ソラニン

評価７２点（1００点満点）
原作はコミックらしい。「ソラニン」なんてなんのことだかよくわからない題がついているけれど映画の中ではジャガイモの芽の毒性、厳密にはナス科の植物に含まれる成分でステロイドアルカロイドを指すらしい。
ヒロインが芽衣子で恋人が種田、漫画的な語呂合わせなんだろうか。
さて本作はいわば青春群像劇というジャンルになるのだろうが、芽衣子とその同棲相手の種田、バンド仲間の加藤とその恋人、ビリーが織りなす青春の疼きのようなものを描いており、同年層には大いに共感できる内容なのかもしれない。最近の停滞している日本の経済、大学を卒業しても就職できない。ましてや自分が満足できる職場なんてそう簡単に見つかるものではないし人生設計なんて絵空事になってしまう、先の見えない苛立ちに若者達はみんな迷っている。「本当にこれでいいのか」自分に問いかけても答えは返ってこない。そして「とりあえず生きていればいいや」なんて妥協してしまう奴もいる。いつの間にこんな世の中になったのだろうか。そんな問いかけをしたくなつてしまう。

他の人のレビューは褒めてばっかりだけど、私はダメでしたね、この映画。
共感できるところがひとつもない。だらだらと進む映画。キャラも好きになれない。

宮崎あおいちゃんの歌を聞くだけでいいわ。あとはナシ。

宮崎あおいは言うまでもなく、出演者が皆良い味出してるので、それなりに楽しめますが、ストーリーとしてはその辺に腐るほど転がってるありきたりな話で、別段目新しさも無く辛口に言えば何故宮崎あおいを使ってまで映画化する必要があったのか分かりません。

とはいえ、宮崎あおいには凄みすら感じますけど…。

★★★（3点）

そもそも、青春映画で誰かが死んでってのは好きじゃないんですよね、お涙頂戴が見え見えで・・・。
やっぱ、青春はハッピーエンドでなければ。。。

おススメする程ではありません。

　社会ってこんなものだって　対立軸をわかりやすくするのは
　まあ　ひとつの　手法とは思うけど
　若者は純粋で　社会は　単純でおもしろくなくて　退屈で　なんて
　そんな　社会って　ありますのか
　女子社員はコピーしてお茶くんでれば　いい　なんて　そんな会社
　一体どこにあるの？　そんな　牧歌的な会社　もう時代遅れもいいとこだ

　音楽を追求するわかものの　どこがいいのか
　マスターベーションみたいな　音楽作って　売れないから
　社会が認めてくれないから　それは　社会が悪いからって　ばっかじゃないの？

　アイドルのバックミュージシャンを　なんか堕落したみたいに　描いて
　アイドルをバカにするのかいな　リンドバークが　怒ってくるぞ
　スタジオミュージシャンの　レベルの高さを　わかってないのかいな

　そういう　基本的な認識の　単純さは　いやになるけど
　宮崎あおいの　うまさに　助けられてるなあ。

　いわゆる　青春映画っていうのかな　の　時代遅れの　ステキさは　あるかなあ。

高校生の時に自分の将来への不安と、自分の現状との落差で不安になる時期がある。
たぶん倫理の時間に習ったと思う「モラトリアム」。
この映画の主人公達もそのような不安にさいなまれているように思えた。
大学を卒業して望まない会社に就職した者。あるいは留年して大学にとどまる者。家業を継いでいる者。
あるいは夢を追ってバイト生活で生きている者。
高校生の時分とはまた違った不安。
夢と現実、理想と現実の落差に漠然とした不安を、登場人物たちは抱えている。
生きているだけで消耗し生きているだけで疲弊する単調な毎日は、
確実に自分の中の何かを削り取り、日々を生きているだけで幸せ、やる気、元気を摩滅させていく。

その現状から何とか抜け出したくて、必死にもがく彼らが眩しい。
叶えられない夢や叶えたい願いを求めて頑張る彼らの姿が羨ましい。
例えその夢が刹那的な一時の目標であったとしても、そのような目標があるだけで私には羨ましくて仕方が無い。
その様が遠回りをしていて、不器用でかっこ悪くてもだ。

キャスティングの妙が生きて、登場人物と役者が完全に一致しており、これ以上は無いはまり役ばかりではないだろうか。
若干、宮�ｱあおいの喫煙シーンには違和感があるが、これはご愛嬌。
息が詰まる生活をしている若者の今を、登場人物たちが活き活きと演じており実にリアリティがある。

今の自分に漠然とした不安を抱えている人にはお勧め。
わずかな開放感が得られる作品ではないだろうか。中島みゆきの「ファイト！」を聞きたくなる映画だ。

宮�ｱあおいの歌声をもっと聴きたかった。残念。