キャプテン・フィリップス

トムハンクス×グリーングラスで
ソマリア海賊に襲われた貨物船での一部始終を描く

それだけで、もう内容が分かっちゃいそうな・・・・（苦笑

手振れ映像で、船の中のあれやこれやを映すんだよね？？？？

と思ってたら、ほんとにそうだったｗ

確かにグリーングラス監督、
緊張感バリバリの演出は上手いとは思うんですが、
それって、面白いストーリーがあってこそ
相乗効果を生んだと思うんです（個人的に）。

フィリップス船長と海賊との駆け引きやちょっとしたバトル
いかに助かろうかという船長の気転
なんかが見所だと思うのですが
これがまたところどころは
「怖い」「ドキドキ」を味わうものの
全体的に想定内というか、
「そうですよね・・・・」って思いながら見ちゃったんです。

トムハンクスの鬼気迫る演技ももちろんいいとは思うし、
こんな過酷な思いをしたらさぞかしトラウマになるだろうとか
そういうことは確かに感じますが
映画としては、手堅すぎて物足りないという感じ。

良くも悪くもトムハンクス主演作って手堅すぎて味が無い・・・・（苦笑

グリーングラスの手ぶれ映像も空回りな感じ。

怖い体験をしたなあ・・・・と思うけど。

むしろ、あの海賊があの程度だったのは
不幸中の幸いかもしれない。

だって、あの海賊がもっと頭がキレて
用意周到だったら・・・・？と考えるとゾッとします。

けっこう緊迫感があった。ソマリアの海賊たちには精神文化の低い土地で生まれ育った雰囲気がけっこう出ていた。小型ボートの海賊たちを振り払おうと大型貨物船が逃げるところはハラハラした。救助されたトムの演技がイマイチだったが、まあ、ご愛敬って感じもした。

さすがポール監督
息詰まる緊迫感を生み出すのが非常にうまいです。
ボーン・シリーズでも感じたあの押し寄せる緊迫感
本作でも同等のものが味わえます。
最後まで苦しいぐらい
見終わると緊張が解ける感じ。
演じる役者もトム・ハンクスですからね
何の問題もない。
さらに海賊を演じた演技ははじめてのソマリア人たち
彼らの演技が素晴らしく
本気で腹立って来るので
どんどん面白くなる。
追い詰められることで緊張し
思い通りに進まない展開にイライラし
麻薬系の薬草でハイになっていくのも重なって
ヒステリックに高揚、興奮してして破滅に向かう彼らの状態が
ヒリヒリと伝わってきます。
そしてこれが実際に起こった事件を元に作られているとうことが衝撃
大型貨物船に
小型ボートで挑むソマリア人海賊たちの姿はまるで
巨像にたかるアリのようです。
しかし、そんなたった４匹のアリでさえ
巨像を捕らえられるという現実が怖かったです。
ま、アリさんたちは見た目はもろガイコツなんですけどね・・・
特にボス・・・
サードワールドでは海賊を稼業として暮らさなければならない現実があるのでしょうか
あったとしても同情の余地ナシですが
なんとも悲しいかぎりです。
海賊たちは
強がって現実を振り払いたい、忘れたい、認識したくない、と
必死になって自分たちの明日を心地良いものに感じようでした。
誘拐は最低な犯罪のひとつです。
ゲスの極みのひとつです。

最後に
フィリップス船長
リーダーとして、船長としての彼の姿に
尊敬しかありません。
リーダーとはこうあるべき
そんな姿を見せられた思いです。

目先の変わった設定に久しぶりにドキドキした。考えてみるとこの海賊というのも創業者利得の世界だ。ソマリア沖に海賊が出始めた頃、船の方も防備が薄く実際に海賊が乗っ取り保険会社が何百万ドルの現金を用意したと聞いた。しかし防御する方も考えて武装した警備会社の要員を乗せたり自国の海軍の艦艇の護衛をつけたりした。（日本の自衛艦も護衛に参加した。）こうなると小舟に米国製のジョンソン社の巨大な船外機をつけてカラシニコフ位しか持たない海賊側にはリスクが大きすぎる。
ましてやこの映画のように精強な特殊部隊SEALまで登場するとどう考えても勝ち目はない。空母、その他の艦艇、巨大ヘリコプターなど圧倒的物量を見せつけられると「それで費用はいくらかかったの？」と聞きたくなる。海賊は少なくとも米国の出費を引き出すことには成功したのだ。
それとアカデミー賞のレッドカーペットで最後に捕まった痩せたソマリアの青年役の俳優がタキシード姿で登場しそれが南北問題を一層際立たせる効果もあった。

海賊に襲われ人質になった船長の話。
この船長、結構お喋りでかなり観ていてイライラしました。
最後の方ではパニック障害になり、まるで子供の様。

あのような状況に置かれると誰でも、船長のようになってしまうのかな…
なんて暫し考えてしまった映画です。