重力ピエロ

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重力ピエロ / 加瀬亮

全体の平均評価点:(5点満点)

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「重力ピエロ」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

切なくも感動的な一家族の絆を、独特のスタイリッシュな文体で軽やかに綴った伊坂幸太郎の同名ミステリーを実写映画化。仙台を舞台に、連続放火事件の謎を追う兄弟が、やがて家族にまつわる哀しい過去と向き合っていくさまを家族の愛を軸に描く。泉水と春は、優しい父と今は亡き美しい母の愛情に包まれて育った仲の良い兄弟。兄の泉水は遺伝子の研究をする大学院生。一方、街中で落書き消しの仕事をしている弟の春。彼らが暮らす仙台市内は、頻発する連続放火事件に揺れていた。あるとき春は、放火現場の近くに必ず謎のグラフィティアートが描かれていることに気づく。事件との繋がりを直感した春は、泉水を誘って夜の街で張り込みを開始するが…。

「重力ピエロ」 の作品情報

作品情報

製作年: 2009年
製作国: 日本

「重力ピエロ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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11〜 15件 / 全154件

断ち切れはしないもの ネタバレ

投稿日:2009/11/29 レビュアー:蒼生

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だるーい感じで流れていって、ミステリー的にも特に惹かれず、
「結構評判よさそうだけど、どこがいいのか。これからよくなるのか」
と、思いながら観ていたら

終盤なんとなく雰囲気が変わってきます。
泉水は何をしようとしているのか
春は何をしているのか、何のために。

そんな展開で、軽く惹きつけておいて
春が実の父親を殺すシーンが、多分この映画のクライマックスです。

渡部篤郎の「ダメだ、こいつ」感、よかったと思います。
特に新鮮ではなかったけど。

春はDNAを断ち切りたかったから殺したのでしょうか。
でも、皮肉なことにその殺人という行為をできてしまうことが
(父親は殺人まではしていないからもっと悪い)
確かに同じDNAを持つことの裏付けになってしまうことに
気づいていない。
それが救いなのか、それとも。

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お父さん、最強なのは貴方です! ネタバレ

投稿日:2009/10/30 レビュアー:kazupon

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珍しく原作を読んでから観ました。
伊坂幸太郎の作品には奇抜な台詞が多く、第一声が「本屋を襲わないか」だったのは、"アヒルと鴨のコインロッカー"
本作は、「春が二階から落ちてきた」でした。
配役は兄に加瀬亮、弟に岡田将生、母親に鈴木京香。
これは最強の配役でしょう!(特に岡田君が!笑)
でも、父親役の小日向文世は、私が原作から抱いていたイメージとはちょっと違っていたのです。
具体的に誰とはイメージしていなかったものの、小日向文世では少し頼りないのでは?と思ったのでした。
しかし、実際には違和感はなく、あの風貌から発せられる独特の台詞「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえるんだよ」「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」などが、活きていました。
そういえば彼は、「それでもボクはやってない」で、憎らしい裁判官役をこなしていたんだった。
連続放火事件と、その火災現場の近くに残された落書きから伝わってくる謎のメッセージ、24年前の忌まわしい事件と、この家族が背負っている悲劇が、トリッキーな伏線を辿るうちに一つに繋がり、一気にラストに向かいます。
最初はミステリーとして観ていても、やがて、これは「遺伝子」以外でもしっかりと結びついている「家族」の物語だと気がつきます。
弟、春の背負った宿命が、鋭い感受性と物事の本質を見極める力を育んだとも感じられる作品でした。
重力は消してしまえると言いながらも、とても重たい問題を含んでいます。
そして父親の、「愛」と言うよりは「慈愛」に満ちた大きな人間性と、そこに築かれた家族の絆が、まさに最強の家族を作り出していました。

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映画って真っ白な状態で観たほうが良いw

投稿日:2010/02/28 レビュアー:K&Bのママ

中々レンタル出来なかったので、原作をもう一度読みました。

そうすると一度目には気がつかなかった伏線があったりしっくりこなかったラストもやっぱりしっくりこないままでいいのであって、作者がこちらに問うている作品なんだろうなぁと・・・
警察や法律や世間の人々全般に問うている。 善とは、悪とは、
とこれは伊坂作品では『アヒルと鴨のコインロッカー』でも同じ。

原作を読んでいて、春のイメージがもう果てしなく勝手に膨らんでいましたので、岡田くんの春にはきっと満足できないのではと思っていましたが、その美しさは、原作の春とぴったりで、とても良かったと思います。ただふわっとしたやわらかい感じの岡田くんなので、春が背負っている重力を表現する時、もっとがらっと変わった激しい顔が観たかったのです。 原作のイメージ。それを超える演技を観たかったという気持ちを満足させる演技というのは残念ながら岡田くんには無理でした。この、原作のイメージというのが強すぎるのですねきっと。  ストーカーの夏子さん。この夏子さんを写真に写っている夏子さんで表現できてしまうのは、映像ならではでしたね。 なぞの美女とお兄さんのからみは、もう少し観たかったですね。 オードーリー似の美女と原作で書かれていますので、これもイメージ膨らみすぎの読者にはちょっと違和感あったでしょうね。
原作より先に映画を観るほうが良かったかな〜と思いました。

お父さんは実によかったですね〜 特に「春は俺に似て嘘をつくのがへただ」と言った時のお父さんの顔は最高でございました。
小日向文世さん。 なんとも言えない味のある役者さんですね。
なんとなく、堺雅人さんと似てるな〜といつも思ってしまいます。
堺雅人さんといえば『ゴールデンスランバー』良かったです!
伊坂幸太郎原作作品でございますが、これは何も知らずに観たのです。そして『フィッシュ・ストーリー』こちらも真っ白な状態で観たのです。どちらも爽快でございました。 やっぱり映画って真っ白な状態で観たほうが良いのですね。と今頃気づくのでした。

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完成図のわからないパズルのピースがはまっていくような感覚

投稿日:2011/04/25 レビュアー:ykk1976

伊坂幸太郎氏の原作は読んだことがありません。
わたしの行きつけの本屋(ヴィレッジヴァンガード)にも多数の作品が
山盛り置いてあるから、おもしろそうだなと気にはなっています。
毎回、原作を読んで映画を観ると、足りない部分や過剰盛られた演出にがっかりする場合が多いので、
せっかくだから読んでいないことをいいことに、この映画を観ることにしました。

何の前知識もなしに観始めたので、最初混乱しましたが、徐々にパズルのピースがはまるように、
いろいろ絵が見えてきます。
完成図のわからないパズルに取り組んでいるような高揚した気分になりました。
ただ、最後まで見てもそのパズルが完成した気がしない(もしくは、絵柄の意味がつかめていない)ので、
やっぱり原作を読んでみたいとも思いました。

いやあ、岡田将生さんいいですね。
わたしは、ドラマもあまり見ないし、最近の邦画はちょっとサボって観る機会が減っていて、
彼の出演作を始めてみたのですが、ただのかわいい顔の男の子ではありませんね。
重く演じればいくらでも重くなれる難しい役どころなのに、
等身大の青年らしさも感じられて、とっても好きでした。
加瀬亮さん、相変わらず最高です。
彼はわたしより二つ上で、映画撮影時でも逆算して30代半ばくらいだと思うんですが、
実際に20歳前の岡田将生さんとほんの少ししか離れていない兄弟に見えました。

ステキな台詞も多かったです。

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二重螺旋 ネタバレ

投稿日:2010/02/03 レビュアー:ひろぼう

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物語はDNAを軸に据え、犯罪性の遺伝という仮説まで提唱しているのに、二男の誕生秘話にまつわる家族愛へと、ストーリーが進展すると共に比重の割き方が大きく偏ってしまい、塩素記号が云々はどうでもよくなって、挙句の果てには本末転倒な事件を起こして正邪の判断もお座なりの曖昧なラストで締めくくるという残念なお話でした。

物語は導入から中盤くらいまでは、一家の今と過去の傷を並行して描くことで、人物像に重みを与えその行動に納得感を持たせる上手い展開ではあります。容姿性格共に全く異なる兄弟の不思議。その謎が、両親の出会いから別れまでを通じて明らかにされていきます。臆病な兄と大胆な弟。似ても似つかぬ二人を、常にちょっと距離を置いて暖かく見守る父。写真の存在としての母もまた、兄弟に影響を与え続けているかのようです。

地方の町を舞台に起こる連続放火事件。その謎を行きがかり上解くことになる兄弟は、知らずと自分達の過去を見つめ直すことになるのでした。
そして明らかにされる謎には、悲しみを超える憤りを感じるのでした。
地方ゆえの密接な関係を保つ住民達の間では噂話が絶えず、それにより苦しめられた過去、母の痛みや父の苦しみが、再び目の前に再訪する時を味わさられる兄弟。
兄弟の苦しみはDNAにもたらされ、DNAを手掛かり辿り着き、そのDNAを断つことで重い鎖の繋がりから解き放たれるのでした。

その結末には、親の因果が子に祟りとなるのか因果応報とでもいうのか、自業自得と言い切れはするのですが、どうも納得がいきません。前半でDNAがもたらす災いを示し、それは遺伝するかのように言って事実事件まで起こして、じゃあ切っちゃえばみたいなノリで無しにするのは如何なものか。この結末では前半の重い描写が、これだけ酷い目に会ったら何やってもいいよねみたいな言訳と感じてしまうのでした。
人の善悪とは本当にDNAで遺伝するのか。塩素記号の二重螺旋で暴力性は受け継がれるのか。育まれた環境がそうさせるのではないか。生まれ落ちた時から粗暴な人間なんているのか、もしそうなら家族愛で更生できないのか、だってあんたら“最強の家族”なんでしょうと問い掛けたいのに、ガンジーのように受難を受け流すなんて無理だよねとばかりに、もう一つの犯罪を容認せよと迫るのでした。

これには物語がDNAに、二重螺旋の繋がりに絡め取られたかに思わされるのでした。
あがいても逃げ出そうとしてもまとわりつく螺旋の戒めから逃れられない、釈迦の掌から飛びだせない乱暴者の猿と等しいと、そうじゃないと思わせておいて所詮人間なんてそんなもんで、あははと笑って生き抜くのさということなのですか。
がっかりしました。★2+

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重力ピエロ

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ユーザーレビュー:154件

断ち切れはしないもの

投稿日

2009/11/29

レビュアー

蒼生

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だるーい感じで流れていって、ミステリー的にも特に惹かれず、
「結構評判よさそうだけど、どこがいいのか。これからよくなるのか」
と、思いながら観ていたら

終盤なんとなく雰囲気が変わってきます。
泉水は何をしようとしているのか
春は何をしているのか、何のために。

そんな展開で、軽く惹きつけておいて
春が実の父親を殺すシーンが、多分この映画のクライマックスです。

渡部篤郎の「ダメだ、こいつ」感、よかったと思います。
特に新鮮ではなかったけど。

春はDNAを断ち切りたかったから殺したのでしょうか。
でも、皮肉なことにその殺人という行為をできてしまうことが
(父親は殺人まではしていないからもっと悪い)
確かに同じDNAを持つことの裏付けになってしまうことに
気づいていない。
それが救いなのか、それとも。

お父さん、最強なのは貴方です!

投稿日

2009/10/30

レビュアー

kazupon

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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珍しく原作を読んでから観ました。
伊坂幸太郎の作品には奇抜な台詞が多く、第一声が「本屋を襲わないか」だったのは、"アヒルと鴨のコインロッカー"
本作は、「春が二階から落ちてきた」でした。
配役は兄に加瀬亮、弟に岡田将生、母親に鈴木京香。
これは最強の配役でしょう!(特に岡田君が!笑)
でも、父親役の小日向文世は、私が原作から抱いていたイメージとはちょっと違っていたのです。
具体的に誰とはイメージしていなかったものの、小日向文世では少し頼りないのでは?と思ったのでした。
しかし、実際には違和感はなく、あの風貌から発せられる独特の台詞「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえるんだよ」「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」などが、活きていました。
そういえば彼は、「それでもボクはやってない」で、憎らしい裁判官役をこなしていたんだった。
連続放火事件と、その火災現場の近くに残された落書きから伝わってくる謎のメッセージ、24年前の忌まわしい事件と、この家族が背負っている悲劇が、トリッキーな伏線を辿るうちに一つに繋がり、一気にラストに向かいます。
最初はミステリーとして観ていても、やがて、これは「遺伝子」以外でもしっかりと結びついている「家族」の物語だと気がつきます。
弟、春の背負った宿命が、鋭い感受性と物事の本質を見極める力を育んだとも感じられる作品でした。
重力は消してしまえると言いながらも、とても重たい問題を含んでいます。
そして父親の、「愛」と言うよりは「慈愛」に満ちた大きな人間性と、そこに築かれた家族の絆が、まさに最強の家族を作り出していました。

映画って真っ白な状態で観たほうが良いw

投稿日

2010/02/28

レビュアー

K&Bのママ

中々レンタル出来なかったので、原作をもう一度読みました。

そうすると一度目には気がつかなかった伏線があったりしっくりこなかったラストもやっぱりしっくりこないままでいいのであって、作者がこちらに問うている作品なんだろうなぁと・・・
警察や法律や世間の人々全般に問うている。 善とは、悪とは、
とこれは伊坂作品では『アヒルと鴨のコインロッカー』でも同じ。

原作を読んでいて、春のイメージがもう果てしなく勝手に膨らんでいましたので、岡田くんの春にはきっと満足できないのではと思っていましたが、その美しさは、原作の春とぴったりで、とても良かったと思います。ただふわっとしたやわらかい感じの岡田くんなので、春が背負っている重力を表現する時、もっとがらっと変わった激しい顔が観たかったのです。 原作のイメージ。それを超える演技を観たかったという気持ちを満足させる演技というのは残念ながら岡田くんには無理でした。この、原作のイメージというのが強すぎるのですねきっと。  ストーカーの夏子さん。この夏子さんを写真に写っている夏子さんで表現できてしまうのは、映像ならではでしたね。 なぞの美女とお兄さんのからみは、もう少し観たかったですね。 オードーリー似の美女と原作で書かれていますので、これもイメージ膨らみすぎの読者にはちょっと違和感あったでしょうね。
原作より先に映画を観るほうが良かったかな〜と思いました。

お父さんは実によかったですね〜 特に「春は俺に似て嘘をつくのがへただ」と言った時のお父さんの顔は最高でございました。
小日向文世さん。 なんとも言えない味のある役者さんですね。
なんとなく、堺雅人さんと似てるな〜といつも思ってしまいます。
堺雅人さんといえば『ゴールデンスランバー』良かったです!
伊坂幸太郎原作作品でございますが、これは何も知らずに観たのです。そして『フィッシュ・ストーリー』こちらも真っ白な状態で観たのです。どちらも爽快でございました。 やっぱり映画って真っ白な状態で観たほうが良いのですね。と今頃気づくのでした。

完成図のわからないパズルのピースがはまっていくような感覚

投稿日

2011/04/25

レビュアー

ykk1976

伊坂幸太郎氏の原作は読んだことがありません。
わたしの行きつけの本屋(ヴィレッジヴァンガード)にも多数の作品が
山盛り置いてあるから、おもしろそうだなと気にはなっています。
毎回、原作を読んで映画を観ると、足りない部分や過剰盛られた演出にがっかりする場合が多いので、
せっかくだから読んでいないことをいいことに、この映画を観ることにしました。

何の前知識もなしに観始めたので、最初混乱しましたが、徐々にパズルのピースがはまるように、
いろいろ絵が見えてきます。
完成図のわからないパズルに取り組んでいるような高揚した気分になりました。
ただ、最後まで見てもそのパズルが完成した気がしない(もしくは、絵柄の意味がつかめていない)ので、
やっぱり原作を読んでみたいとも思いました。

いやあ、岡田将生さんいいですね。
わたしは、ドラマもあまり見ないし、最近の邦画はちょっとサボって観る機会が減っていて、
彼の出演作を始めてみたのですが、ただのかわいい顔の男の子ではありませんね。
重く演じればいくらでも重くなれる難しい役どころなのに、
等身大の青年らしさも感じられて、とっても好きでした。
加瀬亮さん、相変わらず最高です。
彼はわたしより二つ上で、映画撮影時でも逆算して30代半ばくらいだと思うんですが、
実際に20歳前の岡田将生さんとほんの少ししか離れていない兄弟に見えました。

ステキな台詞も多かったです。

二重螺旋

投稿日

2010/02/03

レビュアー

ひろぼう

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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物語はDNAを軸に据え、犯罪性の遺伝という仮説まで提唱しているのに、二男の誕生秘話にまつわる家族愛へと、ストーリーが進展すると共に比重の割き方が大きく偏ってしまい、塩素記号が云々はどうでもよくなって、挙句の果てには本末転倒な事件を起こして正邪の判断もお座なりの曖昧なラストで締めくくるという残念なお話でした。

物語は導入から中盤くらいまでは、一家の今と過去の傷を並行して描くことで、人物像に重みを与えその行動に納得感を持たせる上手い展開ではあります。容姿性格共に全く異なる兄弟の不思議。その謎が、両親の出会いから別れまでを通じて明らかにされていきます。臆病な兄と大胆な弟。似ても似つかぬ二人を、常にちょっと距離を置いて暖かく見守る父。写真の存在としての母もまた、兄弟に影響を与え続けているかのようです。

地方の町を舞台に起こる連続放火事件。その謎を行きがかり上解くことになる兄弟は、知らずと自分達の過去を見つめ直すことになるのでした。
そして明らかにされる謎には、悲しみを超える憤りを感じるのでした。
地方ゆえの密接な関係を保つ住民達の間では噂話が絶えず、それにより苦しめられた過去、母の痛みや父の苦しみが、再び目の前に再訪する時を味わさられる兄弟。
兄弟の苦しみはDNAにもたらされ、DNAを手掛かり辿り着き、そのDNAを断つことで重い鎖の繋がりから解き放たれるのでした。

その結末には、親の因果が子に祟りとなるのか因果応報とでもいうのか、自業自得と言い切れはするのですが、どうも納得がいきません。前半でDNAがもたらす災いを示し、それは遺伝するかのように言って事実事件まで起こして、じゃあ切っちゃえばみたいなノリで無しにするのは如何なものか。この結末では前半の重い描写が、これだけ酷い目に会ったら何やってもいいよねみたいな言訳と感じてしまうのでした。
人の善悪とは本当にDNAで遺伝するのか。塩素記号の二重螺旋で暴力性は受け継がれるのか。育まれた環境がそうさせるのではないか。生まれ落ちた時から粗暴な人間なんているのか、もしそうなら家族愛で更生できないのか、だってあんたら“最強の家族”なんでしょうと問い掛けたいのに、ガンジーのように受難を受け流すなんて無理だよねとばかりに、もう一つの犯罪を容認せよと迫るのでした。

これには物語がDNAに、二重螺旋の繋がりに絡め取られたかに思わされるのでした。
あがいても逃げ出そうとしてもまとわりつく螺旋の戒めから逃れられない、釈迦の掌から飛びだせない乱暴者の猿と等しいと、そうじゃないと思わせておいて所詮人間なんてそんなもんで、あははと笑って生き抜くのさということなのですか。
がっかりしました。★2+

11〜 15件 / 全154件