紅の豚

先日、叔父の法要で出かけた際、従弟の子供達が車中で観ていた映画が「紅の豚」。
一緒に観ていたが、どうもテレビで放送していたのとちょっと違う感じがする。
見逃した画面なのか知らない場面も結構ある。運転しながらではちゃんと見られないので、このＤＶＤを買ってしまった^_^

豚になってしまった元パイロットのポルコ・ロッソ。時々人間の姿に代わるがなかなかのイケメンさん。
親友の奥さんであり幼馴染のジーナはホテル・アドリアーノのオーナー。このホテルは空賊のたまり場で、ジーナは皆の憧れの女性。
とても魅力的に描かれています。声はなんと加藤登紀子さん。見た目は別にしてイメージ的にはピッタリかも。

そしてもう一人の魅力的な女性はフィオ（17才）飛行機設計技師。彼女の設計で壊れたポルコの飛行艇を作り直す。そして試験飛行ができないからとポルコの飛行艇に同乗して飛ぶ。しかも、仲間に迷惑がかからないようにとポルコに脅され協力したことと、フィオは人質になったことにしている。

そしてもう一人の飛行機乗りドナルド・カーチスはアメリカ人だが、空賊の用心棒をしている。なかなか心根の優しい男性。他はフィオの祖父ピッコロや空中海賊マンマユート団の親分のマンマユート・ボスと魅力的な出演者（？）に囲まれ、とてもユーモアいっぱいの素敵なアニメです。
この映画を高く評価されてらっしゃる方が多いので、思い切って買ってしまいましたが、この映画は何度見ても飽きないような気がします。

色彩の美しさや、人々の心の繋がりや仲間意識に空賊なのにフィオに説得させられたり、とても素直な連中です。愛すべき仲間とポルコ、そしてジーナとのその後の関係。
それはシークレットのようで知らされていない。もし、続編がでるならポルコとジーナの２世がフィオと二人空をわが物顔で飛んでいる…そんな物語が観たいな。

宮崎駿監督が、やりたい事をやった映画。

それまで、女性や子供に向けて、
社会的で、優等生な作品を作ってきましたが。

宮崎駿監督もやっばり男子なんですね。
飛行艇、賞金稼ぎ、軍隊、空賊、ヒロイン、葉巻、トレンチコート、など。
男のおもちゃ満載。
車は出てこなかったけど、フェラーリという単語は出てきましたね。

そして、ストイックというより、やせ我慢なヒーロー。
男心もバラしてます。

本当に好きな、憧れの女性の前では、
純情な男子は、何も言えなくなってしまうんですね。
照れ隠しに、仲間内で悪ふざけしてみたり。
見ててもらえるだけで、嬉しいんですよ。

やっぱり、これ、女性の皆さんに見てもらいたいのかもしれませんね。

男なんてこんなもんだよ。
いつまでもガキだけど、
ホントに好きな君のためなら、
どんなやせ我慢でもやってのけるから。

そんな囁き声が、後から聞こえてくる映画です。

こんにちは、マグちゃんです。ちょっと風邪ひいて頭痛いんですが見終わった所なので頑張って書きます。

まず第一に、渋いです。それも大人の渋さです。マグちゃんファッション業界にいるんですが（大した事してませんが）25才くらいで背伸びしたい女性から30、40、更に50才くらいの（もっと行ってもいいですが）女性でそうですね例えばオッジだとかヴォーグだとか読んでる方が見たらきっと凄い楽しいと思うんですが、悲しいかなこれはアニメですのでそういった意味で見てもらえてない層は結構あると思います。
この映画の中には大人のダンディズムや渋さがたっぷりつめこまれ夢一杯の宝箱の様になっている、映画だからこんな事出来るんだよなあ、物語っていいな　みたいな
例えばですね、島の中に出来た小さな入江がポルコの隠れ家なんですが、人が来ないもんだからとても綺麗な水と砂浜なんです。それとか、軍の飛行機乗りだったころの知り合いが全員死んで自分だけ残っていて、それと戦友の奥さんだったとても綺麗なジーナさんという人が知り合いで、お互いちょっと友だち以上の好意を持っているけど口に出さないとか、大体ね、ここからまたマグちゃん語りますがこんなシチュエーションが実写で来たら、必ず男女が恋に落ちてセックスシーンっていうのが最近絶対じゃないですか。この映画を見習え（鼻息）男女恋愛の話しでセックスシーンのワンセットが必ず来るのは、それを入れると興行成績が上がるからですね多分。ハリウッドのあほう。もっとええもん作れ。かといってヨーロッパもんだとまたなんだか情緒的に難しすぎてねむーいとか言い出す人が多いでしょう。
この映画はポルコが豚だという事で更にアニメにしか出来ないストーリーになりました。実写でねえ、豚…無理ですね今のCG技術じゃね。

子供の物だと思われているアニメですが、黎明期には様々な実験がなされ、今も世界のどこかで毎年だか二年に一度だか開催されるアニメビエンナーレには世界中から芸術的なアニメが沢山あつまり、勿論この宮崎氏も訪れている筈です。だって滋賀県の美術館でやってたバンデデシネ展に宮崎氏のイラストがあるの見つけたもん。今の若手のクリエイターの人は何を考えて作っているのか私は分からないんですが（ハガレンとかるろうにとか全く分からないので）日本は独自の世界を展開して日本のアニメというものが出来上がっていますが、もっと世界中のアニメを意識してグローバルな視点で作って見ると言う事が出来る人も　メジャー系ではもう宮崎さんしかいないのかもしれない。

二年前だったかなジブリの森美術館に行った時に展示物を見て感心して、まあこの人は大概沢山の独自な引き出しを持った人だと思った物です。
この映画は宮崎氏が完全子供向けのアニメだったらあまり出せなかった自分の別の引き出しを映画化するのに作った様な　そんな感じがします。
話しのテンポも何もかも　もう熟練してるから上手いのはあたりまえだけど　それ以前に素敵なものが沢山詰め込まれていてそれを見て色々考えたりしているだけでどんどん映画が進みます。大人にも子供にもおすすめだけど、そうやな　思春期の若者とかにはちょっと分からないかな。30過ぎたらじわーって来る系だと思います。
文句と言えばジーナの化粧かな。あの青いシャドウはなんだ。売春婦か。でもアニメだとあれくらいやらないと分からないのかな。もっと押さえたメイクにしてほしか。
あとあの飛行機で決闘したなんとかいうアメリカ人。あほやった…（笑）ジーナにボク呼ばわりされていたが良くわかる。

恥ずかしい話ですがはじめて見たんです。
森山さんの渋い声にまずほれぼれしてしまいました。
加藤登紀子さんのジーナ。色っぽいです。すごいかっこいい声・・・。魅了されてしまいます・・・。
本当、ポルコかっこいいんですよ。すごく。やることも素敵だし、服装も渋いし、声もかっこいいし・・・でも、豚だからぽっちゃり、ってとこがまたかわいいんですよ。
あんなにもてるってすごいですよ、豚なのに・・・。
でもね、豚でかっこよくなってるのがまたおもしろいんですよね。豚でもいいって思えるもん。
最後の終わり方もすごくよかったなあ・・・
chiikoさん、わたしこっちも好きかも・・・

ジブリ作品でダントツ好きです。
その昔お付き合いしていた過去の恥が「ベニのブタ」と
堂々と読んでいましたが・・・・。

それはそれとして

アドレア海の風、穏やかな気候、白い壁、白い波、透き通る空
ああ、なんて綺麗なんだろう。
気持ちのいい（お風呂は入らないけど）空賊の男たち。
賢く働き者のキップのいい女たち。
そんな登場人物達を観ていると、次第にワタシの胸中のドロドロを
涼やかに吹き飛ばすアドレア海の風が吹き抜けます。

飛行艇に語りかける甘い声、嫌がりながらも色々な心を受け入れ
咀嚼できてしまう懐の深さ、ポルコには本当にシビレてしまいます。
そんなポルコに恋した女性は数知れないでしょう。

少年の心と申しますが、責任を取るキャパシティあってこそ。
ポルコと飛行艇乗り達は永遠にそんな心を持って
あの空を飛んでいて欲しいものです。

飛べない豚はだだの豚だ。喰っちゃうぞ！