理想の彼氏

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夫の浮気発覚を機に、今まで言わずに溜め込んできた怒りや
閉じ込めてきた自分自身が一気に爆発。
ＮＹに移り住んでから仕事にデートに頑張るが、それはすべて
今までの反動＝rebound(原題）。
「理想の彼氏」探しというよりは、「本当の自分らしい生き方」探し。
邦題以上に奥行きのある内容でした。

男子アラムにも主役級の肉付けがされているので
実家暮らし大卒フリーターの自分探しの物語でもあります。

映画開始数分で離婚してしまうので、それまでどんな結婚生活
を送っていたのか描かれていませんが、
ＮＹにやってきた元旦那に胸の内をぶちまける、あの時のサンディ
がすべてを語っています。あのキャサリン・セダ＝ジョーンズ
の演技、とてもよかった。

妊娠が分かった時のアラムの反応も素敵でした。

AROUND40女性だけでなく、20代カップルでも楽しめる
ラブコメだと思います。

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アラ４０バツイチとフリーターのラブコメなので、
内容はよくあるラブコメとしてぜんぜん期待していなかったのですが、
後半の展開が思いのほかよかったので、
結果トータルでも印象が良かったです。

全体的に嫌味がなく、
サンディとアラムが２人ともイイやつだったことも○です。
特にアラム、むちゃくちゃイイやつに見えました。

アラムは過去に偽装結婚（？）されたことがあり、
その痛手から立ち直ろうとしているところへ
たまたま舞い込んだ子守の仕事。
そこで一家から必要とされていることに充実感を得て
子供たちと接するうちに自身も癒され立ち直る。
その母であるアンディにも惚れてしまう。

歳の差や周囲の反応を考えて自身から身を引き、
世界中を旅して周り、現地の子供たちに接する姿は
アラムの人の良さ、子供好き、
再度の失恋からこんどこそ立ち直りたいという
心情が伝わってきました。

５年を経て再会した２人
サンディは相変わらず。
アラムには子供がいる。
その子は・・・・
で、妻はいない・・・。

んー！？と、ちょっと意表をつく結末ですが、
ハッピーでよかったと思います。

※この映画、邦題がイメージ損ねてる気がします・・・・。

キャサリンの美しさには脱帽。
あれなら４０でも全然ＯＫでしょう！
むしろ、あの男の子にはもったいないほどだ。

軽いラブコメで気軽に見れる感じです。
ちょっと仕事もうまくいきすぎだし、浅い感じは否めないけど。

相手役の子はどうもガエルくんに見えてし仕方なかった。
映画の中では超いい人役なのに、特典映像の舞台裏ではガムをくちゃくちゃやってて、まるでやる気なさそうで幻滅・・。
「ナショナル・トレジャー」でニコちゃんの相棒やってた子なのね。

この前見た「あなたは私のムコになる」も同じような年の差カップルだったけど、こっちのカップルに１票入れたいです。

俺にはできない理想

ラブコメかと思って観ましたが、コメはほどんど無く、真面目な人が作ったロマンス映画だった。

ストーリーは語るほどのものが無いのですが、まず感じたのは「こういう女性が世の中にはたくさ
んいるのだろうなぁ」という、主人公の女性にたいするシンパシー。スタンフォード（だったと思
う）の大学院まで出ていて、つまり頭も良ければ美貌もある、のに「夫の前では声が出せない」

自信が無いし、言いたいことを抑えて生きてきた。エモーションは隠して生きていた。
子供を育ててきたからキャリアを持っていない、ということにもコンプレックスを持っている。
（実際、面接でそういうことを言っている）

これは社会的な女性抑圧のちからの結果そうなってしまっているのだろうなぁ、と思う訳です。
あの護身セミナーにはそうした「怒りを抑えつけてきた」女性がたくさん来ていた。

そういう女性主人公に共感する人はたくさんいると思う。家内も「女に生まれたというだけで
ビジネス社会ではすでにハンデを持っている」と言っていたが、家内はそのときまだ25歳だった。
その年齢でそういう思いをしているのは気の毒なことだ。サンディも夫に抑えつけられて生きて
きた。

こういうのは何故なんだろうと思うが、基本は男の恐怖心があるのだと思う。
そもそも女性の方が優秀だし、ビジネスは全部女性にやらせた方が良いと常々思う。
なのに女性は創造力が無いだのなんだの、そういう難癖をつける男はどこにもいます。
女性に仕事をとられる、自分の価値が危うくなる、女性をコントロールしたい、そういう
潜在的恐怖心が男をして女性を抑圧したいという無意識の欲求を生ませ強圧的な態度をとらせる。
あの元夫は典型として描かれている。


一方、ナニー役の男はそういう攻撃性をまったく持っていない。彼女を支配しようという気持ちが
全然ないし、優しい男だ。そこが女性には良く映るのだろう。現実の結婚相手としてどうかという
評価は置いといて。

そこを「理想の彼氏」と翻訳したかったのだろうけれど、それはこの映画の主旨と違うと思う。
（映画の重点はふたりの人間の立ち直りに置かれていると思う。原題はthe reboundだし）

妊娠したと告げるシーンは、まさに身重となる女性、現実を受け止めるのは女性、があの頼り無さ
げな男に素晴らしいセリフを聞かされて感動的なシーンになるはずだったけど演出が失敗したと思う。

女友達がスポーツクラブで「This is not about judgment. This is about my friend…」と
サンディに言うが、あれは良いセリフだ。人間だれしも他人の価値観を押し付けられるのはいや
だが、英語ではそれをジャッジと言う。ジャッジしないでくれ、とか、言います。よく言います。
日本語だと「余計なお世話」かな。自分の価値観の押しつけをする人はたくさんいる。それは
相手のことを思っているわけではないから何の役にも立ちません。そこを「私は自分の価値観に
こだわっているんじゃないのよ」と言えるのは、良い友達だ。あのまったく性格の異なる二人が
なぜ友達でいるのかをこのシーンはよく説明していた。

ストーリーについてはあまり書くことは浮かばない。
それよりも女性の気持ちについて考えさせられる映画でした。