ザ・ウォーカー

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終始、連載当初の『北斗の拳』を観ているような錯覚に陥りかけつつ観ました。
もちろん、秘孔ついたりはしませんが、圧倒的な強さ、気持ちいいです。
『北斗の拳』のイメージは、私なりに勝手に抱いているものなので、
ヘンかな？と思ったんですが、そうでもないみたいですね。よかった。

３０年もの歳月をかけて、
ある“文書”を、ある場所へと、届けるために、
ひたすらに進みつづける、ひとりの男。

そんなに意義のあることなのか、私にはわかりませんでした。
伝わらないのではなく、理解できなかったのです。
その文書が、そんなに隠すほどのアイテムとも思えませんでしたし。
でも、仏教の経典に置き換えて考えてみたら、かなり身近な感じがしました。
この言葉だけで、その文書の予測がついてしまうかたもいると思うので、
ネタバレチェック入れておきます。

身近にはなったけど、とっても共感まではいきません。

いっそのこと、
退廃した近未来の世界と、そこを黙々と歩く彼の姿とアクションが描きたかったけど、
目的もなく歩くんじゃ間抜けだから、もっともらしい理由をつけてみた
と言われた方が、すっきり納得できる気がします。

それから、サプライズ的なネタが、あと２つありましたが、
これも、別になくても楽しめたと思います。

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原題は「THE BOOK OF ELI」…地味だ〜！これはこの邦題でＯＫですね。

茶系で色数おさえめの映像がスタイリッシュで美しい。
ブルーレイ映像は、ほんとにきれいでした。銃撃戦などの音もすごい迫力。

アクションシーンもかなり見事。
特典映像を見たのですが、デンゼル・ワシントンはスタントマンを使わずにこなしたとか。
指導の殺陣師はイマイという日系の人。（ちょっと嬉しいですね）
目にもとまらぬ速さの動きってほんとにできるんですね！早送りじゃないんだ…

（以下、ネタバレです）

本を西へ届けるのが、イーライ（デンゼル・ワシントン）の使命。
その本を持っていると人を支配できると信じ、奪おうとするカーネギー（ゲイリー・オールドマン）。

途中で、本は聖書であり、イーライは平凡な店員であることがわかる。
でも神の使命を果たす者には神の加護がある。だから彼は強くて不死身。

映像やアクションは見ごたえがあるし、重厚で丁寧な作りには好感が持てるし
「なるほど〜」と納得する物語ではあったけど、宗教的だから
そんなに面白いハナシではなかったですね。

ゲイリー・オールドマンの久々の悪役が見れてよかったです。
思ったほど迫力なかったけど…
でも考えてみれば神に守られている人＝イーライは必ず勝つ、
それがわかってるからカーネギーが怖く感じられなかったのかも。

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世界が終末を迎えて３０年。「空が光った」と言ってたので、核戦争が原因だったのでしょうか？
荒れ果てて無法状態となった世界。男は最後に残った１冊の「本」を持って、西へ西へと歩き続ける。

世界の荒廃ぶりはそれはすごいです。
ファーストフード店のウエットテッシュとかシャンプーとか、現代の社会では平気で捨ててしまうようなものが超貴重品となり、それを略奪するためには人なんか簡単に殺してしまう。それどころか、殺した人間を食べてしまうような世界。

欧米では「The Book」といえば「あれ」だということは明白らしいですし、本の正体そのものはもはやネタバレ以前の問題のようです。その「本」がなければ、世界はここまで荒廃し、人の心も荒れ果ててしまうということなのでしょうか。

「本」を奪い取り、世界を支配しようとたくらむカーネギー（ゲイリー・オールドマン）の机の上に、手下がぶちまけた本のうちの一冊が、なんとダン・ブラウンの「ダヴィンチ・コード」。カーネギーはひとこと、「Burn it！」
キリスト教原理主義の人たちにとって、あれはやっぱり焼き捨てたい本だったのかと笑ってしまいました。

驚きは本の中身よりもその形態で、さすがにそれは予想してなかったのですが、だからといって主人公イーライが○○だったということにはならないのでは？と、観直してみて思いました。○○だったら、あんなこと、こんなこと、絶対無理ですよね。

カーネギーのそばにいる女性が、ジェニファー・ビールスだったり、雑貨屋のおっちゃんがトム・ウェイツだったりは嬉しかったです。

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荒んだ町。
荒んだ人々。
どこか　アニメチックだけど　雰囲気は凄く好き。

使命を抱えて西へとひたすら旅する男。主人公のイーライ。

絶大な権力を手に入れたい男。


なんか　面白そうじゃん！て期待をさせてくれる。

でも　終わってみれば　宗教かよ！って感じは　無きにしも非ず。

使命を背負ってる人って　気の毒な気がしてしまう・・・・・。
使命を全うするために生まれてきたんだろうけど　そして　それを全うすることが生きてきた意味なんだろうけど・・・・。
じゃぁ　本来の自分は？？？？

なぜ俺がこんなことをしなきゃいけないのか？と言う　疑問は　わかないのだろうか・・・・？
そんな人間　いるのかな・・・？

この映画の主人公は　そもそも　人間なんだろうか？
「地上での仕事は終わった。」と言うような　セリフから　もともと　天上界にいた者なのかもしれないけどさ。

普通なら　死んでるけど　神のご加護とやらで　生かされてる感じだったしね。

でも　そうなると　ゲイリー・オールドマンの役なんかが　敵う相手じゃないしね。

あ　ゲイリー・オールドマン　ぶっ飛んだ芝居してなかったね（笑）
普通に巧い人だけどさ（笑）

決してつまらくないし　むしろ　好きな感じなんだけど　やっぱり　宗教の話は　わかんないや（笑）


この映画のキーとなる　本のオチは　素晴らしかった。

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日本の時代劇を見ていると錯覚しそうになる立ち回り。
”ウォーカー（旅人）”の巧みなソード裁きは舞踏の様に美しい。
日本の昔の時代劇のようでもあり、西部劇のようでもある。
モノトーンに近い色合いも手伝って、世界が崩壊したあとの殺伐とした風景がより一層浮き彫りにされる。
ある本が世界の崩壊を招いたとも言われるならば、その本を復元することは果たしてどうなのか？
それでも復元するべきなのか？
多くの西洋人が心のよりどころにしているのであろうその本への思い入れを感じさせる映画だ。



*****以下ネタバレ注意***********************
結局イーライは盲目だったということなのか？
それとも点字の読めるつわものだったということなのか？
盲目だったとしたら、冒頭のシーンなど、全く納得がいかないではないか・・・・
それとも座頭市ばりの鋭い感の持ち主ということなのか？
いずれにせよ、彼に与えられた試練の道は神からの啓示だったのだろう。