海洋天堂

久石譲の音楽がいい。
水の中からの水面の光景がいい。
水中から上の光を見上げるの、大好き。
どこまでも透明で、ゆらゆらきらきら揺れていく。

21歳の自閉症の息子と、死期が近い父親。
これからのことを考え、日々を生きる。
何も驚くことはなく淡々と進む映画。
アクション俳優ジェット・リーは今回アクションは封印、この役に惚れ込んで承諾したそうだ。
監督は、14年間施設でボランティア活動をしてきた人だそうで、息子の障害を表す画面も大袈裟すぎないように見えた。
静かな映画だけど、逆に現実的にも思える。

親って本当に大変だけれど、幸せ。
命を引き継ぐ大きな仕事をしている。
この世は、つぎに何が起こるのかわからない。
恐怖にも悲しみにも出会うけれど、自立させることは必至だ。
自分の育てた大切な命には、歓びに出会い、自分の人生を紡いでいってほしい。
「そのままのあの子でいいんです」
子は、親の知らぬ場のほうが、大切な経験をして、成長していってるものなのかもしれない。
可能性を認めるようになる、親の成長も見える。

ラストにはメッセージがダイレクトに来る。
レビュータイトルにしました。

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　21歳の自閉症の息子と暮らすお父さんが余命いくばくもないと知って、息子が何とか1人でやっていけるように頑張る話。

　アクション俳優のジェット・リーが何ともいえない悲壮感を醸し出していて、それが見られるだけでも満足でした。小柄なジェット・リーが更に小さく見える雰囲気。
　前半は自分がガンのために息子を施設に預けられないかと、いろいろ尋ね歩くけど断れる。何とか見つけた施設に預けて、1人になったときのジェット・リー。何度も注意してもぬいぐるみをテレビの上に置いてしまっていたのが、1人さびしくそのぬいぐるみを触ったりするのが感動的でした。

　中盤からは父親が息子が1人でやっていけるように教育しつつ、1人の息子として接していく。
　感動できた作品でしたが、途中にちょいちょい出てくる大道芸人の女性なんかの描かれ方が中途半端で残念でした。

　とはいえ、父親の人格によって息子を支えてくれる人たちがいてくれるラストに感動できる映画でした。

Jet Liがアクションスターをやめて俳優としての幅を広げようとして、それなりに評価されて成功だったと思われている作品。リリース当時から比較的評判がよかったのでリストに入っていたものの、テーマ的に好みではないので何度もリストの下に追いやることを続けて年月が経っていた。今回視聴したのはリストの見直しが面倒だったからという消極的な理由による。結果、ほぼ想像通りの内容と感想だった。単純なストーリーとJet Liのイメチェン演技でチープな感動を誘う作品。
それはこの映画の狙いではなかったのは承知の上で敢えて言えば、何かをもっとシャープに掘り下げていれば現代的で社会的なドラマになったのに、と思う。それが職場の上司や同僚の対応であっても、法制度の闇であっても、お隣の雑貨店の女性の心であっても、サーカスのクラウンピエロの孤児の心であっても、何でもいいが。それらの何かと主人公の心が生々しくぶつかってスパークするエネルギーが生まれるような展開なら、まったく違う凄みが出ただろう。自閉症の家族を抱えること自体をテーマにするのは、ドキュメンタリー調にしない限り映画のテーマとして基本的には重すぎる。だからこそ、そのテーマと絡ませる別の都会的なテーマを使えばよかったのに。そう思うならそもそも見なければいいだけの話ではあるのだが。。。

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普段、映画は映画館ではなく、ＤＶＤ派なのですが
なぜか、とても気になって銀座まで観に行きました。
ジェット・リーも「ＨＥＲＯ」しか見てないし
中国映画も特別思い入れがあるわけでもなく。。。
でも、なぜか「観に行かなくては！」と。
結果・・・・行った事を後悔ｗｗ
感情を抑えられず、ありえない程の泣き腫らした顔に。
普段は。物静かな父、ジェット・リーが、
ターフーがバスで降りる事を伝えられなくて、
運転手に文句を言われたときに
「言えない子だっているんだよ！」と感情を露わにした父、
自制が効かなくて、父の肩に噛みついたターフーを
痛みを抑えて抱きしめる父。。。
もうね、なんていうのか、、
うまく言えないけど、本当に観ていただきたいです。
ちなみに、お涙頂戴的に作られてるわけではないです。
静かに静かに物語は進みます。
音楽も映像も出てくる人たちも静かにそして優しいです。

完膚なきまでに感動した。最初っから最後までずっと熱い涙が溢れ続ける。
久々かもしれないな、こんなに泣いたのは。
そして、涙と一緒にいろんなモノが自分の中から洗い流されたような清々しい気分だ。

ひたむきな父親の姿と暖かい周囲の人々を、小細工を弄さずに素直に描いた感動作。

なりふり構わず息子の将来のために全てを投げ打つ父親。
途中、焦るあまりに感情的になる父親に、むしろホッとしたりもした。
そして逆に、他人ごとではないような気持ちにさせられて、心臓が高鳴った。
共感というより親近感〜手の届く父親像、そして勇気をもらった気がする。

「アクション俳優のジェット・リーが初めて挑んだ文芸作品」なんだそうだが、
アクションを完全に封印して、それでもなお強くて、かつ弱い父親を見事に演じた。
人間ジェット・リーがこれでようやく理解できる気がする。

また、不安であろう観客を終幕にきちんと安心させてくれるあたりも、
シュエ・シャオルー監督のにんげんに対する敬意と優しさを感じる。


こういう中国映画を見るにつけ、いかに日本に偏見が蔓延しているかを悔しく思う。
もっとみんな中国映画を見ようよ。
こんな映画が作れて一緒に感動できるんだもの、
同じ優しくて弱い人間として、ともに肩寄せ合っていこうよ。

（2012/5/16 視聴）


尖閣に揺れる日中関係。
暴動と略奪の映像は「理解できない人々」の先入観を増幅させる。
平和は政治によりもたらされ、紛争の終決で訪れるものではない。