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ブレードランナー クロニクル

ブレードランナー クロニクルの画像・ジャケット写真

ブレードランナー クロニクル / ハリソン・フォード

全体の平均評価点:(5点満点)

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映画賞受賞作品

旧作

ジャンル :

「ブレードランナー クロニクル」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

P・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に、近未来を舞台に展開するアンドロイドたちの物語を描いたSFサスペンスで、その卓越した近未来描写により、多くのファンを持つカルト作品。植民惑星から4体の人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された“ブレードランナー”デッカードは、地球に潜入したレプリカントたちを追うが……。<BR>オリジナル劇場版 「ブレードランナー」(1982)、インターナショナル劇場版 「ブレードランナー 完全版」(1982)、「ディレクターズカット/ブレードランナー最終版」(1992) (※ディレクターズカット版には日本語音声、日本語字幕<吹替用>は収録されていません。)

「ブレードランナー クロニクル」 の作品情報

作品情報

製作年:

1982年

製作国:

アメリカ/香港

原題:

BLADE RUNNER

受賞記録:

1982年 LA批評家協会賞 撮影賞

「ブレードランナー クロニクル」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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11〜 15件 / 全35件

フランケンシュタイン・コンプレックス ネタバレ

投稿日:2010/04/07 レビュアー:港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 最終版を見た後、劇場版と完全版を見ました。やはりナレーションはない方がよいと思いました。とくに最後の場面で「命の尊さ」などと一方的な独白で締めくくられると映画の解釈の幅が狭められる気がします。
 デッカードとレイチェルの恋愛にはそれほど興味が持てなかったので、あれは一種の「人形愛」と考えれば面白いが、結末はハッピーエンドでも、あいまいでもどちらでも可でした。デッカードの夢のなかの純白のユニコーンは、純潔さと特異性の象徴としてレイチェルそのもののように思えます。「キスして、と言え」と愛を知らないイノセントなレプリカントをこれから調教していくのでしょうか。

 この映画の最大の見所は創造主であるタイレル博士とレプリカントのリーダー、ロイとの対決、それに続くブレードランナー、デッカードとの戦いの場面であると思われ、その部分の内容は3作、ほとんど変わりはありませんでした。(完全版は激しい暴力描写が加わっている)
 「神殺し」のイメージすら彷彿させる鬼気迫る場面、人間型の生命体を創造したいという欲望と、創造した人間に逆に滅ぼされるのではないかという恐怖の、息を呑むような映像化でしょう。目を潰すという行為は「オイディプス」の最後を思わせ、おまえの目は何も真実を見ていないじゃないかとの、レプリカントの激しい怒りを感じました。苛酷な仕事をさせるための人間を作ることすら許し難いのに勝手に死まで組み込むとは!
 死期の迫ったロイの姿は断末魔の生命の痙攣のようでした。狼のような声を上げ、しだいに動かなくなる掌に釘を打ち込んでまで死に抗う姿は生命そのものが荒れ狂っているかのよう。ルトガー・バウアーはたいへんな熱演です。圧倒されたデッカードはただ逃げ回るだけ。奴隷にされたレプリカントの生活は恐怖の連続であることを身をもって教えられるわけです。廃墟となった古風なビルに、雨が陰気に降りしきるのが舞台としてまたすばらしい。
 この部分、SFではなく現実の社会の被抑圧者の怒りの爆発とも読み取れます。人権なんて考える必要のない人間をどこかで欲している部分が、社会にはありますから。機械であれ有機体であれ自分の似姿を人間が創造したがるのは、神になりたいという欲望以前に、安心して支配でき、思い通りに操れる人間が欲しいとの世俗的な「権力欲」のためかもしれません。

 映画の示す2019年はもうすぐ。レイチェルのような人造人間はまだ夢でしょうが、生命工学の進歩はすでに難しい問題を突きつけています。例えば上の子の病気の治療のため、ドナーとして弟や妹を、複数の受精卵から適合するものを選んで、産むこと(救世主ベビーというのだそうです)など、どことなくレプリカントの発想に通じるものを感じてしまいます。

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フィルム・ノワールの傑作

投稿日:2009/01/06 レビュアー:J ランタン

この陰鬱な映画の主題は創造主(メーカー)であるタイレルと被造物であるレプリカントとの対決であって、世界の辺境に追放された「ひとでなし」が神(キング)にたいして反抗するという神話・古典的物語がベースになっている。
アダムでもありイエスでもあるロイやイブのようなレイチェルはまだしも蛇女まで登場するのは(蛇足であるナレーション同様)説明過剰ではあるが、アジアン・テイストとレトロ・グロテスク趣味が猥雑な深層世界を詩情豊かに表現していてみごとであるし、世界の中心部へともぐりこむことでアイデンティティーの空白と生きていることの虚無感をうめようとするレプリカントたちの苦闘が他ならぬわれわれ人間の苦悩に他ならないことに思い至って汲めども尽きぬ魅力になっている。

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殴られた男の顔はセクシー ネタバレ

投稿日:2008/07/23 レビュアー:横浜のタマ

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JUCEさんの親切なレビューを読んでバージョンの違いをやっと今更納得したわけですが、最終版を待って待っていたのはなんだったんでしょうか。クロニクルは3バージョン収録されていてお得だし、予約が殺到してしまうと思っていたファイナル・カットもわたしが予約した時点ではすぐに送られてきた状況なのに最終版待っている人、JUCEさん言われるように早くクロニクルに鞍替えしたほうがいいですよ。今ならすぐ送られくるはずですから。

洗練を重ねると「ファイナル・カット」であるのはバージョンの違いをやっとこ学習したわたしにも分かるのですが、最初に観たためか衝撃が忘れがたい劇場版もすきなんです。劇場版のイントロダクションで監督はあんまりお勧めじゃないけど劇場版のファンも存在するので敢えて入れましたみたいな事話してて、あんまりじゃないのと思いましたが捨てがたいですバージョンです。
かつて全く新しいファンタジーではありましたが、元々はたかだか3メートルの奥行きのミニチュアの世界(ファイナル・カットでの音声解説にて)、本編の最後にはミニチュアの世界から天空に駆け上がってデッカードとレプリカントが遥か下界を俯瞰する開放感に大甘ですが幸福感があって劇場版をわたしは好きだったのです。
ブレードランナーのその後のSF作品に及ぼしたものは決して功ばかりではなく影響力が大きい作品だったという意味で罪もあったかもとちょっと思いました。

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まず、DISCASさんへ ネタバレ

投稿日:2009/08/02 レビュアー:K&Bのママ

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ディスクに傷があるのか、デッカードとレーチェルが愛を確かめ合うシーン、ピアノを弾いてるあたりから見れませんでした。このディスクは貸し出ししないで下さい。              久しぶりに観ました。 以前は気づかなかった点、眼を造るあやしげな中国人?に自分たちの寿命を尋ねるシーンでロイは、ウィリアムブレイクの詩の一説を語っている。 トマスハリスの「レッド・ドラゴン」の最初のページにも引用されていると思う。人間的な心が生まれ、ロイは小説や詩集をよんだりしたのでしょうか?  それからデッカードと対決するシークエンス。 この戦いの中で、ロイはプリスの死に涙し、終わりかけている命を伸ばすために手のひらにくいを打つ。その後命が尽きるときに語る独白は人間的で、またそれ以上です。まるで、ロイの魂が天にのぼっていくように飛び立つ白い鳩はとても印象深くすばらしい。 デッカードを助けた引き換えに天にめされていくキリストのようでした。 雨や光と影の映像の美しさや混沌とした街の様子などに目を奪われがちだが、物語の内容も奥深く、本当にすばらしい〜。 沢山のファンがいるのもなっとくの作品です。                   

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★★★★ 混沌世界

投稿日:2012/09/21 レビュアー:ガラリーナ

<SFファンの息子と巡るSF名作の旅 その4>

(Blu-rayにて鑑賞)
コアなファンのみなさんがイチオシの「ディレクターズカット版」を初鑑賞。
やはりこの世界観に尽きるんでしょう。
未来的なタイレル社の高層ビルと新宿裏通りのような猥雑な街並み。
この混沌こそが、ブレードランナーの一番の魅力ですね。
ブルーレイ技術のおかげで、この近未来都市は実に美しく再現されています。
タイレル社の小さな窓からあふれる光、その粒子ひとつひとつが煌めいているのです。
宣伝カーの舞子の白塗りのどぎつさ、デッカードの薄暗い部屋の換気扇から差し込む夕暮れの柔らかい日差し。
映像を追っているだけで高揚感に包まれます。

そして、ヴァンゲリスの音楽。
彼の映画音楽って、あんまりいいと思ったことないのですが、この不穏なシンセサイザーの音色がとてもマッチしている。
かと思ったら、デッカードとレイチェルのシーンでは、やけに甘ったるいジャズが流れたりして。
まるで、神代辰巳が撮るヤクザと情婦のベッドシーンみたいなBGM。
映像面で近未来と猥雑都市が混ざり合っているように、
音楽面においてもシンセとジャズの落差感が混沌とした世界観を作っています。
エンディングに流れる不気味なシンセのリズム、「これって『リング』にめちゃ似てる!」と思わず叫んでしまいましたが、
リングがパクっているんですね、はい。

一方、ストーリーは「わかりやすい劇場版のナレーションを一切排した」というだけあって、実に難解です。
そもそもの設定に対して何の説明もないので、冒頭少しその世界観に入り込めなかったのも事実。
劇場版にはないユニコーンの夢を新たに挿入したことで、
デッカードもレプリなんではないかと想像する観客が多いのはうなずけます。
たとえ、それがミスリードであっても、物語としてはその方がおもしろいでしょう。
それでもねえ。アンドロイドがこの世界においてどんな存在なのか、彼らの存在が人類にとって驚異なのはナゼか、
その辺があまり語られず、正直物語にあまり魅力を感じませんでした。

実はSF名作巡りをしようと持ちかけて、息子がいちばん楽しみにしていたのがこれ。
彼はディックが大好きで、ほとんどの作品を読んでいるのですが、
そんな彼でも鑑賞後明らかにその顔に「?」の文字が浮かんでいました。
原作と設定が違うことに違和感を持ったようで、「映像は凄いんやけどなあ」、とポツリ(笑)。
希代の傑作と誉れ高い作品なのに、どうにもピンと来ず、ふたりで苦笑い。
そして、私ひとりで続けて「劇場版」を見ることにしたのでした…<つづく>

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ブレードランナー クロニクル

ユーザーレビュー

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フランケンシュタイン・コンプレックス

投稿日

2010/04/07

レビュアー

港のマリー

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 最終版を見た後、劇場版と完全版を見ました。やはりナレーションはない方がよいと思いました。とくに最後の場面で「命の尊さ」などと一方的な独白で締めくくられると映画の解釈の幅が狭められる気がします。
 デッカードとレイチェルの恋愛にはそれほど興味が持てなかったので、あれは一種の「人形愛」と考えれば面白いが、結末はハッピーエンドでも、あいまいでもどちらでも可でした。デッカードの夢のなかの純白のユニコーンは、純潔さと特異性の象徴としてレイチェルそのもののように思えます。「キスして、と言え」と愛を知らないイノセントなレプリカントをこれから調教していくのでしょうか。

 この映画の最大の見所は創造主であるタイレル博士とレプリカントのリーダー、ロイとの対決、それに続くブレードランナー、デッカードとの戦いの場面であると思われ、その部分の内容は3作、ほとんど変わりはありませんでした。(完全版は激しい暴力描写が加わっている)
 「神殺し」のイメージすら彷彿させる鬼気迫る場面、人間型の生命体を創造したいという欲望と、創造した人間に逆に滅ぼされるのではないかという恐怖の、息を呑むような映像化でしょう。目を潰すという行為は「オイディプス」の最後を思わせ、おまえの目は何も真実を見ていないじゃないかとの、レプリカントの激しい怒りを感じました。苛酷な仕事をさせるための人間を作ることすら許し難いのに勝手に死まで組み込むとは!
 死期の迫ったロイの姿は断末魔の生命の痙攣のようでした。狼のような声を上げ、しだいに動かなくなる掌に釘を打ち込んでまで死に抗う姿は生命そのものが荒れ狂っているかのよう。ルトガー・バウアーはたいへんな熱演です。圧倒されたデッカードはただ逃げ回るだけ。奴隷にされたレプリカントの生活は恐怖の連続であることを身をもって教えられるわけです。廃墟となった古風なビルに、雨が陰気に降りしきるのが舞台としてまたすばらしい。
 この部分、SFではなく現実の社会の被抑圧者の怒りの爆発とも読み取れます。人権なんて考える必要のない人間をどこかで欲している部分が、社会にはありますから。機械であれ有機体であれ自分の似姿を人間が創造したがるのは、神になりたいという欲望以前に、安心して支配でき、思い通りに操れる人間が欲しいとの世俗的な「権力欲」のためかもしれません。

 映画の示す2019年はもうすぐ。レイチェルのような人造人間はまだ夢でしょうが、生命工学の進歩はすでに難しい問題を突きつけています。例えば上の子の病気の治療のため、ドナーとして弟や妹を、複数の受精卵から適合するものを選んで、産むこと(救世主ベビーというのだそうです)など、どことなくレプリカントの発想に通じるものを感じてしまいます。

フィルム・ノワールの傑作

投稿日

2009/01/06

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J ランタン

この陰鬱な映画の主題は創造主(メーカー)であるタイレルと被造物であるレプリカントとの対決であって、世界の辺境に追放された「ひとでなし」が神(キング)にたいして反抗するという神話・古典的物語がベースになっている。
アダムでもありイエスでもあるロイやイブのようなレイチェルはまだしも蛇女まで登場するのは(蛇足であるナレーション同様)説明過剰ではあるが、アジアン・テイストとレトロ・グロテスク趣味が猥雑な深層世界を詩情豊かに表現していてみごとであるし、世界の中心部へともぐりこむことでアイデンティティーの空白と生きていることの虚無感をうめようとするレプリカントたちの苦闘が他ならぬわれわれ人間の苦悩に他ならないことに思い至って汲めども尽きぬ魅力になっている。

殴られた男の顔はセクシー

投稿日

2008/07/23

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横浜のタマ

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JUCEさんの親切なレビューを読んでバージョンの違いをやっと今更納得したわけですが、最終版を待って待っていたのはなんだったんでしょうか。クロニクルは3バージョン収録されていてお得だし、予約が殺到してしまうと思っていたファイナル・カットもわたしが予約した時点ではすぐに送られてきた状況なのに最終版待っている人、JUCEさん言われるように早くクロニクルに鞍替えしたほうがいいですよ。今ならすぐ送られくるはずですから。

洗練を重ねると「ファイナル・カット」であるのはバージョンの違いをやっとこ学習したわたしにも分かるのですが、最初に観たためか衝撃が忘れがたい劇場版もすきなんです。劇場版のイントロダクションで監督はあんまりお勧めじゃないけど劇場版のファンも存在するので敢えて入れましたみたいな事話してて、あんまりじゃないのと思いましたが捨てがたいですバージョンです。
かつて全く新しいファンタジーではありましたが、元々はたかだか3メートルの奥行きのミニチュアの世界(ファイナル・カットでの音声解説にて)、本編の最後にはミニチュアの世界から天空に駆け上がってデッカードとレプリカントが遥か下界を俯瞰する開放感に大甘ですが幸福感があって劇場版をわたしは好きだったのです。
ブレードランナーのその後のSF作品に及ぼしたものは決して功ばかりではなく影響力が大きい作品だったという意味で罪もあったかもとちょっと思いました。

まず、DISCASさんへ

投稿日

2009/08/02

レビュアー

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ディスクに傷があるのか、デッカードとレーチェルが愛を確かめ合うシーン、ピアノを弾いてるあたりから見れませんでした。このディスクは貸し出ししないで下さい。              久しぶりに観ました。 以前は気づかなかった点、眼を造るあやしげな中国人?に自分たちの寿命を尋ねるシーンでロイは、ウィリアムブレイクの詩の一説を語っている。 トマスハリスの「レッド・ドラゴン」の最初のページにも引用されていると思う。人間的な心が生まれ、ロイは小説や詩集をよんだりしたのでしょうか?  それからデッカードと対決するシークエンス。 この戦いの中で、ロイはプリスの死に涙し、終わりかけている命を伸ばすために手のひらにくいを打つ。その後命が尽きるときに語る独白は人間的で、またそれ以上です。まるで、ロイの魂が天にのぼっていくように飛び立つ白い鳩はとても印象深くすばらしい。 デッカードを助けた引き換えに天にめされていくキリストのようでした。 雨や光と影の映像の美しさや混沌とした街の様子などに目を奪われがちだが、物語の内容も奥深く、本当にすばらしい〜。 沢山のファンがいるのもなっとくの作品です。                   

★★★★ 混沌世界

投稿日

2012/09/21

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ガラリーナ

<SFファンの息子と巡るSF名作の旅 その4>

(Blu-rayにて鑑賞)
コアなファンのみなさんがイチオシの「ディレクターズカット版」を初鑑賞。
やはりこの世界観に尽きるんでしょう。
未来的なタイレル社の高層ビルと新宿裏通りのような猥雑な街並み。
この混沌こそが、ブレードランナーの一番の魅力ですね。
ブルーレイ技術のおかげで、この近未来都市は実に美しく再現されています。
タイレル社の小さな窓からあふれる光、その粒子ひとつひとつが煌めいているのです。
宣伝カーの舞子の白塗りのどぎつさ、デッカードの薄暗い部屋の換気扇から差し込む夕暮れの柔らかい日差し。
映像を追っているだけで高揚感に包まれます。

そして、ヴァンゲリスの音楽。
彼の映画音楽って、あんまりいいと思ったことないのですが、この不穏なシンセサイザーの音色がとてもマッチしている。
かと思ったら、デッカードとレイチェルのシーンでは、やけに甘ったるいジャズが流れたりして。
まるで、神代辰巳が撮るヤクザと情婦のベッドシーンみたいなBGM。
映像面で近未来と猥雑都市が混ざり合っているように、
音楽面においてもシンセとジャズの落差感が混沌とした世界観を作っています。
エンディングに流れる不気味なシンセのリズム、「これって『リング』にめちゃ似てる!」と思わず叫んでしまいましたが、
リングがパクっているんですね、はい。

一方、ストーリーは「わかりやすい劇場版のナレーションを一切排した」というだけあって、実に難解です。
そもそもの設定に対して何の説明もないので、冒頭少しその世界観に入り込めなかったのも事実。
劇場版にはないユニコーンの夢を新たに挿入したことで、
デッカードもレプリなんではないかと想像する観客が多いのはうなずけます。
たとえ、それがミスリードであっても、物語としてはその方がおもしろいでしょう。
それでもねえ。アンドロイドがこの世界においてどんな存在なのか、彼らの存在が人類にとって驚異なのはナゼか、
その辺があまり語られず、正直物語にあまり魅力を感じませんでした。

実はSF名作巡りをしようと持ちかけて、息子がいちばん楽しみにしていたのがこれ。
彼はディックが大好きで、ほとんどの作品を読んでいるのですが、
そんな彼でも鑑賞後明らかにその顔に「?」の文字が浮かんでいました。
原作と設定が違うことに違和感を持ったようで、「映像は凄いんやけどなあ」、とポツリ(笑)。
希代の傑作と誉れ高い作品なのに、どうにもピンと来ず、ふたりで苦笑い。
そして、私ひとりで続けて「劇場版」を見ることにしたのでした…<つづく>

11〜 15件 / 全35件