パリ、テキサスの画像・ジャケット写真

パリ、テキサス / ハリー・ディーン・スタントン

パリ、テキサス /ヴィム・ヴェンダース

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映画賞受賞作品

旧作

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解説・ストーリー

W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て描いたロード・ムービー。テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。

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「パリ、テキサス」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て描いたロード・ムービー。テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。

「パリ、テキサス」 の作品情報

作品情報

製作年:

1984年

製作国:

西ドイツ/フランス

原題:

PARIS, TEXAS

受賞記録:

1984年 カンヌ国際映画祭 パルム・ドール

「パリ、テキサス」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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11〜 15件 / 全47件

ネタバレ

投稿日:2009/03/12 レビュアー:のぶなが

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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人が人を愛することの意味を語りかける、まるで奇跡のように切ない映画。アメリカという風景を愛して止まなかったヴェンダースが紡ぎ出す至高のロードムービーです。

テキサス州にあるパリを探して歩き続ける男。この作品は、総てを捨てて旅に出た男の心の彷徨と一つの愛情の形を描き出します。映画の前半、愛する息子をも置去りにして消息を絶ったトラヴィスという男は実に身勝手で不器用な存在として登場し、その存在は観る者への謎として提示されます。

男が目指したテキサスのパリとは何を表しているのか。物語が進むうちに私たちが気づくのは「愛し過ぎる」男の、あまりにも重い情愛です。男が彷徨ったあの荒涼とした砂漠は云わば愛情を見失った彼自身の孤独な心の表象ではないでしょうか。テキサスのパリに向うという半ば夢想的な逃亡へと男を駆り立てたものが、失った妻との幸福を取り戻したいその思いだったことに、観る者は単純には量れない人の心の深遠を感じるます。

さらに、私たちは本作の中の印象的なシーンから、時の流れに隔てられた愛情の行方を全く対照的な形で感じ取ることができます。その一つは道路を隔てて歩く父と子のショットです。言葉が殆んど交わされぬまま二人が同じ場所を目指してただ、歩く。しかし、その映像は少しずつ埋め合わせられていく親子の距離を淡々と鮮烈に描くのです。離れていた二人の心はいつしか近づき重なり合います。

そして、もう一つはマジックミラー越しの再会のシーンです。男からは女の姿が見えても、女からは男の姿が見えない、それが意味するものはトラヴィスと妻の心の間に横たわっていたどうしようもない隔たりに他ならないです。最愛の対象とすれ違ってしまった愛情、届かない思い。このシーンが暗喩として私たちに示唆するものはそんな行き場を喪った悲しみと孤独なのだと思います。

映画の最後で男と女はミラー越しに互いの存在を確認します。堰を切ったように迸るトラヴィスの独白、そして総てを理解したことを物語る女の表情。このシーンはどんなに愛していようとも決して重なり合うことのない愛情の形としての帰結です。何気ないようでいて酷く心を揺さぶられるのは、このような大胆な演出とシーン構成で、実に繊細な人の心の機微を鮮烈に表現して見せるからではないでしょうか。

そして、映画は女の為だけに生きてきた男が初めて見せる息子への限りない愛情によって締めくくられます。息子に録音して語ったトラヴィスの言葉は彼自身の弱さや苦悩を語り尽くす痛切な懺悔と決心です。つまり愛し過ぎる男の存在は共に暮らすこととは決して対には成り得ない、愛するが故に立ち去るという選択こそが男が家族に残した最大の愛情です。「パリ、テキサス」とはバラバラになった心を拾い集める家族の再生の物語であり、人間の優しさの物語でもあるように思います。

【満足度★★★★★】

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毛布もいらない ネタバレ

投稿日:2007/12/23 レビュアー:tomio

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PARIS,TEXAS
これこそ映画ではないだろうか。
テキサスの荒野、空っぽになった男。
死んだことにしていた兄と突然に再会した弟は
何かに押されるように愛する父子を手繰り寄せる。
妻と違わぬ気持ち。それでも為すべきように導かれる。
子は父と笑い、父は子に母を教える。
夫は妻に終の遂に打ち明け、妻は夫を過去とすることを頷く。
ロビー・ミューラーの焼き付けたL.A〜テキサスまでのアメリカの風景に一切の躊躇いを掬い取られたようである。
ライ・クーダの音楽にはすっかり陶酔しきってしまう始末。

今の私にはこの映画を語る資格は小指の先ほども無いのだけれど
ヴェンダースの魅力を感じ取ることはかろうじて出来るつもりだ。

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たとえその日が訪れなくとも、、、、 ネタバレ

投稿日:2009/02/02 レビュアー:花ちゃん

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無表情に砂漠を歩き続ける男。何故、何のために。
この後の展開を知っているのに、この退屈な長いシーンに再び緊張してしまう。
はじめて観る時のように思わずこみ上げるトラヴィスの泣顔に切なくなり、風に乱れるジェーンのやわらかい金髪の儚さが胸を締め付ける。ぎこちなかったハンターが始めてトラヴィスに微笑みかけたら安堵に胸がほっとして口元が緩む。
ロスの町のカラフルさとテキサスの青い空と赤い土。粘ったい弦の響きの余韻。
古臭く退屈なようでいて普遍的で衝撃的なのだ。何て素敵で不思議な映画なんだろう。

前に観たときは、母親探しに出かけてからが少し違和感があった。
あまりに未熟な中年男と若い女。無責任で弟夫婦にも同情したし、いい親になれるとは思えなかったから。
でも今回は、ふたりの溢れてこぼれるほどの相手への思慕を感じた。ジェーンの仕事場で、嫉妬に声を荒げてしまったトラヴィスが彼女を連れ帰ることを止めたのは又失敗をしそうで自信がない自分がいたからだった。ハンターも大人を思いやるほど成長した。三人はいつかともに生活できるのだろうか。
たとえその日が訪れなくとも、ハンターが言うようにきっと「相手を感じながら」生きていくことが出来るのだろう。

一番好きな場面は8ミリ映像を観るところです。
特典映像でそのフィルムにトラヴィスが鏡越しにジェーンに過去の心情を吐露した時の音声がかぶせてあるのですが、すごく良かったです。

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臆病な2人と勇敢な少年 ネタバレ

投稿日:2008/11/25 レビュアー:ひろぼう

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ヴェンダースの暖かな眼差しは何時も登場人物の皆に注がれていて、それはユーモアとも“間”とも言えるカットの抑揚であり、人工の看板とか車とかの原色と、自然のあるがままの色使いとの抑制の効いた対比でもあって、それが心地よくて本作でも遺憾なく発揮されていました。

人の営みというものを、ごくありふれた描写で紡ぎ出すヴェンダースの手腕は、初期に制作されたこともあってか、極めて直情的に感じられました。しかしそれは悪い意味ではなく、下世話とも言い換えれるが、分かり易さとも沁み込みやすさとも言える、熱伝導率の高さを感じさせる、寒風吹き荒ぶ時期の、お鍋のような作りでありました。

男と女であり続けたいと思った2人。そこに割り込むのが少年であって、彼にはそんな意思も意図も無く、男と女の関係の結果でしかないのですが、本作においては彼の存在が全てであって、男とか女とかの性の片割としての不完全な個では持ち得ない、人が持つとする善いものの全てを注ぎこんだ価値としての存在が彼なのではと思いました。それは兄弟2人をパパと呼び、義母を気遣いもするが、8歳の幼子としての、今だ見知らぬ宇宙と真の母を同時に待ち望むような無垢な個の気持ちとして表れるのでしょう。彼の望んだもの、求めたものは純粋なる愛への渇望であって、だからいやらしくもなくしみったれてもなくしかし毅然とした、砂漠のようなドライさとも言える、厳しさと大らかさが混じりったような自然が持つ大らかさとも思えてくるのです。

その求めに応えようと、足掻きもがき苦しみ1度は背を向けてしまう男女なのですが、それぞれが1人の親として子に触れることは十二分にできるのに、出会うことによりまた男と女の関係に戻ることを恐れるのが終盤での対話なのでしょう。薄い1枚の壁を隔てることで、臆病な男と女は真の気持ちを曝け出すことができるのでしょう。それは一旦露わにしてしまうと、溢れ出す濁流のごとき思いに飲み込まれてしまうことに2人が気付いているからで、それを抑える術を知らない男女は、永久に夫婦という関係になれないと悟ってしまったからなのでしょう。

『パリス、テキサス』という地は、男の生まれたとされる場所で、男の父が、男と母に与えた幻想のごときアイデンティティであるがため、不確かな存在に陥りそうになった男は、今1度その場に立ち戻り確かめようとするのでしょうか。それは己の肉体という、自らが認めることができる唯一のもので成し遂げる必要があったのかもしれません。そして血を分けた弟に彼の運転する車にと、少しずつ認めるものを得て、男は不確かな過去を捨て未来へと、求めると同時に失う旅に出向くことになるのでしょう。

流れる風景は、美しくも厳しくもあるがままの自然であって、それと対比される人工物の原色は、まがい物を意識させられもするが、それが人の儚くも懸命なる営みを想起させる安っぽい美しさにも思え、今にも砂漠に飲み込まれそうな朽ちた車の黄色いボディに、荒野をさすらう男の姿をうつしてしまう。
男は今も、荒野のどこかをさすらっているのでしょうか。
彼は安住の地を見つけたのでしょうか。
そこは写真のあの場所なのでしょうか。

ヴェンダースの眼差しは、本作では家族になりきれない個々へと向けられた。それが他作で見られる深みを生み出すことを妨げてはいるが、いつもの暖かい、人の営みを切り取るのではなく、そっとなぞり浮き立たせるかの描写は顕在でした。★4.5個。

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悲しくて切ない、ベンダースの最高傑作

投稿日:2007/03/26 レビュアー:すかんぴん

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11〜 15件 / 全47件

ユーザーレビュー

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ユーザーレビュー:47件

投稿日

2009/03/12

レビュアー

のぶなが

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人が人を愛することの意味を語りかける、まるで奇跡のように切ない映画。アメリカという風景を愛して止まなかったヴェンダースが紡ぎ出す至高のロードムービーです。

テキサス州にあるパリを探して歩き続ける男。この作品は、総てを捨てて旅に出た男の心の彷徨と一つの愛情の形を描き出します。映画の前半、愛する息子をも置去りにして消息を絶ったトラヴィスという男は実に身勝手で不器用な存在として登場し、その存在は観る者への謎として提示されます。

男が目指したテキサスのパリとは何を表しているのか。物語が進むうちに私たちが気づくのは「愛し過ぎる」男の、あまりにも重い情愛です。男が彷徨ったあの荒涼とした砂漠は云わば愛情を見失った彼自身の孤独な心の表象ではないでしょうか。テキサスのパリに向うという半ば夢想的な逃亡へと男を駆り立てたものが、失った妻との幸福を取り戻したいその思いだったことに、観る者は単純には量れない人の心の深遠を感じるます。

さらに、私たちは本作の中の印象的なシーンから、時の流れに隔てられた愛情の行方を全く対照的な形で感じ取ることができます。その一つは道路を隔てて歩く父と子のショットです。言葉が殆んど交わされぬまま二人が同じ場所を目指してただ、歩く。しかし、その映像は少しずつ埋め合わせられていく親子の距離を淡々と鮮烈に描くのです。離れていた二人の心はいつしか近づき重なり合います。

そして、もう一つはマジックミラー越しの再会のシーンです。男からは女の姿が見えても、女からは男の姿が見えない、それが意味するものはトラヴィスと妻の心の間に横たわっていたどうしようもない隔たりに他ならないです。最愛の対象とすれ違ってしまった愛情、届かない思い。このシーンが暗喩として私たちに示唆するものはそんな行き場を喪った悲しみと孤独なのだと思います。

映画の最後で男と女はミラー越しに互いの存在を確認します。堰を切ったように迸るトラヴィスの独白、そして総てを理解したことを物語る女の表情。このシーンはどんなに愛していようとも決して重なり合うことのない愛情の形としての帰結です。何気ないようでいて酷く心を揺さぶられるのは、このような大胆な演出とシーン構成で、実に繊細な人の心の機微を鮮烈に表現して見せるからではないでしょうか。

そして、映画は女の為だけに生きてきた男が初めて見せる息子への限りない愛情によって締めくくられます。息子に録音して語ったトラヴィスの言葉は彼自身の弱さや苦悩を語り尽くす痛切な懺悔と決心です。つまり愛し過ぎる男の存在は共に暮らすこととは決して対には成り得ない、愛するが故に立ち去るという選択こそが男が家族に残した最大の愛情です。「パリ、テキサス」とはバラバラになった心を拾い集める家族の再生の物語であり、人間の優しさの物語でもあるように思います。

【満足度★★★★★】

毛布もいらない

投稿日

2007/12/23

レビュアー

tomio

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PARIS,TEXAS
これこそ映画ではないだろうか。
テキサスの荒野、空っぽになった男。
死んだことにしていた兄と突然に再会した弟は
何かに押されるように愛する父子を手繰り寄せる。
妻と違わぬ気持ち。それでも為すべきように導かれる。
子は父と笑い、父は子に母を教える。
夫は妻に終の遂に打ち明け、妻は夫を過去とすることを頷く。
ロビー・ミューラーの焼き付けたL.A〜テキサスまでのアメリカの風景に一切の躊躇いを掬い取られたようである。
ライ・クーダの音楽にはすっかり陶酔しきってしまう始末。

今の私にはこの映画を語る資格は小指の先ほども無いのだけれど
ヴェンダースの魅力を感じ取ることはかろうじて出来るつもりだ。

たとえその日が訪れなくとも、、、、

投稿日

2009/02/02

レビュアー

花ちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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無表情に砂漠を歩き続ける男。何故、何のために。
この後の展開を知っているのに、この退屈な長いシーンに再び緊張してしまう。
はじめて観る時のように思わずこみ上げるトラヴィスの泣顔に切なくなり、風に乱れるジェーンのやわらかい金髪の儚さが胸を締め付ける。ぎこちなかったハンターが始めてトラヴィスに微笑みかけたら安堵に胸がほっとして口元が緩む。
ロスの町のカラフルさとテキサスの青い空と赤い土。粘ったい弦の響きの余韻。
古臭く退屈なようでいて普遍的で衝撃的なのだ。何て素敵で不思議な映画なんだろう。

前に観たときは、母親探しに出かけてからが少し違和感があった。
あまりに未熟な中年男と若い女。無責任で弟夫婦にも同情したし、いい親になれるとは思えなかったから。
でも今回は、ふたりの溢れてこぼれるほどの相手への思慕を感じた。ジェーンの仕事場で、嫉妬に声を荒げてしまったトラヴィスが彼女を連れ帰ることを止めたのは又失敗をしそうで自信がない自分がいたからだった。ハンターも大人を思いやるほど成長した。三人はいつかともに生活できるのだろうか。
たとえその日が訪れなくとも、ハンターが言うようにきっと「相手を感じながら」生きていくことが出来るのだろう。

一番好きな場面は8ミリ映像を観るところです。
特典映像でそのフィルムにトラヴィスが鏡越しにジェーンに過去の心情を吐露した時の音声がかぶせてあるのですが、すごく良かったです。

臆病な2人と勇敢な少年

投稿日

2008/11/25

レビュアー

ひろぼう

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ヴェンダースの暖かな眼差しは何時も登場人物の皆に注がれていて、それはユーモアとも“間”とも言えるカットの抑揚であり、人工の看板とか車とかの原色と、自然のあるがままの色使いとの抑制の効いた対比でもあって、それが心地よくて本作でも遺憾なく発揮されていました。

人の営みというものを、ごくありふれた描写で紡ぎ出すヴェンダースの手腕は、初期に制作されたこともあってか、極めて直情的に感じられました。しかしそれは悪い意味ではなく、下世話とも言い換えれるが、分かり易さとも沁み込みやすさとも言える、熱伝導率の高さを感じさせる、寒風吹き荒ぶ時期の、お鍋のような作りでありました。

男と女であり続けたいと思った2人。そこに割り込むのが少年であって、彼にはそんな意思も意図も無く、男と女の関係の結果でしかないのですが、本作においては彼の存在が全てであって、男とか女とかの性の片割としての不完全な個では持ち得ない、人が持つとする善いものの全てを注ぎこんだ価値としての存在が彼なのではと思いました。それは兄弟2人をパパと呼び、義母を気遣いもするが、8歳の幼子としての、今だ見知らぬ宇宙と真の母を同時に待ち望むような無垢な個の気持ちとして表れるのでしょう。彼の望んだもの、求めたものは純粋なる愛への渇望であって、だからいやらしくもなくしみったれてもなくしかし毅然とした、砂漠のようなドライさとも言える、厳しさと大らかさが混じりったような自然が持つ大らかさとも思えてくるのです。

その求めに応えようと、足掻きもがき苦しみ1度は背を向けてしまう男女なのですが、それぞれが1人の親として子に触れることは十二分にできるのに、出会うことによりまた男と女の関係に戻ることを恐れるのが終盤での対話なのでしょう。薄い1枚の壁を隔てることで、臆病な男と女は真の気持ちを曝け出すことができるのでしょう。それは一旦露わにしてしまうと、溢れ出す濁流のごとき思いに飲み込まれてしまうことに2人が気付いているからで、それを抑える術を知らない男女は、永久に夫婦という関係になれないと悟ってしまったからなのでしょう。

『パリス、テキサス』という地は、男の生まれたとされる場所で、男の父が、男と母に与えた幻想のごときアイデンティティであるがため、不確かな存在に陥りそうになった男は、今1度その場に立ち戻り確かめようとするのでしょうか。それは己の肉体という、自らが認めることができる唯一のもので成し遂げる必要があったのかもしれません。そして血を分けた弟に彼の運転する車にと、少しずつ認めるものを得て、男は不確かな過去を捨て未来へと、求めると同時に失う旅に出向くことになるのでしょう。

流れる風景は、美しくも厳しくもあるがままの自然であって、それと対比される人工物の原色は、まがい物を意識させられもするが、それが人の儚くも懸命なる営みを想起させる安っぽい美しさにも思え、今にも砂漠に飲み込まれそうな朽ちた車の黄色いボディに、荒野をさすらう男の姿をうつしてしまう。
男は今も、荒野のどこかをさすらっているのでしょうか。
彼は安住の地を見つけたのでしょうか。
そこは写真のあの場所なのでしょうか。

ヴェンダースの眼差しは、本作では家族になりきれない個々へと向けられた。それが他作で見られる深みを生み出すことを妨げてはいるが、いつもの暖かい、人の営みを切り取るのではなく、そっとなぞり浮き立たせるかの描写は顕在でした。★4.5個。

悲しくて切ない、ベンダースの最高傑作

投稿日

2007/03/26

レビュアー

すかんぴん

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