王様と私

「王様と私」
それはボリューム感たっぷりのスカートが風をはらんで
大きく円を描く美しさ

「王様と私」
それはユル・ブリンナーがなんだかかわいく見える瞬間。


　なんか最近、無性にユル・ブリンナーが観たくて借りました。（別にハゲを見たいわけではない）
いやぁ、ひっさびさの再見ですがカッコイイ！　
顔がゴルゴ13ばりの劇画調なのに行動がかわいい！
王様、少年ですねぇ〜〜

　特に王様がアンナの腰に手をまわす時の息詰まる数秒は、
下手なラブシーンよりドキドキするかもしれません。普通
のボールルームダンスではなく、ぶん回し気味の豪快なス
テップ、これは子供心にもわくわくしたのを覚えています。

　リタ・モレノは、ウエストサイド・ストーリーの色気
むんむんの下町娘のイメージが印象強く、今回の耐える姫君
という悲しげな役はなんか意外。
（結局この姫、どうなったんだろう？）

　また、こっちが年とったせいかわかりませんが、今みると
第一夫人の歌、これが個人的にはキました！
「傷つけられても、たまさかのすばらしい一言で救われる」
というあの歌詞、重いっちゃ重いけどこれはこれでアジアの
よさじゃないでしょうか。
　こういう伏線があるから、死の床にある王様や凋落の危機に
あるシャムと世代交替の図がより切なくなるような気がします。


　後、ウエストサイドで有名なジェローム・ロビンスがクレ
ジットされてる割にダンスシーンがないなぁなんて思って
たら、劇中劇のアンクル・トム！　ちょっと学校の創作ダン
ス風で妙にエキゾチック〜〜。見ごたえあります。
　これが苦手という人も多いみたいですけど、個人的には
本作で２番目に好きなシーンです。

もちろん、一番はアンナと王様のあの有名なダンス！

　きっと去り行く王様の心には、シャムの未来だけでは
なく、くるくるとドレスが円弧を描くあのダンスも
蘇ったのではないでしょうか。

時々歌が入ってミュージカル調。
王様の仕草が時々カワイイ。
最初は中々馴染まなかったアンナと王様だが、最後には協力し合って国の危機を乗り越えるまでになる。
「シャルウィーダンス」ってこの映画の曲だったんですね。
劇中劇の「アンクルトムの小屋」がタイの文化満載って感じで素晴らしい。

ユル・ブリンナーの少年のような王様は適役！
アンナや他の役者も良かった！
そして、絵本のような絵の美しさ、音楽の美しさに感動。
劇中劇の「アンクル・トムの小屋」も面白かったです。
なかなか自分の知っている曲が出てこなくて、
途中でだれてしまいましたが
ラストはなんとも切ないですね・・・。

主演のユル・ブリンナーの大ヒット作品。
まさに適役。あんなに坊主頭が見合う人もいないですよね。この作品がヒットしたことで、彼は他の作品が出来なくなっちゃったのでちょっと可哀そうです。それほどインパクトのある作品だったのです。王様を教育するデボラ・カーも実にきれい！気品が溢れていてこれまた当たり役。異国の情緒たっぷりだし、スケールのある映画ですからぜひ観ることをお薦めします。

頑固者の王ブリナーと同じく頑固者の家庭教師カーの
維持の張り合いから打ち解けていくシナリオは、
とてもハッピーでいいね。
実話をもとにしているだけに、昔のタイ王国の雰囲気も
良かったですね。