今見てどう思うか、ということよりも、”当時の映画文化の中でいかに異色だったか”という事の方が重要かもしれない。
　
あの、暗くて単調なフランス映画とは全然違うから、映画を掘り下げて見てみたい人は深く考えずに見て見ると良いでしょう。

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　サスペンスっぽくて展開は面白い気もするが、真面目なのかふざけてるのかよく分からない。会話も急におかしなこと言い出すし、アクションも言い争いしてる当事者が急に隣の人を殴ったり、なんか即興で演技してる感じだった。これってコメディ？
　　
　シャリルは臆病なピアニストだけど、そんな風には見えない。女性関係も豊富で、ベッドも結構大胆。むっつりスケベってやつです。（私のことか？）
　でも途中で雰囲気の良い歌が入っていたり、ベッドシーンもお洒落な撮り方してる。いかにもフランスっぽいエッセンスが入っている。
　でもやっぱり年代の古さか作風のせいか、この種の映画を初めて観ると途惑う。一回目はあらすじを掴んで、２回目人物の不可思議な動きを観察するという見方をしたら、割りと楽しめそうだ。そう、慣れることが必要。
　メッセージはどちらかというと内に向かってるような映画で、湿っぽい。

　シャルル・アズナブールって女性歌手だとばかり思っていたが、そうじゃないのね。あたしはなんて無知なの・・・。