パンドラム

　目覚めると乗客たちの姿はなく、何が何だかわからないオープニングで。狭いダクトの中を進む主人公を観てると、息が苦しくなる感覚に襲われました。そして、謎のモンスターが出てくるあたりも怖くて。一体、船で何が起こったのか。どうやって解決するのかと楽しみに見れる序盤でした。

　けど、画面が暗くてチカチカするので。相当、目を開けて見ないときついです。しかも、船の構造の説明が一切ないため。狭い船内かと思ったら、めちゃくちゃ広くて。次から次に場所移動していくので、今どこにいて。どうやって行けば、目的地にたどり着けるのかがわからず。船内の感覚をつかめないのも物語に入りづらい要因の一つだと思いました。

　タイトルにもなっている「パンドラム」という病気ですが、クリーチャーとの戦いとあまり関係のない話なので。イマイチ、クライマックスでこの病気にかかった人物との戦いになっていく方向で盛り上がりに欠けました。
　そんな事より、クリーチャーの正体が明かされないのが残念でした。それに、このオチだったら病気の人物は何故、一緒に冷凍睡眠に入っていたのかがわからなかったり。途中に出てくるコックは、事情を全部どうして知っているのかわかりませんでした。
　そこで延々と説明台詞で過去の出来事を説明するのも退屈でした。一気に説明されるので、ボケっとしてると。何をしてるのかわからなくなりました。

　とはいえ、なかなか怖い映画でした。

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　予備知識ゼロで鑑賞。勝手に音楽かダンスの映画だと思ってた。ストンプか何かの・・・（汗）。「〜ドラム」の語感からの連想なのか、我ながらお婆ちゃん的な発想にうなだれる。とほほ。

　で、いきなり宇宙でした。ＳＦだー、うー、あんまり得意じゃないー、テンション下がるぅぅぅ・・・。宇宙船でチルド状態から解凍（？）されたら記憶が吹っ飛んでるのですね。寝る前になんか説明書いて置いとけばいーじゃんとか思うのは素人なんですかね。観客も訳分からないまま話が進み、この分からない状態がけっこう長い。ここ辛抱。しばらくすると恐ろしいクリーチャーに襲われそうになって、そうか「エイリアン」みたいな映画なんだと思ってると、生き残りクルーの男女が出て来て、何故かメッポウ強いこの方たちと一緒に戦うことになる全然知らない俳優さん。え、このヒト脇役じゃないの？デニス・クエイドは一人でお留守番してるし・・・？　そんな謎を気にかける間もなく、敵がわらわら現れて船内が山あり谷ありのジャングルみたいに見えてきて、戦闘隊員と化した主人公らがバトルを繰り広げる。そうか「プレデター」みたいな映画なんだと思ってると、今度はデニス・クエイドの方でドラマが動き出す。“パンドラム”っていうのはある種の精神疾患なのですね。宇宙で発症する狂気、その恐怖に怯えるデニス・苦影奴。そうか「イベント・ホライゾン」みたいな映画なんだと思ってると、またまた別の輩が出て来てちょいとオアシスかと思いきや・・・。この辺りまで来ると、かなり面白がってる自分に気付く。おお、テンション上がってるぅぅぅ・・・。あとは一気に最後まで〜、あ、こんなところに「タイタニック」も！ホンマですかぁ？兄さん、スゴイやないですかぁ、コレぇ。（サバンナ高橋風に）笑

　うん、なかなか楽しかったです。

評価６９点(１００点満点)
西暦２１７４、巨大宇宙船の中で冷凍睡眠から覚めたら、、、。という設定でスタート、地球は人口が増え続け食糧をめぐる生存競争が起こりついには消滅してしまったみたい。そしてこの巨大な宇宙船は６万人を乗せて地球と同じような環境を有するタニス星へと移民の目的で向かっているようだ。行程は１２０年余、だから皆冷凍睡眠をしながら運ばれておりフライトクルーは２年毎に交代で目覚めて任務にあたっている。全てを明快に説明せず見ている側の想像力をかきたてながら徐々にわからせてゆくという手法がとられている。そして船内に居るモンスターの存在とあちこちから現れる登場人物達、なんとなく辻褄合わせという感がしないでもない。正体をなかなか見せないモンスター、よく使われる手法というより全体的に画像が暗いのでよくわからない、でも正体を見れば完全にホラーの世界になつている。このモンスターにも一応説明づけがなされているが、興味はこの宇宙船の運命。エンディングはなんとなく納得させられた気がするのだが、それほど後味が良いという感じでもない。本作のテーマは「生存」という事か、生き残るという為には善悪はないということなのかもしれない。パンドラムは多分造語で「パンドラの箱」から来ていると考えれば、全ての災いの後に最後に残ったのは「希望」、こう考えて納得した。

デニス・クエイドは出演しているものの、どうみてもB級まる出し作品ですが・・・

＜宇宙船 ⇒ 冷凍睡眠 ⇒ 覚醒すると船内で異変＞　この黄金のパターンはまさにド壺。借りずにいられません。
そして内容も大当たりで嬉しい作品。

色んな要素を含んでいますが、ジョン・カーペンター監督の「ゴースト・オブ・マーズ」、真田広之さんが館長役で出演した
隠れた名作「サンシャイン2057」あたりを足して、「プレデター」で割った感じでしょうか（笑）

まあ、＜宇宙船 ⇒ 冷凍睡眠 ⇒ 覚醒すると船内で異変＞でピンときた人なら絶対必見間違いなし。

ハイパースリープは宇宙移住計画には必要な技術？どの映画もこの技術がある