ヒメアノ〜ル

ヒメアノールとは強者の餌となる弱者という意味らしい。
清掃会社でパートのバイトをしている岡田、その先輩である安藤、森田の高校時代の同級生森田、そしてカフェで働くユカを中心にストーリーは展開してゆく。
前半はほんわかとしたどこかかみ合わない恋愛論が繰り広げられるが後半になってそれは一変する。
「なにも持っていない者が底辺から抜け出すことはない」深い絶望感を持ち続けている森田の日常に潜んだ狂気が目覚める。
隣では誰かの身に惨劇が起こっているかもしれない現代社会、誰もが理不尽な犠牲者になるかもしれないという恐怖がある。
森田の狂気は高校時代に耐えがたいほどのイジメにあったことによって培われていたのだろう。
一旦セキが切れると止めようのない狂気、映像は森田のトラウマとその狂気の行動をエゲツナイほど克明に暴いてゆく。
同じように底辺を彷徨いながらも平凡に生きている岡田とユカの恋はチト不自然で違和感を覚えるものの、森田の狂気の前では吹っ飛んでしまう。
ラストのシーンで憑きが落ちたように高校時代の普通の思い出に戻る森田、彼にもこんな日々があったのだ。
最後のシーンでこの作品は救われたような気がするがあまりお薦めしたい作品ではない。

ストーカーに困っていたら、そのストーカーはホンモノのサイコパスだったので大変な目にあったと言う映画。
とかく恐ろしいとの評判を受け恐る恐る視聴。原作既読であることにそれから気付いた。序盤のゆるい底辺の日常会話。そうそうこんな感じだった。なんか大変な事にこれからなったような。と記憶を手繰りながら、にしても濱田君とムロツヨシのポジションは独占禁止法違反じゃないかなどと考えていたら、噂の森田（森田）登場。いっぺんに記憶が蘇る。そこでタイトル。長いオープニングだ。
映画はここからスタート。主人公森田君の異様さが徐々に明らかになっていく、原作既読の身からすればここの配役がより巧妙で、確かこうなるというおぼろげな記憶があるもののジャニーズがまさかとか、自分の記憶違いだったのではと思うことで知ってはいてもやっぱり驚くという新鮮さが幾分か担保されている。もちろん森田君の熱演あってのものではある。えらい。
この映画の恐ろしい所は日常の直ぐ隣。という所。生々しい演出は一見映画的ではない所がありながらその実、映画の効果を最大限にしている。もともと普通の高校生だった森田君がイジメを受け日常の隣側に行ってしまい、ギリギリで止まっていた所、失恋と裏切りによってホンモノになってしまう。
もはや歯止めが効かないこのモンスターは特に計画もないままに人殺しを繰り返す。ルールの無用っぷりが、いっそ誠実で、殺すという手段の暴力的な問題解決力でとりあえず今日を過ごす。という先が見えない上に先の無い、一人俺たちに明日はない状態で目的であるストーカー被害者の女性を探す。
被害者は日常の中、彼と出会ったという理由だけで殺される。彼の目的である女性もおそらく深い愛情があってのものではなく、なんとなく目がいったくらいのものだろう。モンスターを生み出した社会への制裁にしては重た過ぎるのか正当なのか。
とにかくモンスターを産んではならない事だけは覚えておきたい。
長々と書いたにしては個人的には評価はけして高くない。良い映画とはいえないと思うが語りたい映画だった。

ヒアノメール

東京:大田区 ほか（ロケ地:天王洲、よみうりランド、たまプラーザ、東伏見など）

ビル清掃のバイトする男が主人公。
その主人公を軸に先輩、旧友、恋人、友人などが絡み合い復讐を軸に心の闇を解放していく群像劇。（主要な役者さんみんな主演な感じ！★彡キャラが各々極まっていますね〜）


清掃バイトの先輩→バイト先輩が恋しているドーナツ屋さんで働く女性→働く女性をストーカーするサイコな男→サイコ男と学生時代同じクラスだった主人公→主人公と付き合うドーナツ屋さんの女性。

ま92B点！ すごいな〜ここまでやるとは森田さん！インパクト凄い！ストーリーは、エロく、暴力的で、ほろ苦い！ほろ苦い！苦い！

◯痺れた点。
1.スタートクレジットの紹介40分経った後から始まる！センス◎（★彡これから不穏な事が始まるワクワクと怖いもの見たさ又怖そうで観たくない感でドキドキしました。）

2.エロい〜暴力〜エロい〜闇闇闇の絶妙なバランスと若さゆえの衝動が超マッチしていました。（★彡例えようのない雰囲気がほろ苦く痛い感じが絶妙！！）

3.ラストは本当にな涙と震えが衝動的にでました。（★彡なぜでたのでしょうか？）


◯よだん。。。
森田さんのサイコぶりが素晴らしいかった。
キムタクも今こそ超ヨゴレ役をやるべきだと思うけどね〜森田さん以上ってそんなに無いけど(・・?)（★彡あまり関係ない話ですけど、前から言いたかったのです（笑））

よくある「怖いだけの殺人鬼」の映画はよくあるが、「なぜそうなったのか」という点が描かれていなくていつも不満だった。この映画にはそのような不満はない。原作がしっかりしているのだろう。ジャニーズの森田君がよくこの役を受けたなぁ、と思うくらいの迫真の演技。

ところが、この役を受けた理由だと語っていた。なるほど嫌悪感を感じるのが正解だと思った。なのに、全く共感できないのに、切ないラストだった。
監督が、森田さんの身体能力が高すぎて、暴力シーンがかっこよくなってしまうのだけを修正してもらった、という話が笑えた。